8月6日、です。

 

写真は、あきらめていた2本目のグラジオラス、今日に合わせたかのように真っ白な花を咲かせてくれました。

母の遺影に飾り、この日の鎮魂の思いもこめて合掌しました。

 

 

あまりの暑さに、気温だの台風だのばかりきになって、つい忘れそうになっていました。

今日は8月6日、広島の日です。

毎年「あの日もこんなふうに暑い日で…」という言葉が聞かれますが、いくらなんでもこんなに暑くはなかったはず。

それでも、ギラギラと照りつける太陽の下、黙々と日々の務めを果たそうとしている人たちの上に、

原爆は炸裂したのですね。

 

昨夜のテレビで「かえるところのない遺骨」のリポートがありました。再放送ですが…。

当時、爆死した方で遺骨になり、とりあえずの情報として氏名や住まいなどがわかっている遺骨が、

800体以上もあります。放送は確か2月くらいだったと思いますが、今回再放送を見まして、

あれから進んでいないのだと思いました。

番組では、漢字が一字違っただけで長く迎えてあげられなかった遺骨をさまざまな経緯を経て、

「家族」として引き取ったというリポートと、それに続く「ほかの例」です。

いかに科学が進歩していても、高温で焼かれた骨は、ＤＮＡ鑑定が不可能なのだそうです。

なので、残された氏名や、当時の古い町名などしか手がかりがありません。

ある遺骨は名前が同じ「音」ではあるけれど、漢字が違う…、

更に、亡くなった方の父親が、後年の役所の調査ハガキに「すでに遺骨は受け取り埋葬した」と、

返信していました。でも、当時の「遺骨受け取り」の実情は、携わった人の証言で、

あまりにも多くの遺体で、とにかくまとめて焼かないとどうにもならない、

そこで遺骨もまとめて、来た人には「本当は誰の遺骨かわからないけれど…」と、表現は悪いですが、

ごちゃまぜの遺骨を骨壺にどんどん分配して入れたようなありさまであった…と言うわけです。

それを承知で持ち帰った人も多かったことでしょう。何もないよりは…も、あったかもしれません。

番組ではＮＨＫからの話を聞いて遺族が役所に出向き、そこで「父親がかつて出した返信ハガキ」を確認。

役所としては「この返信があった以上、役所としてはそれで終了とするよりない」とのこと。

遺族は「亡くなった父親が『そうだ』と決めて返信したのなら、それでいい」と、

漢字違いの「遺骨」は引き取られませんでした。それはそれで、一つのけじめのつけ方だと思います。

 

たいへんな混乱の中で、正しく住所や氏名が残されたかどうか…それは誰しもが疑問に思うところでしょう。

一字違いだった遺骨の家族は、それでも間違いないと思うから、と納得して引き取ったわけです。

本当のところは誰もわかりません。

心の整理のつけかたも様々ですが、いずれにしても残るのは悲しみや苦痛、悔恨もあるかもしれません。

いいことなんかひとつもない、それが戦争の遺すもの、です。

広島は今年、とんでもない水害にもみまわれました。

天災は避けようもありませんが、戦争は人災です。二度と戦災者がでないことを願います。