今日は、荒れた天気になるというので、雨が降る前に実家に…。
すると父が「こんなのが出てきたから、もって帰れよ」と。
私の実の父のものと、母のもの。
写真のガラスペンは、母のものです。今の父とよく出かけていた箱根で「ガラスの森美術館」に行って
お土産に買ったようです。先の繊細な溝がステキです。使ってありますよー。
母はボールペンよりも万年筆よりも「つけペン」が好きでした。
長年つけていた仕事の帳簿も、全て「つけペン」です。
母の事務机には、いつもインク瓶とペンがありましたっけ。
このペンで、母はきっと友人宛の手紙など、かいていたのでしょうね。
なぜ私にくれなかったか…すぐ壊すに決まってるから…さすが親です。
こちらが実父の使っていた「製図用具」。
写真では色が出ていませんが、実物は燻したようにシブい色目になっています。
右から3番、4番目は、芯を入れるのではなく「烏口(からすぐち」」という、
インクを入れて使うものです。左端の直線引き用も烏口。ほとんど内田洋行の「KENT製」です。
右端は「デバイダー」といったかと思うのですが、これはコンパスのように回すのではなく、
直線上で等距離に図ってしるしをつけたり、図上で寸法や地図だと距離を測るもの。
烏口というのは、こんなカタチからそう呼ばれていると聞きました。
ここにインクをいれ、ネジで先の広がり具合を調節することで、細い線から太い線まで引けるわけですね。
こちらはごく小さい○を描くスプリングコンパス。コレは「芯」を使います。
父はエンジニア、母は製図手でしたので、我が家にはこういうものがたくさんありました。
そして大きな「製図板」、子供心には壁のように大きく見えていましたけれど、
今から思うと100×150くらいだったのではと…。ダイニングテーブルくらいですかねぇ。
今はプラなどのいいものが出ていますが、当時は木製でイーゼルのように台に立てて使っていました。
ほとんど父が使っていましたが、時には母も、コンパスをクルクル回したり、きれいな直線を引いたり…。
ある日、母が手紙を書こうとしたら便箋が手元になくて、父の使っていたトレシング・ペーパーを2枚出すと、
製図台にテープでペタっと貼って、あっという間に罫線を描きました。両サイドの線だけはちょっと太め。
更に左下に罫2本分を短くしてスペースをあけ、ジェット機を上から見たような感じの絵をササッと描いて、
黒く塗りつぶすと、それを乾かして便箋にしました。たぶん「航空便用の便箋」を使ったとみせるため?
でもさ、かーちゃん、航空便用なら横罫のほうがいかったんでない?
自分もいつかやりたいと思いながら、あきもせず眺めていましたっけ。
母のやっていた製図手というのは、今もそういうのかどうかわかりませんが、「元図」を描く人のこと。
つまり、品物を渡されて、寸法や形状を自分で調べて「3D」を「2D」にする作業。トレースとは違います。
そういう仕事にもちょっとあこがれて、中学生のころでしたか
「私もおかーさんみたいに、ああいう図面とか描くシゴトしよーかなー」といったら、即答で「ムリ」…。
「なんでぇぇ」と言うと「アンタ、コンパスで丸描いたら、最初と終わりがつながらへんやろ」…。
えーーと、さすがにそれはありませんが、性格おおざっぱですからねぇ。
途中で線の太さがかわっちゃっても、ま、いっか…の方ですし、母はちゃんと見抜いていたんでしょうねぇ。
「1ミリの半分くらいの線も引かなあかんねん。直角はぴっちり90度、一点鎖線の長さかて決まってんねんで」
はいはい、とてものことにアタシにはムリデゴザイマス。
なのでシゴトにはしませんでしたが、見よう見まねで覚えまして、レタリング用に私も道具一式持ちました。
今でもまじめに取り組めば、明朝体で名前くらいかけると思います。やだけど。
今はもっぱら手芸用の型紙や、バッグデザインの計算などに使っています。
もちろん「線の太さは、オールえぇかげん」で。しかもしまいこんだ道具がどこへいったか…で、
小学生用のコンパス使ってるし…ほんとにシゴトにしなくてよかった…。
型紙描くのに持っているのが「ミニ・ドラフター」。ライターは大きさ比較。
実はなぜか主人もエンジニア、もっとも家では仕事をしませんので、お道具は全部会社ですが、
これを見て「いいの持ってるじゃん」…ほしけりゃご自分でお買いなさいまし。
私はこの上でイラストなんかも描くのでございます。お譲りは致しません!
とまぁいつもなんでも「カタチから入る私」なので、道具類は揃っているのですが、
肝心の「実践」がねぇぇぇ。帽子の型紙描きかけて何年経つ??
こんな私ですが、両親の残したこの道具は大切に保管します。
さて、荒れるといいつつ今はまだ風だけですが、雨もたまにハパラパラ。
浜松の土砂崩れ現場は大丈夫でしょうか。落ち着かない日本列島ですねぇ。
追記…コメントで子供のころのコンパス…のお話がありましたので、一緒に出てきた「私のコンパス」。
頑丈そうに見えますが、型でパンと抜いたものですから、脚の中はスカスカ。
芯の入るほうの脚の中にポケットがあって、替え芯が入っています。
見ました。最近の物だとばかり思って
いましたが、そんな前からあったの
ですね。
おしゃれなお母様は持ち物もおしゃれ
ですね。
そこそこのお値段のものもありますが、お母様のものは結構なお値段がするかと。
過日実際に手にすることができまして、書いてみたらあたりがすこーし固めでしたが、滑らかさは心地良かったです(^^)
一度インクをつければ、かなり書くことができますので、絵を描くにも宜しいかも♪
烏口 学生の頃、結構使いましたね。いえ、勉強ではなく遊びで。私も道具には目がなくて。でも使いこなしてものになるかというと・・・きっととんぼさんより、ずっと大雑把。 どんぶり勘定といいますが、私のは笊の底が抜けて枠だけしかないという性格ですもの(^^;;
銀座の文房具屋さんで見かけて欲しくなったのですが
私は残念ながら 私を良く知っておりますので
涙をのんで諦めました。
訳はお母様がとんぼさんに言われた事と同じだからです
祖父が国鉄の技師だったので
写真と同じ様なものが箱に入ってありました。
小学低学年の頃か 鉛筆を挟んだコンパスを使っていたので
祖父の持っている様なコンパスは 精密機械が書けて
鉛筆コンパスは お絵かき用だ・・・ と 機嫌が悪かった私
弘法筆を選ばず とはいうものの 選ぶでしょうねぇ
父か母の物で、日用品で軸はプラスチックです。
穂先を差し込んで使います。
というわけで、穂先を割ってしまったら買い換えて差し替えるのですが…今、穂先を売ってるのかなあ。
私も建築でしたので、烏口もデバイダーも、烏口コンパスも使いました。
製図の初めだけで、あとは製図用のペンでしたが。
烏口を研ぎすぎて、紙が切れてしまったり…道具は父が機械化でしたので、そのお古を貰いましたが今はどこにあるのか?父に返したかも。
そうそう、1/200で階段とかタイル目地とか書きますから、1mmに5~6本線を引いたりしてましたよ。
母はブランドにはこだわらなかったので、
モンブランなんてのは持っていませんが、
かわりに漆塗りのペンとかがあります。
キレイなものが好き…だったんですね。
箱根には湿生花園」などもあったので、
よく行ってました。
今更ですが、一緒に行きたかったです。
私も割るのが怖いくせに、ガラスものが好きです。
琉球ガラスのコップがほしいとか、
ベネチアングラスの花瓶がほしいとか…。
ペンはこれをもらいましたが、先を折りそうで、
かざっておくだけになりそうです。
ほんとに大雑把というのは「おおらかねぇ」といわれても、
ほめられた気がしませんよねぇ。
実は持って帰ったものの、怖くてそおっとそおっと
触っています。タダの空き箱できたので、
緩衝材を敷いて、きちんとしないと、
落としてすぐに割りそうです。
ありましたね、鉛筆いれるコンパス。
実は、私が子供のころに使っていたコンパスも
写真撮ったんです。アップしますね。
この頑丈そうなのからすると、ほんとオソマツですわ。
建築の方をなさっておられたのなら、
図面はもうお手の物でしょう。
私などはシロウトのお遊びを、ついに脱せずじまいです。
父が烏口を研いでいたものも、専用の消しゴムも、
ガラス消し、T定規もいろいろあったのですが。
まだ実家にあるのだと思います。
昔のものはしっかりしてますわ。
KENT製の製図用具、私のは安物だと思いますが持ってます。持ってるだけで新品のままほとんど使ってません。昔レタリング用に通信教育の日美なんとかというとこで購入したと思います。捨てるにはもったいないし、甥っ子で興味ある子がいたらいいけど。
昔、実家にケースに入ってありました。ビロードのケースだったように思います。確か内田洋行のものだったように思います。
でも処分してしまったように思います。
父は文系の人間だったので誰が使ったのか????
昔の道具はなんか雰囲気がありますよね~
今の道具はあと何十年後に見たらどう感じるのかなあと思いました。