「18歳とはいえ、少年法で守られることが、あまりに理不尽だと考える」 2020-04-22 00:00:00 | 日記 2020年4月22日、 川崎市の多摩川河川敷で中学1年生の被害者少年(当時13)が刺殺体で見つかった事件で、報道のあり方が問われている。真偽不明のものを含む情報がインターネット上にあふれる中、逮捕された少年の実名と顔写真が週刊誌に掲載された。逮捕前の映像をめぐっても、新聞・テレビ各社の判断が分かれたのだ。2015年2月27日朝、リーダー格とされる少年(当時18)が事情聴取を受けるためタクシーで川崎署に入るところを、多くの報道陣のカメラがとらえていた。その後、逮捕された少年の映像や写真をどこまで報道するかで、新聞、テレビ各社が判断を迫られたのだ。民放各社は逮捕前の少年がタクシーを降りて、署に入るまでの様子を報道した。映像はモザイクで顔などを隠していたが、服装は判別できた。TBS広報部は「注目された大きな事件の容疑者が自ら署に入るシーン。18歳以上であり、逮捕確認後に本人が特定できないよう強いぼかしを入れた上で使用した」と説明する。テレビ東京は、少年の年齢や視聴者の関心などを考慮し、映像使用の是非や扱いを判断しているとした上で「事件の重大性などに鑑み、少年が特定されないよう配慮して放送した」としたのだ。フジテレビは逮捕された少年3人の顔写真や、逮捕前の少年のインタビュー映像もモザイクをかけた上で放送した。同社広報部は「事件の真相を探る上で必要と判断した。少年法を尊重すべく留意した」と説明。またモザイクをかけた3少年の顔写真を放送した日本テレビの広報・IR部は「事件を伝えるために重要と考えているが、本人の特定につながらないように細心の配慮をした」としているのだ。NHKは署に入る少年の全身は映さず、足の部分だけをアップにした映像を放送した。同広報局は「放送ガイドラインにのっとり、本人が特定されないよう細心の注意をしている」とコメントしたのである。しかし、「週刊新潮」は5日発売号で、逮捕された18歳少年の氏名と顔の写った写真を掲載した。少年法は、事件を起こした未成年の氏名や容貌の記事掲載を禁じている。同誌は誌面で「18歳とはいえ、少年法で守られることが、あまりに理不尽だと考える」と記した。同感である。なぜ、加害者は人権が守られ、被害者の人権はないがしろにするのか。これの繰り返しだ。「週刊新潮」は事件を6ページを使って報じた上で、別に「『少年法』と『実名・写真』報道に関する考察」と題した3ページの特集を組んだ。「考察」では、1999年の「光市母子殺害事件」、2015年1月に発覚した名古屋市の女子大学生による女性殺人事件など、これまでも少年事件で氏名や顔写真を掲載してきた経緯を説明したのだ。少年事件をテーマにした漫画「家栽の人」の原作者は「少年法は2000年代に入って何回も改正され、週刊新潮が書くほどには未成年者の犯罪に甘いものではなくなった。今回の少年たちは逆送され、刑事事件の法廷に立たされる可能性が大きい。実名の判断はそこから考えてもよかったのではないか」と話したが、2020年現在の当時18歳の様子は・・・(井森隆)