テレビと言えば、旅番組かドキュメンタリー、歴史関係のリポートばかり見ているのですが、
たまたまアマゾン見放題で見つけたのが「ブラウン神父」という番組でした。
けっこう人気番組のようですから、ご覧になった方も多いと思います。
シリーズ9は、6月から本放送が始まるそうですが、さて忘れなきゃ見る…かな。
このドラマの舞台が、イギリスのコッツウォルズ地方にある架空の村、ケンブルフォード。
ロケに使われている場所は、実際にはブロックリーという村だそうです。
個人的に、ヨーロッパの石造り文化の建物が好きなので、コッツウォルズも好きな地域。
そこが舞台だというので、喜んで見たわけです。
トップ写真は、番組紹介のページからお借りしました。
お話は「推理物」で、1950年代から60年代の設定。
ブラウン神父が「探偵」、地元警察には「よけいなことをするな」としょっちゅうジャマ者扱いされつつも、
教会に出入りする仲間たちと協力して事件を解決する…というもの。
最初はコッツウォルズの田園風景とか、はちみつ色、と言われる家々の様子とかを楽しんでいたのですが、
そのうち出演者のファッションにも楽しみを見出しました。
「神父さんの心強い仲間」はシリーズで少しずつ変わるのですが、いつも一緒なのは、
教会の会計係兼、秘書兼、料理担当のミセス・マッカーシー、独身の初老の婦人です。
トップ写真でいうと、左端の女性、もう一人の女性がレディ・フェリシア、このかた「伯爵さまの奥方さま」、
つまり大金持ちの奥様です。
あとは男性ですが、まぁ男性は紹介だけですが、真ん中がブラウン神父、その右が伯爵夫人のお抱え運転手シド、
右端はこのシリーズで、ジャマをするなといつも怒りつつ、結局神父に助けられる警部どの。
ミセス・マッカーシーは、いわゆる一般女性、レディ・フェリシアは貴族階級なので、
おのずと着るものや持ち物が違います。
感心するのは、たとえ一般女性であっても必ず帽子をかぶっていること。ずーっとです。
部屋に入っても食事の時もとりません。帽子と言ってもどちらかというとヘッドドレスのように、
アクセサリー感覚なのでしょうね、オシャレです。
村の中を歩いている女性も、ちょっとしたお出かけなら必ず…という感じです。
洋服との色合いを考えたり、季節で色や素材を変えたり…。
コッツウォルズ地方は、緯度が高いので日本のような猛暑はなさそうです。
ただ、四季はあっても日本ほどはっきりしない、一日のうちで天気が良く変わる、秋から冬は雨が多い、
というようなことはよく観光ガイドなどで目にします。
さてさて、ファッションの話に戻りますが、いわゆる日本では戦後とたんに洋装が流行りだし…のころの
もとになったスタイルやデザインが、この番組で見られるわけです。
女性のパンツスタイルはほとんど出てきません。穿いていたら「お転婆」か「職業」によるもの。
ドラマに出てくる「富裕層」の衣装は、さすがにエレガントでデザインも今だってOK、みたいな感じです。
そしてやっぱり「帽子」の使い方が上手です。
思えば日本人は、髪を結うことが当たり前で、直毛の美しさを大事にしてきました。
かぶるものはといえば塵除けの角隠し、頭巾など。やがて女性が日本髪を結わなくなっても束髪などになっただけで、
やっとパーマが始まったのは昭和の初期のころです。電髪と呼ばれていました。
つまりやっとパーマネント・ウェーブが始まったわけです。それでもまだ首から下は着物、が多かったので
やっぱり「帽子の文化」は遅いんですねぇ。
欧米人は、髪の色も眼の色も多彩です。日本人は(今は染めている人が多いですが)、
ほとんどが黒髪に黒眼できましたから、せいぜいが色が白いとか、そんなことで似合う色とか、
気にしてきたわけですが、欧米の人は、今でも髪の色眼の色で服の色などを選ぶそうです。
ちなみにあれこれ拾ってみました。ミセス・マッカーシーです。服と帽子の色もあってますね。
下の段は、本来主役のブラウン神父、右の女性がレディ・フェリシア。
ネックレスに手袋も必需品。帽子もカジュアルにつば広の日よけもあれば、チョコンと乗ってるものもあり…。
ちなみにある日の番組ではこんな場面が…
戦後10年から15年くらいの場面ですから、さすがに普段は引きずるようなドレスはありませんが、
これ、村の奥様方です。それなりにおしゃれして集まってる感じですね。見事に帽子のオンパレード。
ドラマ制作にあたっては。当然時代考証がされているはずですから、当時はこんな感じだったのでしょう。
なぜか自分が子供のころの横浜の繁華街などに、こんな姿を見たような…でも帽子はなかったなぁ。
というわけで、ドラマ見てるつもりが帽子とドレス、帽子とバッグ、そんなことにばかり目が行って…
「エルキュール・ポワロ」でも「ミス・マープル」でも、ちょっと古い時代の様々な「洋装」がでてきます。
当時の列車の旅行とか、海辺のホテル、カフェとか大きな邸宅とか、なぜかとても好きで、
ドラマの内容よりそっちに心惹かれて、何度も見直している私です。
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