ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

昔の単第二弾

2009-09-07 15:16:37 | 着物・古布
この前の単、皆様におほめいただいたもので、もう一枚…あとはもうナイ?!
この単も、以前だしているのですが、再登場ということでお許しください。

これも薄いんですが透けません。ところどころ雲取りのところが
透けるんです。心憎いと思いません?
ちょっとわかりづらいんですが、赤いところにぼんやり見えるのが、
私の指です。下のほうが手のひら。実際にはもっと透けます。


   

柄は意外と少ないんです。
前と右袖が桔梗、


   


左袖の後ろが撫子、ここだと地模様も見えますね。縦に銀糸入りです。


        
 

そして右肩から背中に紫陽花、
あとはアクセントに萩がチラホラ…。


   


この着物、要するに色でオドかしてますよね。
元々夏の着物、というと、つい涼しげな青とか紫とか水色とか、
考えますが、それってアタリマエなんですねぇ。
このとてもじゃないけど大人の夏着物じゃない色、を持ってきて、
柄は一箇所ずつ、更には、差し色にトルコブルー…。

こういう大胆さ、好きですー。
平安の凛とした有職文様も、退廃的な元禄の大柄も、
江戸後期の武家の控えめな裾模様も、庶民のばーさまな縞や格子も…、
どれもそれぞれに全く違う魅力があります。
それらの積み重ねの上に、大正から昭和にかけてひろがった「大胆ステキ」柄、
なくなってしまったのはもったいないですね。

残念ながらこの着物、もっとも大事な「上前」のダメージが、
一番ひどいのです。金糸の色がかわっていて(樟脳でも入れたんかいなもぉ)
シミもあります。


   


着るつもりなら、金糸を取ってしまって、しみをできるだけ落とすのですが、
時代衣装としてなら、このまま保存…ですねぇ。
手描きのこんな着物、ぜいたくですねぇ。
どんな人が着ていたのか、昭和初期かなーと思うので、
ギリギリもしかしたらご存命…かもですね。
もしかしたら、その人の妹さんとか、娘さんとかが譲り受けて着たかもしれません。
私、こういうものを見るたびに、私の着物の行く末を思います。
こんなにゼータクなものは持っていないけれど、娘もいないし、
若いころはよく譲っていたいとこも、私と年齢はそう違いません。
そのいとこの娘は「着ない…」。売るよりも、大切にして「着て」くれる人に、
譲りたいなぁと思っています。それまでにボロボロになったりして…。
あっ、お腰とか和装ブラとかも…ヤメナハレ…。

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8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (とんぼ)
2009-09-09 17:55:41
むかしPTA大好きおばさん様
あの時代を表した小説や映画は、
着物がたくさん出てきて、すてきですね。
こんな着物は、ダレでも着られたわけでは
ないでしょうけれど、実際に着られたという
それだけで、ステキですね。
返信する
Unknown (とんぼ)
2009-09-09 17:53:30
明仙様
そうなんです、実際着られなくても、
置いてみているだけで、シアワセーな
気分になります。
お会いできることがあったら、
風呂敷で担いで持っていきますよー。
返信する
Unknown (むかしPTA大好きおばさん)
2009-09-09 00:12:58
「こいさん、頼むわ」なんて声が聞こえてきそう。
舞台「細雪」のラストシーンですが、
長女役の高橋恵子が、「戦争になっても、来年の今ごろにはあの紅桜はいつもどおりに咲きますのやろな・・」と呟くと、妹である賀来千賀子、檀れい、中越典子らが華麗な振袖に身を包んで登場し、4人姉妹が紅桜色のライトに照らされます。あまりに美しくて、涙が出ました。
谷崎のメッセージが聞こえました。
「戦争が起ころうと、何年たとうと日本女性の麗しい着物姿は永遠になくならないよ。」
・・40年はたつのかしら、舞台化されて。
キザでごめんなさい、こういうお着物を見ると
思い出してしまうのですよ。
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Unknown (明仙)
2009-09-08 23:11:53
これも素敵…。
現代で着て歩けるかと言われたら、微妙ですけど。でも部屋の中だったら羽織ってみたいです!
とんぼさんが私の親戚の方だったら良かったのに
大事に、保管なさってくださいね。
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Unknown (とんぼ)
2009-09-08 17:50:45
陽花様
ほんとに贅沢な逸品だと思います。
どこかのお嬢様の持ち物だったのでしょうね。
私、そのお嬢様のあとからついていく
「ばぁや」のイメージですがぁ。
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Unknown (とんぼ)
2009-09-08 17:48:45
りら様
ハデですー。ほんとに。
こんなのを着てみたかった…。
ほんとに女の子がいたら、ですね。
こやっぱり手触りもいいし、
「きれい」とすんなりいえる絹です。
眼を養うのは、だいじですねぇ。
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Unknown (陽花)
2009-09-07 19:45:49
この着物をお召しになっていた方は
さぞかし目立ったでしょうね。
織も凝っていますし手描きなんて
本当に贅沢な着物ですね~
返信する
さすがにこれは・・・ (りら)
2009-09-07 16:43:12
着たい!とは思えません(なんてぇやつだ!)ですが、なんとまぁ可愛いことよ!と嬉しく拝見しました。
娘がいたらなぁ・・・と、こういう時強く思いますねぇ。

ピンクでもこんな風にぼかして濃淡をつけると品が良いものですね。
それと、元々の生地が良いので染めや銀糸もきれいに入るんでしょうねぇ。

なかなか実物を見て歩けない立場になってしまいましたが、新旧を問わず、良い物を見分ける目だけは身につけたいと思います。
名より実、で。
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