またまたまたジャンクデレコを買ってしまった...
今回はNEC データレコーダー PC-DR311です。
結構ボロボロの状態の様で
・巻き戻しは動くが、再生と早送りは不安定
・再生でテープを巻き込む
との事です。
一度落札されたものの落札者から連絡がなく、捨て値でスタートしたが誰にも入札されなかったので
破棄されてしまうのは勿体ないと思い、ポチってしまいました。
前回のDR320の修理で検索していた時にNECのデレコの故障個所の特徴は大体分かったので、
楽しみながら整備出来たらなぁっと思います。
時系列的に今とは比べ物にならないぐらいの知識量しかなかったので、メモが取っ散らかって全くまとまっていません。
今回も異様に長いので、飽きたら×押す事を推奨します。
グダグダっぷりに興味のある方は宜しくお付き合い下さいまし。
●DR311の分解手順-ケース分解
まずは簡単に掃除して、グリスUPしながらベルト交換してロードテストしてみましたが
JODAN-DOSでもロードエラー。
折角なので分解手順おば。
裏面のネジ2本を外します。
フロントパネルの取り外します。
ここの外側を少し浮かせてポッチリの留まりを外してパネルを外します。
次のフロントカバーが初めてだと少し外しにくいですね。
フックがあるので上に持ち上げて外してから、スイッチの配線があるので右横に開きます。
フロントカバーのスイッチ(ネジ2本×2カ所)を外してカバーを分離。
ネジ4本外してデッキと基盤を引っ張り出します。
ここからが問題で、内蔵モニターのブザーをケースから外すのが大変。
こちらは一度外したあと、グルーガンで止めた写真。
本当は、一段上に付いてましたが上の抑えが折れそうなので、仮に下側へ止めています。
ゴム糊で止めてある上、ブザーの裏蓋をテープで止めてあるので、ゴム糊の付き方によっては留めが折れる覚悟だけしておきましょう。
トランスと電源コード部分を外して、ケースの分解は終了。
●DR311の分解手順-電解コンデンサの交換
裏面からバラシていきます。ネジ1本アース。
ネジ2本とバンド2本(結束バンドを切って、タイラップに変更してあります。)
交換後(コンデンサ交換前取り忘れました)
見た目、特に漏れは無さそうかな?大きいのが少し怪しいけど。
あとは元通りに、ブザーも上の段に戻して、完成♪
早速X1Cにカセットアダプター経由でロードテストしてみました。
ところが整備後も全く読み込みません。インフォメーションブロックは通過します。
再生速度がイマイチ安定していないのと、巻き取りが妙な時がある感じ?
ピンチローラー辺りが怪しい気もしますが、まだ初心者が断定出来る程ではありません。
カセット機構は全体的に薄い為に、ほぼバラさずにグリスアップしたのですが
NECはグリス固着が多い様なので、深部までバラす必要があるのでしょうか?
このモデルは外観が可愛いので人気がありそうですが、正常品を手に入れるには結構苦労するかもしれませんね。
見た目に拘りがあるなら、プロの方に整備を依頼するのが賢明だと思います。
●DR311の分解手順-機械部分の整備
三度分解にかかります。今回は読み込まない原因を本格的に究明。
X1Cと違い、テープが入っていなくても回るのがテストし易くて良いですね。
どうも、再生の音声が安定していないので、モーターから駆動周りに原因がありそうです。
あと、テープを巻き込む原因は、送りローラーのグリップが弱く60分テープ等の重めのテープになってくると
滑って巻き取らなくなるのかもしれません。
ピンチローラーと再生時の巻き取りローラーの取り外しですが、どちらもそれなりに分解しないとダメそう。
まずはスイッチのシャフトを抜きます。
スイッチを外すのですが、スイッチの裏側にバネがあるので注意。
この段階でピンチローラーが外れます。ネジではなくハメ込みタイプ。
スプリングが2本あるので付け方を忘れそうですが、取り合えず外れました。
次は送りローラーを外す為に、ヘッド部分を外したいけど外れない。
ここの溝まで上がれば外れそうなのでカシャカシャ動かしてみると、どうやらこのネジの裏側が引っかかる。
ネジの頭の方を見てみると...
メッチャ奥まってるorz
仕方ないので裏側から基盤とベルト&モーターを外して、フライホイールを外してみます。
NECのは横もネジが留まっている物が多いのか、ちょっと作業し難くて面倒ですね。
フライホイールは外れたけど、肝心のネジまでマダ遠い...
ん~これは相当バラさないと無理そうです。
何とかならないか色々みていると
「送りゴムがココから外れそうやん!」
外れました。
同じゴムリングは無いのでパッキンを用意
内径10mm、外形14~15mm、厚み2mmぐらいですが、手持ちは内径11mmで少し大きいのしかありません。
取り合えず、滑るよりは良いので仮に変更しましょう。
物理機構系は一旦組んで動作テストです。
ん~前回よりマシにはなった気がするけど、まだ不安定。
再度バラして、何が不安定になると同じ症状になるのかテープを走行させながらテストしてみます。
仮のパッキンゴムリングで巻き取りの方は滑りがホボ無く、これが前回より安定した一因である事は明らか。
この部分に関しては後日、一回り小さいパッキンを仕入れて交換すれば完璧です。
あとはピンチローラーぐらいしか無さそう...
と言う事で、ピンチローラーをゴリゴリ削ってみましょう。
精度を見る為にピンチローラーに小さな紙切れを当てて再生してみると、
本当に少しですがピンチローラーが波打っているのが分かりました。
この波が無くなるまでひたすら削ります。
結構削りました。これ裏面にも同じぐらいの削り跡があります。
ピンチローラーとキャプスタンを再び掃除して、このまま再生速度のテストをしてみると
「波形が今までと全く違う!!」
ピンチローラーでここまで変わるもんなんだと驚かされました。
「今日なんだか行けそうな気がする~」って事で、動作テストです。
一応、JODAN-DOS程度の短いものなら「時々」読み込むのですが、全く安定しません。
そこで、DR320の時にも試した方法をテスト。
実機でJODAN-DOSをロード、DR311にセーブして、そのままDR311でロードする作戦。
こうすればDR311基準のJODAN-DOSが出来るので読めるはずです。
これで読めないとなると再生速度の線は消えます。
しかしロード出来ない...これは全くダメダメそうです。
DR320の時はこれでSAVEもLOADも出来たのですが...
SAVE時のノイズが大きいのと、やはり再生時に波打った感じが抜けない気がします。
●電気部分も考慮しての整備
原因切り分けです。
DENON D-07で再生したものをDR311で録音、そうして出来たダビングテープを実機でLOAD。
しかし、ヘッダは読めるものの「Tape Read Error」チェックサムで蹴られています。
X1C実機で読めないのはDR311の録音が安定していない証拠です。
波形を確認してみると所々で下のような歪みが発生しています。
この歪みが、波打ってるように聞こえる原因な気がします。
まずは、巻取り用の送りゴムをマシなモノに変えてから再度検証しましょう。
ピッタリサイズは「内径10mm、外形14mm、幅2mm」
若干外形が小さいですが、内径がピッタリなのでゴムが安定して回ります。
バラしたついでに録音ノイズが多いのでスイッチも分解清掃してみました。
一番左が真っ黒です。
磨いて接点復活剤をかけて組み直し。
ぬぐぐぅ、内蔵ブザーから音が出なくなったぞ?orz
そう言えば分解したスイッチのテストしてなかった...
CMT OUTからは相変わらず波打った感じの音しかでません。
スイッチを再び外してテストしてみると、1か所だけ接触が悪かったので再度取り外して修正。
動作テストするもロードする気配なし...
やはり波打った感じが抜けなくて、最初の状態よりマシになったピンチローラーですが、まだまだ修正が足り無さそう?
代替品が簡単には手に入らないので、極力簡便して欲しい故障個所ですね。
X1Cの時は使い傷みで円錐状に変形していましたが、このDR311の場合は、極端に言うと楕円状態になっている風?
なので、いくら表面を削っても綺麗にテープを送る事が出来ず、改善されなかったと言う事みたいです。
一旦、ピンチローラーを取り外してみました。
これを真円に近付ける方法が分かりません。そもそも、そんな方法あるのかすら?w
取りあえずゴム部分だけ外してみました。
ゴム部分が柔らかめで、外し易かったのですが
その柔らかさが逆に変形の原因になっているのかもしれません。
土台のプラスチックが変色しているので、土台自体が変形してしまっている可能性もありそうです。
本来はある程度弾力があるプラスチックだと思うのですが、ゴムを外す時にパリパリと割れてしまいました。
「ん~、困った...」
もう1台買ってピンチローラーだけ移植すれば原因究明出来そうなのですが
意外と人気があるので格安で出てこないですよね。
ジャンクから外したピンチローラーがあったので、合うか試してみましょう。
センターのサイズが少し違ったので大きくしました。横幅も狭いのでワッシャを噛ませます。
早速テストしてみると交換前に比べて音が大分と安定したかも?再生速度の安定感が、かなり増しました。しかしロードせずorz
インフォメーションブロックは読むんですけど、チェックサムにかからず再生され続けます。
ボーレートの差なのかなぁとか考えだしたら終わってしまうので
ピンチローラーを交換したので、テープ位置がズレて引っ張られている可能性を考え「アジマス」に手を付けてみます。。
このアジマス、ヘッドの傾きは微々たるものなのですがテープの精度が想像以上に高いので
コンマ数ミリの差で正常に読まなかったりするのはX1Cで経験済みです。
●データレコーダーのアジマス調整にチャレンジ
さて、X1Cでは適当に調整して何とか動いている訳ですが
今回は音声出力が可能なので、実際にモニターしながら調整出来ないか試してみましょう。
普段、周波数を見る時は「Handy Oscillo-Scope」を使っているのですが
アジマスを見るソフトを探してみると「WaveSpectra」ってのが有名なんでしょうか。
こう言うフリーソフトって本当に助かります。感謝感謝。
使い方を見ていると「リサージュ」と言うのを見ながらアジマスを調整する様です。
試しに再生してみるとなんだか振り切ってるようにバラバラ。
最初アジマスが狂ってるからかと思って調整ネジを回してみるも大して変化なし。
「ん~見本だと右斜め上の楕円の波形になるはずなのにな~」
「なぜ円にも斜め上にもならないのかなぁ~?アジマス以前に何かが悪いのかな?」とか考えましたが
ひょっとしたらデレコ特有の波形か何かなのかも?と思い調べてみると
要はアジマスの右斜め上の楕円の波形は
左右チャンネルのバランスを見るものでモノラルのデレコは円にならない!!
なんたる無知さ。
にしても、モノラルデッキのアジマスの調整の仕方が、何処にも載ってない...
「お頭ぁ!!ぐーぐるの野郎が全く役に立ちませんっ!!」
もうこうなったら自分の耳を頼りに調整してはテスト、調整してはテストと繰り返すしかorz
内蔵ブザーの音量が明らかに変化しているので、最大音量になる所で調整してみました。
ん~ここまで読まないと他の機器(X1C本体とかカセットアダプターとか)を疑ってしまいます。
そこで久々にDR320に登場願いました。
JODAN-DOSが余裕で起動...やっぱDR311が悪いのは間違いなさそうです。
複数機体を持ってると原因切り分けが非常に楽です。
掃除したり速度調整したりしながらテストしていると
「おぉ、JODAN-DOS上でJODAN-DOSをロード出来た!!」
パルススイッチは反転位置です。
このままイナブキさんのBattleBattleでテストだ!丁度HuBASICと同じぐらいの長さです。
ついにキターーー!!!1!1!!!!
このまま一旦カバーを付けて、ゼビウスにチャレンジ。
流石に無理だろうとは思いつつも、期待してしまうサガ
わお、PCG通過キターーそして起動。
なんか、今まで読まなかったのがウソみたいに直ってしまった...
突然だったので、再生速度なのかアジマスなのか、それとも全く別の何かなのかは分かりませんが無事にゼビウスも起動しました。
しかし、しばらく置いてから再度テストしてみると、またゼビウスを読まなくなってしまいましたorz
どうやら直ったのでは無く、たまたま読めただけだった様です...倒して置いてたのが良かったのでしょうか?
原因が分からないので、ここで一旦保留にしていました。
「PC-DR311の修理-その2」へ続く
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