ただ、映像を見る限り、親がなぜ自分を捨てたのか、そのとき、どんな複雑な事情があったのか、親が自分が苦しんだ以上に、苦しみ、子供が不幸になっていないか、心に掛けていたことを知った少女は、とても満足した顔をしていました。
自分がこの世に生まれるにあたって、親がどれほどの愛をかたむけてくれていたのか、
最低、他の誰もが望んでいなかったとしても、
親が自分の誕生をどれほど望んでくれていたのか、
それを知ることが、人間にとって、とても必要なことなのだと思います。
なぜなら、そのことによって、人は心のなかに、自分を信じるということができるようになるのだと思うからです。
自分が生まれてくることが、とても必要だった。
そう思っていてくれる人が最低、二人いる。
そうであれば、自分を信じることができる。自分を信じることができれば、人を信じることができます。
信じるということは、私たちが生きるということの、根本に根ざしたものなのだからです。