ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

はっきりしない柄

2009-09-23 14:18:20 | 着物・古布
絽の襦袢の解きを伸子張りしました。平絽で絵羽柄です。
元々、なんかはっきりしない柄だなぁと思っていたのですが、
写真の画像調整していて、すればするほどボケる…こらーっ!

夏物じゅばんですから、そりゃ表に響かないようぼんやりでいいんですが、
なんといいますか、はっきりしないのでいらつく??
あぁそんなにいじめちゃだめよ、がんばっているんだから…そーよね。
それにしても、なんの花だかもよくわかりません。
はなびらの輪郭や葉脈の線なんかは、けっこう味あるんですが。
写真だとよけいボケます。実際にはもう少しなんとか…です。


   


そして、伸子張りしていてきがつきました。
つまみおくみ、になっているのですが、そのつまんだところ、柄がありません。


               


つまり、仕立てちゃってから絵を描いた?
そんなことしたんですかねぇ。なんとなくまたしても「へたうま」柄ですが、
でも全体をみますと、柄の配置などは順当です。
地色が真っ白ではなくて、ごくごくうすーいグレーです。
そのまま見ると、なんとなく「薄汚れている」感じがしなくもない…。
若い女性の襦袢にするのに「かわいそうだから」と、
さらさらと描いたのかもしれませんね。

着分ありますが、残念なことに、数箇所おっきな「シミ」つき。
黄色系茶系と、絵よりもシミの方が色とりどり?落ちそうにありません。
夏物のうそつきの袖にはいいですかね。
お天気もなんとかなりそうだし、洗えたらこのあともう片身ごろを…。

連休も今日でおわりですね。おもいっきりボケボケのダラダラですごしました。
なんとはなしに引き出しをかき回していたら、
20年くらい前に書いた「原稿」がでてきました。
息子の病院通いの合間にせっせと…あーこんなことしてたのよねー。
当時はワープロもパソコンもありませんで、レポート用紙に手書きです。
ところどころ拾ってみました(アタシもヒマだ…)



「タツオくんちのエレベーター」


タツオくんは「さくら幼稚園」の年長さん。
走ることと飛行機とカレーの大好きな男の子です。

タツオ君のうちは、10階建てのマンション
「にじが丘スカイハイツ」の7階です。
そのベランダの端っこに、小さな物置が置いてありました。
タツオくんの背よりちょっと小さくて、屋根が赤くて扉はクリーム色。


<上が主人公の登場と説明、この物置がエレベーターだった、
 というお話しです。扉があくと、青い服のネコの宅配屋が乗っています。
 二本足で立っていて…しゃべります、このネコ>


タツオくんがびっくりして眼をまん丸にしていると、
その猫がしゃがれた声でいいました。

「下へ行くんですがねぇ、乗るんですか、乗らないんですか」…。

よく見れば、物置の中はきれいなクリーム色の壁で、
青い服の猫の横に小さな手押し車が一台。
その上には、ダンボールの小さな箱がみっつ。

「ちょっと、どうするんですか?」

猫がキランと眼を光らせてそういいました。

「のるよ、のる!」

そういってタツオ君はあわてて、猫の手押し車の横にすべりこみました。
タツオくんでも、しゃがんで小さく丸まってないといっぱいいっぱいです。
猫がまたいいました。

「1階でいいですか?」
「…うん」

猫の手がすっと伸びた先には、いつも乗っているエレベーターとおんなじような
「行先ボタン」がありました。
扉がしまります。すると物置がすーーっと降りはじめました。

「アナタはお散歩ですか?」

突然猫がそういいました。

「えっと、うん」

タツオくんはそう答えました。

「私はね、あとみっつ配達すれば今日の仕事は終わりなんですよ」

猫は顔をあっちにむけけたままそういいます。
猫の手押し車のみっつの箱は、どうやらその荷物のようでした。
ちらっと見ると、たしかにその箱には伝票みたいな紙が貼ってありました。
でも丸とかびっくりマークとか、変な記号ばかりでぜんぜん読めません。


<このあとエレベーターがついたところは大きな森の中、
 彼はちょっとお手伝いなどして、ネコについていきます>


「やぁすみませんね、助かりました。小さいけど重いんですよ。
 なんたってどんぐりがぎっしりなんですよ、この一番上の箱…」
「どんぐり?」
「そうです、毎年今頃の時期になると、ウォルナスさんのとこで
 あっちこっち送ったり送られたりするんです。どうせおんなじものなんだから、
 自分のところでしまっときゃいいのに」
「ウォルナスさんてだぁれ?」
「はしばみ森、池の前しいのき3階のリスのウォルナスさんですよ。
 ご存知ないんですか?」
「知らないよ…」
「おや、このあたりじゃ働き者で有名なんですけどねぇ。
 同じしいのきの4階がナッツコートさん、真ん中の箱のお届け先です。
 一番下の箱は、お向かいのぶなのき8階のカッティングピートさんなんですがね、
 あそこは高いから、毎度大声でどなって下までおりてきてもらうんです。」
「カッカッ…」
「カッティングピート!」
「そのひともリスさん?」
「きつつきですよ!」

ネコは、そんなことも知らないのかというように、タツオ君を見上げました。
 

とまぁ、こんな感じです。
二軒目まではお届けするんですが、三軒目のきつつきさんちにお届けする前に、
こっちがザセツしてます。

ずっと童話を書くのが夢だったのです。
才能もありゃしないと思いながら、頭の中に浮かぶ光景を
文字で綴っては、あーこれじゃテーマがわからんわ、とか
ワタシはいったいナニを言いたいんだ?とか…。
結局、才能ってそういうことなんですよね。
このお話しは、「人間以外の生き物との共存」というような、
「自然に目を向けると、いろんなことがみえてくる」みたいな…
そんなお話しにしたかったのですが、テーマが茫洋としすぎて、
そう、まるで上のじゅばん柄のよーだ…。
結局ほうりだしました。絞込み不足です。

文章は、しっかりしたテーマと、いかに「削るか」なのですね。
私はいつもいつも、だらだらと長い文を書いています。
ヒトの長文は、これ、こうしてこうして…三分の二でたりるじゃない…
などと不遜なことを思うのですが、自分のこととなると、
さっぱりわかりません。人間って、そんなものなのでしょうね。

童話や児童文学は今でも好きで、このお休みに「えんの松原」を
ちらっと読み返したりしていました。
もう一度、いつか書きたいなと、そんなことを思っています。
ところで…抜粋だけですが、少しはおもしろそうだと、思えました?

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4 コメント

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Unknown (とんぼ)
2009-09-24 19:57:01
haco様
ほんっとに、難しいですね。
作家さんはエライです。

これはもうどうしたものかと、
ほってありますが…完成しないうちにボツです。
このネコさん、設定では「しましまネコ」で、
ちっとプライド高くて、でも礼儀正しく
マジメな「宅配社員」です。
返信する
Unknown (haco)
2009-09-23 23:43:16
こちらにもお邪魔します…
素敵じゃないですか!続きが読みたいです。
猫がキランと目を光らせて・・・ってところ、いいですね~。
私も一時期、お話も書こうとしていましたが、諦めました。
難しいですよね。友人の童話作家を尊敬してしまいます。

「えんの松原」持っています。
太田大八さんの絵も好きで。
ああいうサラッとした線を描くのも難しいです。
返信する
Unknown (とんぼ)
2009-09-23 19:20:26
陽花様
何本書いても、モノにならんのです。
続きが…かいてないんですよぉ…。
私もきになりますー?!
返信する
Unknown (陽花)
2009-09-23 18:11:15
スゴイですね~童話を書くなんて・・・
読んでいて光景が目に浮かびました。
人間と猫と森の住人の動物たち、どんぐりを
届けたらどうなったのかと続きが気になりますね。
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