ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

なにをやっても・・・

2006-03-07 23:33:20 | 着物・古布

これはモスリンです。ほんとにわずか「半衿の半分」くらいしかありません。
着物の柄として「碁を打っているところ」とか将棋の駒というのは
みかけるのですが、碁盤そのものという柄は、あまりないと思います。
モスリンは絹より安価ですから、染めなどもアマいところがあり、
これも輪郭と染めがズレています。それでも、ちょっと珍しくてとってあります。
おいてある太刀が、鎌倉以前と思われるデザインだし、ウロコの地模様で、
この碁盤と次の碁盤柄の間に「蜘蛛の巣」の柄が、わずかにはいっています。
何か「お芝居」とか「謡曲」を題材にしているのかと思うのですが、
「芝居」系、まったくダメです。すみません。

で、こうなると「とんぼの今日のハナシは囲碁だな?」とお思いのかた、
これまたすみません、とんぼは囲碁も全くできません。
いえアブストラクト・ゲームの典型で、早い話が「陣取り合戦」だ・・
くらいはわかるんですけど・・。
実は、マンガの「ヒカルの碁」というのを、いっしょうけんめい全巻読みました。
ご存知のかたもいらっしゃると思いますが、「テレビアニメ」にもなり、
それでいっとき子供たちの間に「囲碁ブーム」が起きました。
私は囲碁を知りたくてマンガを読んだのではありませんで、
ひたすら主人公がハンサムだったから・・・いえいえ、えっと、
設定がちょっとオカルト入ってまして、平安時代の天才棋士が幽霊となり、
平成の世に一人だけ自分の姿が見える少年と出会い、少年はその幽霊の指導で
囲碁に目覚めてゆく・・とまぁ、そんなお話しです。これがまたイケメンで・・
いや、んなこたぁどうでもいいのですが、そのとき初めて「囲碁」のこと、
また現在の「囲碁の世界」を、こういうものだったのか・・と知ったわけです。
全巻読んでも、ついに碁を打つところまではいきませんで、
未だにどうやって陣をとるのか、さっぱりわかりません。
とりあえず、そのとき興味をもったので調べた「囲碁のこと」を・・。

囲碁の歴史はとにかく古く「わからない」というのがホントのところのようです。
「歴史が始まった時、囲碁も始まった」といわれています。
日本には吉備真備が伝えたということになっているようですが、
実際にはもっと古いであろうと・・。平安時代は、マンガの中にもありましたが
「囲碁の指南役」という役職もあったようで、囲碁は和歌などと同じ
「教養」のひとつとして、貴族のたしなみだったようです。
室町の頃になるとお金持ちがお抱えで強い棋士を対戦させることがはやりました。
戦国時代には「陣取り」ということが、戦略シミュレーションとして好まれ、
武士の間で盛んに行われたわけですが、このころに日海という人が現れました。
群を抜いて碁がうまく、信長、秀吉、家康三氏とも、彼が碁の師匠です。
この三氏が「碁」を庇護し、家元制度を定めたり、扶持を与えたりしました。
この日海というひとが今の碁の基礎といいますか、布石とか棋譜を残す、
といったことを導入、定着させていったといわれています。
この日海が後に「本因坊算砂」と名乗るわけで、今「本因坊戦」などに
名前を残しているわけですが、元々は京都の寂光寺塔頭の一つの名前、
つまり宿坊の名前で、日海が住んでいたところです。

江戸時代にはいってからは家元が4家になり、年に一度の「お城碁」、
つまり将軍の前での対局にしのぎを削ることになったわけで、
この家元の世襲ばかりは「血筋」ではなく「実力」だったようです。
しかし囲碁界も、明治にはいったとたんに「庇護」がなくなり、
西洋文化の台頭で「囲碁」そのものが軽んじられたりする憂き目に会いました。
4家それぞれになんとか「囲碁界」を崩壊させまいと画策しましたが、
関東大震災だの戦争だのに翻弄され、ずいぶんとたいへんだったようです。

ずいぶんはしょりますが、結局震災後に「日本棋院」が設立されましたが
分裂したり、戦争があったりで、結局戦後「日本棋院」が再建され、
それと袂を分かつ形で設立されたのが「関西棋院」です。

私が当時へぇ~と思って調べたのはここまで・・。
マンガでは「韓国・中国」にすごく強い棋士が現れて・・というところで
終わるのですか、実際、今日本は世界で3番目くらいらしいです。

今でもときどき「囲碁の時間」なんてのを見たりしますが、
相変わらずさっぱりわかりません。でもあのパチッとはじくとこカッコよくて?!
あの碁石を打つとき、中指と人差し指ではさみ、あとの指も握らず開いたまま、
というのは、手の中に他の石など持っておりません、という
清廉潔白であることの証し、だそうで・・。これって、相撲の最初の挨拶で
拍手をうって、手をひろげ「私は武器になるものなど持っておりませんよ」と
アピールするのと同じですね。

さて、ことほどさように、とんぼはゲーム系は全く苦手です。
どうにもカンが悪く、ポーカーフェイスができない、先が読めない、
オセロも母とやって勝ったためしがありません。
トランプもだめですねぇ・・。情けないと思うのですが・・。
下の写真は、昭和14年の「三越」の通販カタログです。
ゲームをいろいろ売ってます。「ニップゲーム」とか「カロム」とか
読んでもわかりません。すでになくなったゲームでしょうね。
「ああこれね」というのは「ダイヤモンドゲーム」のみ。
これは子供のころ、よくやった記憶があります。これもねぇ・・勝ったかなぁ。



いまやゲームといえばテレビ、PCですが、格闘系とか戦争系とか
まるでホンモノのようなところが怖いです。
私は一昔前の「テトリス」など「落ちモノ」系が大好き、組み合わせて消して・・
とついつい夢中になりますね。但し対戦はダメ、一人で楽しむタイプです。

それにしても、トランプとかダイヤモンドゲームなんて、
いまどきの子供にしてみたら、つまらないゲームなんでしょうねぇ。
今夜はトランプなどやってみますか、PC相手に・・負けるだろーなぁ。

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10 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (とんぼ)
2006-03-08 23:44:34
うまこ様

私もなんもわからんのですが、でもこの柄って面白いですよねぇ。これ、ちゃんと一着分あったら、せめて作り帯にでもしたかったです。半衿にしようかと思ったのですが、あまりにもハンパすぎて、カンジンの襟元に柄が出ないのですよ・・。残念!



ぶりねぇ様

早速、HPへ飛んでいってきました。いやぁおもしろかったです。マンガで読んだようなこともでていて「あっそーだった」なんて・・。覚えてなきゃなんにもなりませんね。



千兵衛様

で、太刀盛り・・、そうなんです。これって白拍子が持つ飾太刀に似ているんですよね。ただ、着物の図柄ということで「デザイン上、見栄えのきれいな太刀にした」という「柄の上のウソ」かな・・とも思います。それにしても「ウロコ」と「蜘蛛の巣」は、何の判じ物なんじゃ・・。ヒント、ルーペで探すっ!

あっ「碁笥」、思い出しました。そうそう、これも「ヒカ碁」にでてました。千様「ヒカ碁」読んでます?泣けるんですよ、ホント。



てっちゃん様

トランプ柄、ほんとに面白いですね。以前のより細い分、柄も小さくていいですね。あっ、私昨日PC相手にまた負けました。
返信する
トランプ柄の帯締め (てっちゃん)
2006-03-08 23:26:54
以前にアップしたトランプ柄の帯締めの三分紐が出来ましたので・・・と思いきや、今日の話題に、なんたる偶然。相変わらず写真の腕前は今いちですが、又覗いてくださいませ。
返信する
碁笥(ごけ)ですか? (萬屋千兵衛)
2006-03-08 23:22:18
石を入れておく器は、碁笥(ごけ)と言いまして、

桑の木で作られたものが上物ですね。

しかし、何度も言いますが(笑)不思議な絵ですね。

太刀は、装飾がたっぷりされてますから、職人が使う太刀盛り用の太刀ではないでしょうね。

しかし、この碁石が何故散乱してるのかが、

妙に気になりますねえ、、、



ウロコの地模様は、女の嫉妬心、般若を連想させますし、

そして次の柄との間に、蜘蛛の巣模様ですか?

こりゃ、絶対に何かがあった情景ですよね!(笑)



とんぼちゃん!

もっと他にヒントは無いのかい?(笑)
返信する
てっきり、盤面製作の図柄かと (ぶり)
2006-03-08 22:09:48
思いました。 目盛りをつけるのに漆で太刀盛りをします。

詳しくは、↓

http://www.gurunet-miyazaki.com/mingei/ayagoban/kumasugobanten.htm
返信する
にがて (うまこ)
2006-03-08 21:40:05
囲碁はもちろんゲームも漫画もクイズも

カヤの木さえもしらないし、

どれもな~んにも語れません。

でも、なにやら曰くありげな図柄

と~ってもステキです!



皆さまのの蘊蓄にへ~へ~へ~、です。
返信する
Unknown (とんぼ)
2006-03-08 19:24:19
陽花様

ナンクロ、すごいっ!あれはホントに頭使います。でも一文字わかって、ササーッと埋まっていく時のカイカン!あれは「ボケ」防止にもいいんじゃないかと・・。



千兵衛様

碁盤のへこみというのは初めて知りました。ちょっとブキミだけど、宗家が4家もあったり「お城碁」で名誉かけたりじゃ、ただの囲碁勝負ですまないところもあったかもしれませんね。それと、「巾着」ですが、私も最初そうだと思ったのですが、よーく見たら、あれは「石をいれるもの」、なんていうんでしたっけ、アレです。写真では小さくてわかりづらいのですが元々、紐と碁石入れの柄(唐草のような)が同じ色で、しかもつながっているように見える位置に描かれているのですが、あれは「太刀」の下げ緒です。「カヤの木」というのは「ヒカルの碁」で、幽霊君がヒカルに教えるところがあって、私も覚えました。マンガってのもなかなか奥が深いもので・・。
返信する
何を話そうかな~?(笑) (萬屋千兵衛)
2006-03-08 19:02:12
着物の柄、囲碁、マンガ、ゲームと、とんぼさんの話が展開しているので、何についてコメントしてよいやら迷うのですが、というか、この四つとも興味あるし、それなりに話もできるので(笑)迷うのですが、とりあえず囲碁系のコメントをさせていただきます。



まず絵柄についてですが、通常、碁を打ったり、打ち終わったりした場合は、実際においても、絵柄としても、このように碁石が飛散してる状態というのは異常ですよね?また、刀が脇にありますし、何か争い事があった後とみるのが自然でしょう。

実は、碁盤というのは、何らかの事情で、相手の首を切った時に、碁盤を逆さにして載せても血が滴らないように凹みが刻んであります。生首を載せる場所です。私が買った20年ほど前の碁盤でも形式上ありました。

しかし、この絵柄では碁盤はそのままで、血痕も見あたらない、異様なのは、たっぷり膨らんだ巾着袋!

怒った相手に命乞いの金を差し出したところなんでしょうか?不思議な絵柄ですが、面白いですね!(笑)



囲碁については、いくらでも話はできますが(笑)碁盤は柾目のカヤの木を最上とします。材質が緻密で堅い為に、ピシッと、打つ音が冴え響くからです。

石は、白石は蛤ですが、現在では国産ものは無く、以前聞いた話では、メキシコ産の蛤のようでした。黒石は有名な三重県の那智黒石ですよね。

基本的なルールは、交互に石を打ちながら自分の土地を確保して、最後に十字の目の数を数えて多い方が勝ちです。差し引き、何目(ナンモク(十字の数))誰それの勝ちです!という具合です。

ところが、自分の土地として確保していた所が、相手に囲まれてたりして、知らぬ間に、アッという感じで自分の石の数も含めて相手の土地になってしまう場合があります。こうなると、もう続けても勝ち目は無いので、まだ途中であっても負けを宣言せざる得ないのです。これを称して「中押し勝ち」と言い、大逆転劇という訳です。とりあえず、こんなところで、(笑)
返信する
Unknown (陽花)
2006-03-08 10:34:13
とんぼ様



私も勝負事は弱いですが、オセロとか

テトリスはしました。それと挟み将棋

くらいですね。

子供の頃よくマンガ読みましたが今は

時間潰しにナンクロを時々する位です。

これは数字を入れるんだから読むうちに

入らないですね。
返信する
実は「おくればせ」なんです (とんぼ)
2006-03-08 10:03:41
みやざえもん様

私、あるトラウマから「マンガ」というものを

本格的に読み始めたのがなんと50をすぎてから。

とたんに「元・少女」達が「これもおもしろいわよ」

「この作家よんでごらん」と次々に、

自分たちの思いいれのあるものを教えてくれて・・。

ちょっと古いのから始まって、

今「好きな作家」というのがようやく定まって、

古いものを集めたり、今のかたのは毎月買ったり、

マンガライフを遅ればせに楽しんでいます。

ゲームより楽しいっ!
返信する
おもしろいハナシですね。 (みやざえもん)
2006-03-08 00:40:07
「ヒカルの碁」、全巻読んでます。(笑)

実を言うと、元はかなりマンガ好きです。

オタクではありませんが、結構語れる位です。

息子がやはり囲碁にはまった時期がありまして、碁会所に毎日通って差していた時期がありました。それを迎えにいったり、市ヶ谷の日本棋院の少年囲碁教室に行ったりで、耳年増的には知ってはいるのですが。

彼が覚え始めたときに一緒におしえてもらったのですが、あえなく頓挫。子どもは飲み込みが早く、「ヒカルの~」よろしく、ネットでも打っていました。

多分、私もトンボさん同様、ゲームは全然ダメ・・・というか、やる気がしないんですが、日海のお話などは知らないところもあり、おもしろかったです。

ちょっと賢くなった気がします。
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