ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

こんな単が…

2009-09-24 19:52:49 | 着物・古布
写真は単の訪問着、色はもう少しグレーっぽい紫です。

かなり最初のころにご紹介していると思うのですが、
そのとき、この地にしわしわがあるのが、なんだかわからなかったのです。
いえ、「思い込み」ってものなんですが、要するに「縫い絞り」だったのです。
今落ち着いてみればすぐ思いつくのに、あの当時はまだ勉強不足。
これはなんでしょう、なんてひとさまにお知恵を借りたりしてました。

縫い絞りといえば「絞って染める」…ですから、
これは染の着物だから、何か別の方法でこうしてあるのではないか…なんて、
よけいなことを考えてしまいました。
これは、全部染めあがってから「縫い絞り」をしてぬらし、
「しわしわをつけた」…です。手が込んでますね。
地色が薄いと見えないので、色を濃くして陰影を出しましたが、
地はこんな感じです。横列に点々としているのが縫い絞りのあと、
縦がでこぼこです。


       

  
まだ暑い時期ですから、こんな風にでこぼこしているほうが、
体にペタッと付かなくて涼しいでしょうね。

柄は広げてみるとこんなです。地引網柄。
下の砂浜には海星や、貝などが見えます。バランス的にデカいですが…。


   


なんたってゼータクな漁師さんで、腹掛けやちゃんちゃんこの刺繍は「金糸」。


       


右脇から、右前にかけてはかもめさんが…。


                 

残念ながら、これはもう着られないんです。
もったいないんですが、こういう色なので、
ヤケなどで色がはっきりかわっているところがあるんですね。
こんな感じ…。


        


これは紋もはいっていて、しかも見えない「衿裏」この艶めき色です。


       


たぶん玄人さんのものではないかと思うのですが、
新しかったときは、さぞかしきれいだったでしょうね。
これはもう衝立にでも加工したら、いいんじゃないかと思っています。
ずっと保存してあるのですが、こんなにいい柄なのに
着られないものを見るのはつらいですねぇ。

今日は、昼間はちょっとだけ夏もよう、で暑かったです。
それでも湿気がないのと風があるのとで、すごしやすかったですが、
かえって家の中のほうが、ちょっと蒸しました。
昼と夜の温度差が大きくて、エプロンを割烹着に替えてみたりいそがしいです。
秋分も過ぎましたから、これからは昼が短くなっていきます。
毎度季節の変わり目ごとに、ほんとにちゃんと秋が来るなぁ、なんて、
アタリマエのことに感心しています。


コメント (4)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« はっきりしない柄 | トップ | 小紋ですが »
最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
憤死・・・・ (りら)
2009-09-25 04:13:09
何とかならないものでしょうか!?
と、貧乏人のくせにあれこれ考えてジタバタしてしまいました。
妙なことしている御所人形や唐子、大好きなんです。
ましてや漁業ときたら・・・・
ただいま憤死中です。
返信する
素敵ですね (穴熊の女房)
2009-09-25 08:38:06
素敵な柄ですね。
この着物 どんな宴席に出ていたのでしょう。
衝立ですか 良いですね。
おしゃれですね。
パーティーのドレスなんかも良いかなあーと よだれを拭きつつ拝見しています。
返信する
Unknown (とんぼ)
2009-09-25 19:24:09
りら様
私も、これを入手して状態を確認したときは、
よよと泣き崩れましたがな。
せめて、と「大漁」を祈っちまいました。
違うっての…。
悉皆やさんに聞いてみようかと思ったんですが
聞くのも恐ろしくて…料金が…。
返信する
Unknown (とんぼ)
2009-09-25 19:25:20
穴熊の女房様
ちょっと珍しい柄ですね。
こういうのは、ほんとに今ないんです。
もしかすると「染からあつらえ」かもしれません。
着ているところをみたかった、
いや、私が着たかった…です。
返信する

コメントを投稿

着物・古布」カテゴリの最新記事