ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

綿紬のハギレ

2021-08-27 18:43:13 | 着物・古布

 

なんといっぱい…1キロあります。

これは「遠州綿紬ぬくもり工房」さんの、いわば福袋のようなもの。

不定期に、作品等の残りハギレを1キロまとめて販売します。

個数も少なく、販売日時も限られるので、パッと見るといつも「完売しました」…。

今回、ハギレの使い道が出てきましたので、お知らせメルマガにあった日時、

目覚ましかけて、デジタルのカウントダウンみながら、マウス持って構えてました。

クリックすると購入できました。わぁーい初めてだぁ。

で、購入手続きを終えて、もう一度ページに戻ってみたら「完売しました」でした。

30秒くらいでおわっちゃうんじゃないでしょうか。

私、買えたのはいいけれど、なんか今年の運を使い果たした気がしたりして…。

 

さて、ちょっと広げてみると、とにかくいい縞がいっぱい。

着物ではちょっと、と思えるような色柄でも、小物ならいろいろ考えられます。

こんなのは着物では…いやいや着ちゃうか!?

 

     

 

       

 

マスクをあれこれ作っていたころは、このお店で買った別のカットハギレを

いろいろ使いました。地がしっかりしているし、色を選べば男性用もいけるし。

今回の購入でも、大きさがあれば、またマスクも作ろうと思っています。

当分必要ですしねぇ。

それと、小さいもので「お手玉」も、と考えています。

そうそう、我が家の鍋つかみがついに退職になってしまって…。

それも作りたいし…これらは「お店で販売する小物」としてもいいかなと。

 

実はイマドキのこうした着尺用の木綿は、とても上質、ではあるのですが、

代わりに失われたのは「素朴なホコホコ感」とでもいいますか、それです。

昔の縞木綿はもっと厚手でモコっとしていました。

だからと言って冬用の厚みがあるものというのではなく、

糸そのものが、普通に綿から手で紡がれて作られた糸だったからです。

今の浴衣地はたいがい「コーマ糸使用」とあります。

コーマはコーム、紡いだ木綿糸の表面の毛羽立ちをできるだけ取り除いて、

滑らかな糸にするために、コーム(櫛)のように並んだ「歯」の間に糸を通す、

そういう加工がしてあるものがコーマ糸です。

また元々の木綿を棉花から取って、それをほぐして、種を取り除いて…という、

かつては全て人の手で行われていたことが、今はみんな機械です。

それだけ糸の質もよくなり細くて滑らか…というと、モコモコ木綿ではなく、

すっきり薄手でしなやかな綿紬になるというわけです。

今、会津木綿でも片貝木綿でも、すっきり薄手のしなやかな綿です。

それはそれで今の時代は、重宝なのだと思いますが、ぽってりとした昔の木綿、

それなりに使い込めば柔らかくなり、そして厚みのある分、丈夫でした。

どっちがいいとか悪いとかではなく、昔の木綿も当たり前にあってほしいなと思う私です。

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