ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

栗の皮で染めると…

2017-10-06 15:25:39 | つれづれ

 

染物はシロウト…どころか、お遊びでちょこっとやったりしているだけ。

道具も何も揃ってないし、いつもやるときは「実験だぁ」の意識です。

なので、ちゃんとした染物のお話ではありませんので…。

 

イトコが送ってくれた栗、そりゃもうチカラワザで皮を剥きましたがな。

どうして皮剥くとこんなに小さくなっちゃうのよ…と文句言いながら。

で、こんもりした皮や渋皮をザルに入れ、全部調理等終わってから捨てようとして…ん?ちょっとやってみる?

というわけで、急に思いついて、やってみたわけです。

 

植物はおよそ花でも葉でも茎でも、木の皮でもなんでも染められる…と聞いたことがあります。

もちろんどれもが安定した染液になるわけではありませんが…。

染めるには「媒染」が必要になります。媒染は発色をよくしたり、布への定着をよくしたりという効果があります。

たとえば紅茶とかそういったもので染めると、キレイな色に染まりはしますがすぐに色あせたりします。

なので「媒染」するわけですが、これは言ってみれば「布から出ているお手々と染料から出ているお手々を

仲良くしようね、と結び付けてあげるお友達、というお仕事」…かな?

 

今回、まず「栗の皮や渋皮」を、袋に入れました。この袋、まぁさらしとかガーゼの袋でいいのですが、

私が使ったのは、ははは「ストッキング素材の流し用ゴミ袋」。バッチリでした。

鍋は金属は避けた方がいいです。私は古いガラス製のもの。ちょっとお試しの染めとか、

食べ物じゃないものに使っています。木綿の糊落としとか、煮洗いとか。

これに水を入れて栗の皮をグツグツして色を煮出しました。ためしにそのままで端切れを染めましたが、

やはりどうしても色が薄い…ので、ここで媒染の「重曹」を入れました。

通常よく使われるのは、家庭だと「ミョウバン」なんですが、いつだったか「栗の時は重層と塩がいい」と、

染をなさっている方のブログで読んだことを思い出しまして…。

重曹をテキトーに投入、塩は、まぁ大匙1杯かな(料理の感覚…ヤレヤレ)。

重曹を入れたとたんに、それまでただの茶色だった煮出し汁が、あっという間に濃いこげ茶、黒に近いような、

ブラックチョコレートのような色になりました。こんな感じ。

 

         

 

ここによく水洗いした羽二重のハギレを入れて、しっかりかき混ぜながら…数分間…。

これで染めあがったのがこちら、右はそのままの羽二重、この端を50センチくらいカットして染めてみたわけです。

染めたものを見ているときは「薄いなぁ」と思ったけど、並べてみるとちゃんと染まっていました。

染め時間が短いので「薄い茶色」を想像していましたが、なんかちょっとピンクっぽい優しい茶色です。

黒っぽい影は、下の敷物の柄です、すみません。

 

         

 

もう1枚、ゴムで一か所止めて、染め方もいい加減、あまりかき回しもせず放置…

言い訳みたいになりますが「染めムラ」というのを見てみたかったのです。

こちら左が「放置」、右がゆっくりかき混ぜて気を遣って?染めたもの。

 

         

 

白いウネウネの線が、ゴムで止めた部分、つまり「絞り染め」になったわけです。

色の濃いところは動かさなかったためにできたムラ。全体に濃いのは染め時間の違いです。

元々染物は、濃く染めるには一度ではなく何回か染め重ねます。

ムラなく染めるための工夫と時間、それに手間とココロを惜しみなく使うのですね。

染物は一期一会、同じ染料、染め液、同じ素材の生地を使って、同じように時間と手間をかけても、

全く同じものが染まるとは限りません。毛糸など化学染料でも、ロットが違うと微妙に色が違いますよね。

染物って、本当に手も気も抜けない、繊細なものなんですね。

だから私には…向かないのですー。

とりあえず実験終了ですが、時間と場所があったら羽二重をたくさん染めて、こんな色のブラウスほしいなぁ。

誰か染めて…(スミマヘンッ!)


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6 コメント

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Unknown (古布遊び)
2017-10-07 08:01:42
とんぼさんはすぐにトライなさるのがすごい!

染って面倒ですよね。
むかし織りに手を染めていた時、染色もやってみようと手を出したのですが結局化学の実験みたいな事は私に不向きだと思って止めてしまいました!
道具だけはそろえたんですがねえ(笑)。

栗皮で染めたものは購入したことがあります。優しい茶色でした。

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Unknown (とんぼ)
2017-10-07 22:33:37
古布遊び様

いえいえ、本格的にやるには、道具も場所も時間もないので、
いつもチョコチョコッと遊んでいます。
それに私も化学実験みたいなのはほんとに弱いんです。
ビミョウに違う量だの、時間だのなんて、とってもムリ。
「染色家」と呼ばれる方々はほんとリスペクトするばかりです。
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Unknown (サザエ)
2017-10-08 08:21:31
染めもされるんですね。
栗色素敵ですね^^
染めと言えば、
私、桜染めというのをやってみたいのです。
小学生の頃の国語の教科書に載っていた何方かの文章の中に、←ここら辺は遠い彼方にw
『桜の花が咲く直前桜の木の中も桜色になり、
その木の皮を使って染めると桜色になる。。』
というような一文があって、あれから何十年もたった今でも、忘れられず。。
一度、桜が咲く直前の桜の木の皮・木の枝が手に入ることが出来たのなら。。なんてw
言い訳ではないですが、そんなことはあり得ないので、安心してください。。やりませんからw
つぼみ状態の桜の木を見ながら、
木の中にピンクの血が通ってるんだろうな~
と、毎年桜を見るたびに思うだけですよw
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Unknown (とんぼ)
2017-10-08 19:48:00
サザエ様

いえいえ、ほんのちょっと遊んでいるだけです。
染めってほんとに不思議ですよね。
桜染めもきれいなピンクはほんとに難しいそうです。
母が紅茶とか、漢方薬みたいなもので、
古くなった木綿のブラウスとか染めたりしていまして、
昔の女性はマメだったなぁと、つくづく思っています。
玉ねぎの皮も山ほどとってあるのですが、
まだ一度も染めてみていません。
次はあれかな…いつ?
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Unknown (ののちゃん)
2017-10-10 09:00:04
はじめまして🙇
御自身で工夫されている手作業のお話、興味深く、楽しく拝見させて頂いております。
さて、コメント覧のサザエ様のお話にあります、「昔の教科書」の文章ですが、私も同じく、花の咲く前の木皮から桜色が染まる話、ずっと心に残っておりました。最近になり、その文章が、かの有名な志村ふくみさんのお作だと判りました❗黙っていられず話題にのらせて頂きスミマセン💦
これからもブログ楽しみにしております❤
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こちらこそ (とんぼ)
2017-10-10 16:23:13
ののちゃん様

はじめまして。コメントありがとうございます。
志村ふくみさんは、ほんとにいいお仕事なさってますね。
あら、どこかの骨董屋さんの決め台詞みたいになってしまいました。

何にでも興味を持つせょうぶんなのですが、何をやっても中途半端です。
突き詰めればなんでも苦労はつきものですが、苦労する手前で
やめてしまうズボラです。
あれこれつまみ食いして遊んでいきますので、
これからもよろしくお願いいたします。


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