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時の関守

過去に置き忘れたもの ~この世はじまり(6)

少女は髪の色も、目の色も違う養母のもと、大切に育てられますが、何か過去に置き忘れたものがあると感じていました。
また、なぜ、自分が捨てられたのか、理由を知りたいと思っていました。

それは、自分を捨てた親をうらむという気持ちとは、ちょっと違った心の動きであったようです。
きっと、素晴らしい親に育てられたのでしょうね。人はこの世で最初に出会った親から、信じるということを学びます。
そして、それはその人が人生を生きるうえで、とても大きな影響をもたらします。

少女は子供の頃から感じていた、何か過去に置き忘れたもの、それを取り戻すため。
また、自分の中にある、何かわからないけれど、空虚(うつろ)になってしまっているものを埋めるため、中国の親に会いに行きます。
親も20年間、心にかかっていた心のとげを癒(いや)すかのように、娘を歓迎します。

そして、短い滞在のなか、娘はなぜ自分が捨てられなければならなかったのか、問いかけます。
答えの言葉は多弁(たべん)ではありません。
しかし、娘は、実の親がどんな過酷な状況のなか、娘を捨てることになったのかを理解します。

別れとのとき、父親はなけなしのお金をポケットから取り出し、娘の養母に差し出します。
前日に、娘が中国に残って、親を助けたい、親に親孝行したいという言葉に、「お前はアメリカに戻って、幸せになりなさい。お前にこの貧困を耐えることは難しいのだよ」と諭した言葉と同じくらい印象的なシーンでした。


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