読売によると,【恐喝未遂罪に問われた大阪市内の男性(59)に対し、大阪地裁の裁判官(54)が懲役1年2月の実刑を言い渡しながら、判決書の主文に同1年6月と誤記し、誤ったまま最高裁で確定していたことがわかった。 】という。
どうしてこういうことが起きたのかというと,刑事事件の判決は,言い渡しの際には作成されていなくてもいいからだ。上記読売にも,【裁判官は2004年7月、男性に対し、知人が金を貸した相手に包丁を見せるなどして返済を迫ったとして、同罪で懲役1年2月(求刑・懲役2年)の実刑判決を言い渡した後、判決書の主文の量刑を「懲役1年6月」と誤って記載した。】とあるとおり。
これに対し,民事事件では,判決言い渡しの際には,判決書は作成されており,言い渡し後直ちに,受領することができる。
なぜ,刑事事件で言い渡し時に作成されていなくてもいいかというと,これは判決までの時間も問題だと思われる。刑事事件の判決がずるずると遅れると大変な人権侵害にもなりうるため,とりあえず,言い渡しをするシステムとしたのでしょう。
現に民事事件の場合,判決書が作成されていないことを理由にずるずる言い渡し日が延びることもある。これまでの経験では4回くらい延期されたことがある。
ついでに,民事と刑事のもう一つの大きな違いは,刑事の手続が行われる日は「公判」というのに対し,民事の手続が行われる日は,「口頭弁論」と言います。
ジャーナリストのなかにも,このあたりを混同している人がいて,実際に,誌面に反映されたりする。気をつけましょう!
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