ずっと着物から離れていてすみません。本日も拾った話題で…。
mixiのニュースの「見出し」の中にあった言葉「パない」…。
元々はえっと、すっかり忘れておりますが、要するに「アジの開きを食卓に出したら、
飼い猫4匹が周囲に集まってきて」という写真ニュース。
手を出してはこないけれど、食べてる前でじっとネコ4匹にみつめられて…という写真で、
そりゃ、目を輝かせながらもおとなしく見ているだけの猫さんは、とてもかわいかったのですが…
その見出しに「(じっと見られて)緊張感パない」…とあったわけです。
「パない」は、つまり「ハンパない」、のこと。
私の年代ですと「半端じゃないよね」程度には使いますが、最近は「ハンパないね」になり、
今やネット用語では「パない」というのだそうな…。なんでそこまで縮めるんですかねぇ。
ご存知の方も多いかと思いますが、雪深い北国での「最短の会話」としてよくいわれる
「どさ?」「ゆさ」…ウソかホントかしりませんが、大変寒いので、表ですれ違った人と言葉を交わすにも、
できるだけ短く詰めて必要なことを言う…「どさ?」は「どこさいくだね」で「ゆさ」は「湯さいくだよ」…。
確かに短縮ではあるけれど、なんか楽しくていいですよね。
「パない」とどこが違うのか…パないは、単にめんどくさいから通じりゃいい、で、
どんどんカットした結果、みたいな気がします。言葉って、とても不思議なものです。
私は「書く」ことが好きです。まぁ母は「好きこそものの上手なれという」とよく言いましたが、
「ヘタの横好きってのもある」…とまぜっかえしてました。
実際、文を書くというのは、なかなか難しいことではあります。
いつも頭にあるのは、昔ならった「書は言を尽くさず 言は意を尽くさず」です。
書いたものを読んでもらうときは、いつも相手が目の前にいない…ということがほとんどです。
声の調子や顔の表情、体を動かしての表現を使うことができません。
だからこそ、ちゃんと伝わってほしいと思って、いろいろ言葉を紡ぐわけです。
「ハンパない」は、そういう意味で、あまり品のいい言葉ではないけれど、
「程度がひどく大変な状況」を表すには、使える言葉だと思います。
でも「パない」は、あんまりです。もう言葉ではなく記号化してしまっている感じですね。
友達同士の会話やメールでは、いいかもしれませんが、常用はしてほしくないものだと、
つまらないことですが、こんなのがふえていくのだろうかと…きになりました。
言葉の乱れっていつの時代にもあるし、流行語も泡のごとく、出てはあっという間に消えてゆきます。
私なんかも、結構便利に「短縮言葉」使ったりしているのですが、
使うべき時にはちゃんとした言葉を使う…というのが、まぁ年相応の常識といいますか。
使い分け、というのをしていますね。
言葉は大切にするべきもので、もちろん昔から変化は続けているものですが、
なにかを伝えたいと思うとき、一生懸命言葉を選ぶ作業は、決して無駄にはならないと思っています。
今…あるおえらい方にお手紙を書く必要に迫られて…書いては消し…ができないので、
便箋一冊使ってしまいそうです。あぁ言葉、日本語、一生付き合うものだから、大事にしたいっ、けど難しいっ。
初めて耳にした津軽弁は私にとっては外国語、まったくわかりませんでした。
印象に残っているのは「津軽の人は、か行で会話が出来る!」と思ったこと。
「く?」・・・「か」・・・「け!」・・・すっごいですね。
「たべる?」・・・「ん、食べるよ」・・・「食べなっ!」という感じです。
「くなー???」 「いがー!」ってのも。
「来るのー?」 「行くよー」…っと、あげればきりがないですが。
あれほど「意味がわからない!」と思っていた津軽弁ですが、テレビなどで久しぶりに聞くと何とも懐かしくて嬉しくなります。
でも、最近の略語とは、ワケが違いますしね。
私は「やばい」という言葉が嫌いで、我が家では禁句です。
若い方たちは、おいしい・・も、可愛い…も、危険・・・も、なんでもかんでも「やばい」と言うんですね。
何だかガッカリするんです。
あと「何気に・・・」とか「さりげに・・・」という言葉には、違和感を感じてしまいます。
私の世代では「何気なく」とか「さりげなく」が正しいのでは?と思ってしまうのですが…。
言葉は時代とともに変化するものだと聞いたことがあります。
どうせ変わっていくなら、美しくあってほしいと思うのです。
かつてカナダ人の知人が言いました。
日本語は世界で一番難しく、世界で一番美しい言葉だと。
「いただきます」や「お疲れ様」など、他国にない言葉がたくさんある。
敬語など、相手によって使い分ける言葉の豊富さは、世界に誇るべきだと。
美しい日本語が、残っていきますように。
私もあの「ヤバイ」は嫌いです。
キレイなメイクで、爪を長く色とりどりにした
若い女性タレントさんが、おいしいもの食べても、
かわいいもの見ても、
「わーっこれヤバ!ヤバイよ」なんていうと、
アンタのほうがあぶないわ、と思っちゃいます。
「何気に…」も、仲のいい友達どうしで「今のってナニゲに失礼じゃない?」なんて、
ジョークの一つとして使うことはあっても、
会話の中にはだしませんね。
相手に対してもも失礼なきがしますし。
言葉は流れたりかわったりしますが、
キレイなもとの言葉だけは、なくならないでほしいものと、
私も心底思っています。