ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

黄八丈

2007-12-18 23:22:40 | 着物・古布
この夏前、こちらにコメントをくださるmaymayman様のブログで、
「黒八」つまり「黄八丈」の黒が掲載されました。
私にとって「黒八」は、一生に一度は持ちたかったもの、
しかも大好きな縞柄…思わず「ください」とコメントしました。
すごいコメントだったとあとから冷や汗…。

八掛はグレー系…といろいろメールのやりとりをしているうちに、
私が八掛に柄がほしいとわかったメイ様が、ちょっと入れてみますか…、と
ムリを聞いてくださいました。んでもって例によって「見えないオシャレ」
というよりは、今回はっきりいって「見えないお遊び」!
「こうもり飛ばして」と古い襦袢の蝙蝠柄をお願いしまして、
見えないところに「かわほり君」を、ひょいひょいととばしてもらいました。
あの、皆様に笑っていただいた「とんぼやウソ松」にでてくる蝙蝠です。
しばらくすると、メイ様から「とんぼさんのイラスト気に入った、あれ入れよ」と
リクエストが…あんな絵、いれてもいいんだべか…と思いつつ、
「そんじゃまぁこんな感じで…」あれこれやりとりしていただきまして、
このたびできあがって、おうちへやってきたわけです。
さて、どんな柄かと申しますと…こちら…、
向かって右が、歩くとちょっと見える部分です。



                   


とんぼ、びっくらこいて逃げております。
着て歩いて翻るところは、スッキリとした柄なんですけどね、
まさかお尻の下で、とんぼとこうもりさんが鬼ごっこしているとは、
だ~~れも思うまい、ひっひっひ…。
こんないたずらやシャレが好きな私です。

表地はトップの写真どおり、ちょっと離れただけで
「黒一色」にみえるほど細い縞。しなやかでツヤがあります。
普通「八丈」といえば「黄八」が有名ですが、
元々「黄」「樺」「黒」の三色を使って織り上げるのが「黄八丈」。
江戸時代の同心は、この「黄八」に黒の巻き羽織、が定番でした。
私は娘の頃に、母が「紺」を作ってくれましたが、
ほんとは時代劇に出てくるような町娘風マッ黄っ黄の格子がほしかったのです。
でもいくらなんでも若いうちですよねぇあれは…。
その後「黒八」があることを知って、ぜったいいつか着たい!と思っていました。
夢がかなってうれしいです。
かわほり君は私のすきなキャラクターです。

この着物には、以前アップした「こちらの帯」、
これがお正月セットその1」の予定です。
実はですねぇ、八掛の後ろで逃げてる「とんぼ」ははだしです。
その草履がどこにあるかというと、帯の垂れ部分…というのが、
メイ様の「シャレ」なんですわ。


     


お太鼓にはこんな美人がいるわけですが、
その下の裏には「めがねとんぼ」がいる…
それを知っているのは、このブログを読んだかただけですー。

もうひとつ、こちらもコメントを下さるocyukun様の「染工房 遊」では、
「お誂え小紋」というのがありまして、そちらでは「道中着」を
お願いしてありましす。こちらも「かわほり君」なんです。
さてどんなかわほり君がきてくれるでしょうか、楽しみです。
そのときはまた、アップさせていただきますね。

ずーーっと書いてきて、ふときがついたんですけれど、
とんぼってこーもりのエサじゃないの?…喰われるもんかぁ!

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10 コメント

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わぁ楽しい^^ (zizi)
2007-12-18 23:59:31
表は渋い黒八丈、そして裾回しは一見粋な鱗柄。
見えないところで鬼ごっこ。
染めていただいたのですよね?
究極のおされです♪

何年か先にはきっと(願
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Unknown (蝸牛)
2007-12-19 00:23:33
なんとマア・・・洒落っ気たぷりの、おしゃれ!!!
で、粋で、贅沢な・・とんぼさんの宝物のお召し物になりますね!!!!
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Unknown (陽花)
2007-12-19 06:56:49
うわぁ~おしゃれ!
世界にたった一枚しかないとんぼ様のイラスト入りの
究極のお召物になりましたね。
表地の黒八もさることながら、八掛の色柄もとっても
素敵ですぅー。
返信する
Unknown (みとん)
2007-12-19 08:27:19
思わず、後からペラとめくって覗き見したい衝動が…。
いかん、いかん! 犯罪ですから、自分!!

でも、見えなくても
「ああ、あの辺りでこっそりととんぼさんが逃げ回っているのね」
と想像するだけで、クスクスしてしまいそうです。
返信する
おもろ~い! (萬屋千兵衛)
2007-12-19 08:47:37
これ、おくみの方に付けて欲しかったなあ~
チラチラ見えて、何だろうと裾を拡げると
(コラコラ勝手に、裾をめくるな!(笑))
奥にコウモリが飛んでいて、なるほど!と合点するってね!

でも、とんぼさんならではのイラストで、すんごく楽しいねえ~(笑)

それから、まったく偶然のタイミングなんだけど、
この記事から、mayちゃんのブログへリンクするように
なっているもんだから、その先で、たまたま、私の極秘な情報、
「誰にも言わないでね」という話が、すっかりばれちゃう~!(笑)
返信する
きゃ~~~っ。 (武者子)
2007-12-19 15:22:11
かわい~~~!!
究極のお洒落ですね、ご自分のイラストでご自分のお姿!!

ところで、八丈ですが、
『黄八丈』『黒八丈』、では『鳶八丈』とは?
これは『樺』とは違うのですか? 茶色の八丈が『鳶』だと本で読んだのですが。。。

素朴に疑問だったので、またまたご質問差し上げてしまいました。
返信する
Unknown (とんぼ)
2007-12-19 18:34:33
zizi様
おかげさまで、メイ様ににらみをきかせて?!
やっていただきました。
今頃泣いてらっしゃるかも…。


蝸牛様
お誂えは、着物好きには夢ですね。
一度着物も帯も襦袢もぜーーんぶって…、
まずは宝くじをかうところから…!?


陽花様
何十年かたってこれを古着で見た人は、
どんな顔するんでしょ…「なんじゃこりゃ!」
それだけが心配です。


みとん様
歩いていて、うしろをめくられたら
「あっみとんさんですねっ」ってお声をかけますわー
わらってやってください。


萬屋千兵衛様
「江戸の粋」にゃ程遠いですが、
楽しんで奇態と思います。
千さんうしろから扇風機で仰いだりしちゃだめよ。
「ナイショばなし」、笑いましたねぇ
「あっアタシとおんなじだ」って…(笑えないって)


武者子様
えーと「黄」は刈安、茶は「樺」、タブノ木ですね、
黒はシイの木、黒は泥染めのように泥につけます。
鳶は茶のことで「樺八丈」とは言わないようです。
染元さんにもよるようですよ。
鳶八のほうが名前としてはしられているようですね。
また、一色を二度染めするとか、
ほかの色とあわせるとかで、いろいろな名前が
あります。基本的にこの三色で織る…
ということですね。
返信する
とんぼさんのイラスト可愛い (otyukun)
2007-12-19 22:31:25
とんぼさんはかわほりくん、好きですね。
とんぼさんの道中着はもう直き染め上がります。
楽しみにして下さい。

この八掛のかわほりくんと良く似ています。
預かった羽裏が使えると、象とコウモリの妙な取り合わせが面白いのですが。

もし使えなかったら、こうもり傘を素描で描いても面白いかも。
コウモリに喰われる寸前のとんぼ柄はやり過ぎですわな。
コウモリの餌用のとんぼを一面に散らすのも。
工房にはとんぼの木版もあります。
どうするべ。
返信する
Unknown (とんぼ)
2007-12-19 22:37:45
ocyukun様
喰われるとんぼ…あっはっはですね。
数で圧倒!でとんぼを散らしていただいても
いいですね。
こうもり傘ってのもおもしろいでしようね。
いっそ番傘から蛇の目、折りたたみにビニール傘、
傘のオンパレードでも???
好きにしちゃってください。
返信する
まあ~♪ (蜆子)
2007-12-20 07:01:59
お久しぶりです。
とんぼさんの知識と好みが見事に作品に~、
こんな着物の八掛けの遊び、洒落ていますね。
注文主と工房のかたの遊び心が見事に結実、すてき!
ますます、趣味の道邁進というところでしょうか。
とんぼさんの強みですね。
うんちくが見事に実践に。
お見事です。
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