え~、あなたは、ここのところ、殺人事件の捜査で急がしくて睡眠時間2時間くらいが続いています。今日は夜勤、何事もなければありがたい…そう思っていたが、事件事故が複数発生し、あなたも現場に行くことに…。窃盗事件だ。ベンチに置いてあった女性の鞄を男性が盗もうとしたという事件だ。男性はベンチには誰もいなかったので忘れ物だと思い、交番に届けようとしただけだという。女性は、自分はベンチに座っていたのだから、忘れ物だなんて思うはずがない…という。あなたは、眠くてたまらない…。
警察署に連れて行ったあなたは、男性に対し、「おまえが本当に忘れ物を届けようとしたのだったら、女性がわざわざ、警察を呼ぶと思うか?おまえがウソをついているに違いないだろう!とっとと本当のことを言えよ、ぼけが」と自白を迫る。
一方で、別の担当者が、女性に対し、「君はかなり酔っぱらっているようだけど、本当にベンチにずっと座っていたのか。勘違いしていないか?」と迫る。
一時間後、男性が根負けした。「でも、おまえは中に何が入っているか知らなかったんだろう。もし、人気ゲーム機が入っていたら、ほしいなって思ったかもしれないだろう」
「そりゃ、思うくらいはするかもしれない」
「だろ、だったら、絶対に交番に届けるっていう気持ちではなかったんじゃないのか。そういうのを未必の故意というんだ。そういう気持ちで人の物に触ったら盗人と同じだ。このままじゃぁ、逮捕するしかないぞ。どうするんだ、明日の仕事もあるんだろう」
「どうしたらいいんですか」
「心の端にゲーム機などの好きなものが入っていたらほしいなと言う気持ちもあったということにすればええ。簡単なことや」
「そうすれば、逮捕はされませんか」
「勘弁したる」…
私は強引に自白を迫る、そんなあなたを責める気にはならない。なぜなら、人は弱いからです。私だって、そうするかもしれないからです。
もっとわかりやすいのは、交通事故。交通事故って過失なだけにどちらに非があるか、わかりにくい。
あなたが交差点での事故現場に行ったら、どっちも自分が進む方は青だったと言っている。そんなことがあるはずもなく、どちらかがウソをついている。
あなたは、どちらに対しても、「ウソをつくな、正直に言え」と迫る。「おまえ、青やったというが、どこの地点でそれを確認したんや、最後まで信号見て交差点に入る奴はおらん。どっかで前を見るもんや」
弱気な方が、もしかしたら、自分が目をそらした後で黄色になったかもって話す。
あなたは、叫ぶ。「おまえなぁ、いい加減にさらせよ。警察をなめとんか。ウソばっかりつきやがって、いままで青やったっていうてたんは、みんなウソか。知らん、もうおまえの言うことには聞く耳もたん。朝までここにいろ」
「え~、そんな。明日も仕事が…」
「知らん、そんなことは。たいした事故じゃないんだから、裁判にもならへんのやから、本当のことをいえ」
「え、裁判にはなりませんか」
「ならん、ならん、こんなのいちいち裁判してたら、日本の裁判官は過労死するわ。いや、わしも過労死や。な、おまえ、もしかしたら、赤になったかもしれんやろ」
「…はい」
「よし、わしがうまいこと調書書いたるから、ちょっと、お茶でも飲んどけ」
横で立ち会っていた別の警察官「いや、さすが、落としの長さんでんな」
「まぁ、ワシの手にかかったら、こんなもんや、あの嘘つきが手こずらせやがって…」
もう一度言います。私は、こういう取り調べをしてしまうような過酷な環境で仕事にあたっている警察に同情します。捜査を真剣にやっていたら、昇進試験の勉強をする時間もなくなってしまう…。
しかし、そんな警察は社会にとってはえらい迷惑な話だ。誘惑に駆られたときに、それを防ぐ制度があるか否か、それによって大きく社会のありようが変わってくる。
取り調べ過程の全面録画化、これさえあれば、自白偏重の捜査はなくなる。逆に言えば、録画化なくして、違法取り調べは根絶できない。それで人手が足りないとかいうなら、まずは、本当に必要なことだけ取り調べているか?単にキャンプの時に使ったナイフがクルマのトランクにあっただけというようなことまで事件化していないか?などを徹底的に検討した上で、増員する必要があればすればよい。
裁判員制度に向けた刑事司法制度のあり方を検討している裁判所、検察庁、弁護士会の協議に、警察庁が参加し、取り調べの録画化(可視化)について協議することになった。踏み字事件、富山無罪事件とここにきて連発したえん罪事件の被害者をこれ以上増やさないためにも、取り調べ過程の録画化をぜひ実現させましょう。
警察庁は、録音化について(1)取調官と容疑者間で信頼関係が築けなくなる、(2)容疑者が暴力団員などの場合、組織内部の報復を恐れ供述が得られなくなる、(3)被害者らのプライバシーが侵害される恐れがある―などを理由に一貫して反対の姿勢を示しているというが、片腹痛い。
(1)捕まえる側と捕まる側で信頼関係なんてありえない。結局、信頼させてウソの自白をさせるという詐欺的取り調べ温存のためではないか。
(2)暴力団員の場合、報復を恐れる?なぜ?自白を争う事態にならないと、テープは法廷には出てこないですよ。それとも、テープが暴力団に横流しされるかもしれないってこと?そんなに腐った組織なら、それこそ、取り調べで身を守るために可視化が必要だ。
(3)被害者らのプライバシーが侵害されるおそれ?なぜ?これもテープの横流しを恐れているのか?
取り調べの可視化にデメリットはない!可視化導入の声を!
★「憎しみはダークサイドへの道、苦しみと痛みへの道なのじゃ」(マスター・ヨーダ)
★「政策を決めるのはその国の指導者です。そして,国民は,つねにその指導者のいいなりになるように仕向けられます。方法は簡単です。一般的な国民に向かっては,われわれは攻撃されかかっているのだと伝え,戦意を煽ります。平和主義者に対しては,愛国心が欠けていると非難すればいいのです。このやりかたはどんな国でも有効です」(ヒトラーの側近ヘルマン・ゲーリング。ナチスドイツを裁いたニュルンベルグ裁判にて)
★「News for the People in Japanを広めることこそ日本の民主化実現への有効な手段だ(笑)」(ヤメ蚊)
※このブログのトップページへはここ←をクリックして下さい。過去記事はENTRY ARCHIVE・過去の記事,分野別で読むにはCATEGORY・カテゴリからそれぞれ選択して下さい。
また,このブログの趣旨の紹介及びTB&コメントの際のお願いはこちら(←クリック)まで。転載、引用大歓迎です。なお、安倍辞任までの間、字数が許す限り、タイトルに安倍辞任要求を盛り込むようにしていましたが(あまり実行できなかったが…)、辞任したので中止します(ここ←クリック)。
警察署に連れて行ったあなたは、男性に対し、「おまえが本当に忘れ物を届けようとしたのだったら、女性がわざわざ、警察を呼ぶと思うか?おまえがウソをついているに違いないだろう!とっとと本当のことを言えよ、ぼけが」と自白を迫る。
一方で、別の担当者が、女性に対し、「君はかなり酔っぱらっているようだけど、本当にベンチにずっと座っていたのか。勘違いしていないか?」と迫る。
一時間後、男性が根負けした。「でも、おまえは中に何が入っているか知らなかったんだろう。もし、人気ゲーム機が入っていたら、ほしいなって思ったかもしれないだろう」
「そりゃ、思うくらいはするかもしれない」
「だろ、だったら、絶対に交番に届けるっていう気持ちではなかったんじゃないのか。そういうのを未必の故意というんだ。そういう気持ちで人の物に触ったら盗人と同じだ。このままじゃぁ、逮捕するしかないぞ。どうするんだ、明日の仕事もあるんだろう」
「どうしたらいいんですか」
「心の端にゲーム機などの好きなものが入っていたらほしいなと言う気持ちもあったということにすればええ。簡単なことや」
「そうすれば、逮捕はされませんか」
「勘弁したる」…
私は強引に自白を迫る、そんなあなたを責める気にはならない。なぜなら、人は弱いからです。私だって、そうするかもしれないからです。
もっとわかりやすいのは、交通事故。交通事故って過失なだけにどちらに非があるか、わかりにくい。
あなたが交差点での事故現場に行ったら、どっちも自分が進む方は青だったと言っている。そんなことがあるはずもなく、どちらかがウソをついている。
あなたは、どちらに対しても、「ウソをつくな、正直に言え」と迫る。「おまえ、青やったというが、どこの地点でそれを確認したんや、最後まで信号見て交差点に入る奴はおらん。どっかで前を見るもんや」
弱気な方が、もしかしたら、自分が目をそらした後で黄色になったかもって話す。
あなたは、叫ぶ。「おまえなぁ、いい加減にさらせよ。警察をなめとんか。ウソばっかりつきやがって、いままで青やったっていうてたんは、みんなウソか。知らん、もうおまえの言うことには聞く耳もたん。朝までここにいろ」
「え~、そんな。明日も仕事が…」
「知らん、そんなことは。たいした事故じゃないんだから、裁判にもならへんのやから、本当のことをいえ」
「え、裁判にはなりませんか」
「ならん、ならん、こんなのいちいち裁判してたら、日本の裁判官は過労死するわ。いや、わしも過労死や。な、おまえ、もしかしたら、赤になったかもしれんやろ」
「…はい」
「よし、わしがうまいこと調書書いたるから、ちょっと、お茶でも飲んどけ」
横で立ち会っていた別の警察官「いや、さすが、落としの長さんでんな」
「まぁ、ワシの手にかかったら、こんなもんや、あの嘘つきが手こずらせやがって…」
もう一度言います。私は、こういう取り調べをしてしまうような過酷な環境で仕事にあたっている警察に同情します。捜査を真剣にやっていたら、昇進試験の勉強をする時間もなくなってしまう…。
しかし、そんな警察は社会にとってはえらい迷惑な話だ。誘惑に駆られたときに、それを防ぐ制度があるか否か、それによって大きく社会のありようが変わってくる。
取り調べ過程の全面録画化、これさえあれば、自白偏重の捜査はなくなる。逆に言えば、録画化なくして、違法取り調べは根絶できない。それで人手が足りないとかいうなら、まずは、本当に必要なことだけ取り調べているか?単にキャンプの時に使ったナイフがクルマのトランクにあっただけというようなことまで事件化していないか?などを徹底的に検討した上で、増員する必要があればすればよい。
裁判員制度に向けた刑事司法制度のあり方を検討している裁判所、検察庁、弁護士会の協議に、警察庁が参加し、取り調べの録画化(可視化)について協議することになった。踏み字事件、富山無罪事件とここにきて連発したえん罪事件の被害者をこれ以上増やさないためにも、取り調べ過程の録画化をぜひ実現させましょう。
警察庁は、録音化について(1)取調官と容疑者間で信頼関係が築けなくなる、(2)容疑者が暴力団員などの場合、組織内部の報復を恐れ供述が得られなくなる、(3)被害者らのプライバシーが侵害される恐れがある―などを理由に一貫して反対の姿勢を示しているというが、片腹痛い。
(1)捕まえる側と捕まる側で信頼関係なんてありえない。結局、信頼させてウソの自白をさせるという詐欺的取り調べ温存のためではないか。
(2)暴力団員の場合、報復を恐れる?なぜ?自白を争う事態にならないと、テープは法廷には出てこないですよ。それとも、テープが暴力団に横流しされるかもしれないってこと?そんなに腐った組織なら、それこそ、取り調べで身を守るために可視化が必要だ。
(3)被害者らのプライバシーが侵害されるおそれ?なぜ?これもテープの横流しを恐れているのか?
取り調べの可視化にデメリットはない!可視化導入の声を!
★「憎しみはダークサイドへの道、苦しみと痛みへの道なのじゃ」(マスター・ヨーダ)
★「政策を決めるのはその国の指導者です。そして,国民は,つねにその指導者のいいなりになるように仕向けられます。方法は簡単です。一般的な国民に向かっては,われわれは攻撃されかかっているのだと伝え,戦意を煽ります。平和主義者に対しては,愛国心が欠けていると非難すればいいのです。このやりかたはどんな国でも有効です」(ヒトラーの側近ヘルマン・ゲーリング。ナチスドイツを裁いたニュルンベルグ裁判にて)
★「News for the People in Japanを広めることこそ日本の民主化実現への有効な手段だ(笑)」(ヤメ蚊)
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