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鳥羽で発見された大型草食恐竜化石についての調査研究や催し物の紹介をお知らせします。
担当 鳥羽恐竜研究振興会

恐竜の復元技術の進化

2009年06月18日 | 研究レポート
 朝日新聞、6月16日号に最新の恐竜学が特集されていたる大昔の地球を支配していた恐竜の実態はどうだったかの様子を最新の技術で詳しく調べたレポートが載っていた。東京上野の国立科学博物館で上映される「恐竜の世界」は白亜紀の草原で繰り広げられるティラノサウルスとトリケラトプスの戦いの様子がある。あの姿は本当かと探る。
 ティラノサウルスは全長10数メートル体重数トンで、最強の肉食恐竜。だが実際には狩りはできず死肉をあさっていただけという説もあるということを紹介しながら、海外で発見されたトリケラトプスの頭部の衿飾りや角には傷が治った後のあるトリケラトプスの化石も発見されている。傷の周りにはティラノサウルスの歯型があるとのこと。
 
 このことからティラノサウルスは確かに生きた獲物を襲った証拠だとしている。また、恐竜の姿勢についても以前とは大きく変わってきた。以前はティラノサウルスは立ち上がった姿勢で紹介されることが多かったが、現在は重い頭と尾で前後のバランスを取りながら機敏に歩き狩りをしていたのではないかという考え方が出てきた。
 
 草食恐竜のデュプロドクスではかっては首を下げ、あるいは首を挙げながら尾は引きずった形というのがあったが、最近は首の骨のつながり方のコンピューター解析で普段は首をほぼ水平に伸ばして尾をむちのようにまわし、天敵から身を守っていたとなってきた。鳥羽竜のスタイルも水平に首と尾を伸ばしている姿が今日の考え方になったきた。トリケラトプスの歩き方についても脚の化石からワニの這い歩き方から、直立型、小さく前ならえした形と進んできた。
 
 このほか、化石を壊さずコンピューター断層撮影で頭の骨の形やあごのかたちや動かし方までなども解析できるようになったきた。ステゴザウルスの大きな背中のよろいも大人と子どもで骨の成長の度合いが違い、成長するにつれ、固まり身を守るための武器として使えるようにもなってきた。とレポートされている。

 日本で発見されている福井竜や鳥羽竜、丹波竜についても研究が進められ、種の特定や生活の様子についても少しずつ光が当てられるようになってきた。

 鳥羽竜についてもアジア地域に生息していた大型の草食恐竜ティタノサウルスのなかまという特定はできたがまだ確実な種の決定がされていない。今後の研究の成果を待ちたいものである。

          鳥羽恐竜研究振興会 山下