この帯は、嫁入りのとき母が作ってくれたものです。
塩瀬に手描きの花もよう。私自身は「花柄」というのを選ぶことが
あまりないのですが、これは母がたいそう気に入りまして、
「この花がつまめそうなところがいい!」と選んだものです。
確かに、ひとつひとつの花に「影」が描かれていることで、
立体感があり、また地が白のため、よけい浮き上がって見えます。
アップはこんなです。
写真ではきれいに写っていますが、なにしろ30年経っていますので、
白がもうクリーム色に変色しています。お太鼓の上の左端あたりに、
わずかな汚れもありまので、締めなくなって久しいです。
黄変はどうしようもありませんから「染めなおし」、柄をどうするか・・ですね。
お金をかければ、方法はいろいろ考えられるわけですが、
それほど強く思い入れがあるわけではないし・・いや好きですけどね・・。
着物や帯は「リフォーム」が当たり前のものです。
私は外国の服飾文化については、まったくわかりませんが、
着物が「解いてつなげると元の反物に戻る」ということ「すべてが長方形」
という、この2点だけでも、珍しく、また優れた文化だと思います。
ただ、今は昔のように暮らしの中で着物を着るのが当たり前のことでは
なくなってきてしまいました。当然「リフォーム」ということについても
昔のようにはいかなくなりました。
和裁も着付けも、昔は「習い事」ではありませんで、家族中の着物を
当たり前のように洗い、解き、洗い張りをし、縫い直しをしていたわけです。
そういうことをやる人が少なくなった今の時代に、着物を着るということは、
それなりに工夫をしないと、お金のかかるばっかりのことになってしまいます。
昔に比べれば「生活水準」そのものが高くなっていますから、
ヒトサマにお願いして縫ってもらう、洗ってもらうということも、
うまく工夫すれば「だから着物って高くつく」という理由での「着物離れ」を
少しでも防げるのではないかと思います。
昔は「着物は洗い張りを3回したら、着物としての勤めは終わり」と
言われていました。つまり3回縫い直したら次はリフォーム、だったわけです。
ただしこれは、毎日のように着物を着て暮らす状況のことです。
今は着る回数も少ないのですから、当然3回といっても期間は長いです。
着物を買うときに長く着られるものを選ぶ、染替がきくようなものを選ぶ、
などの工夫は、昔の人以上に考えたいことと思います。
先日PCやらない友人と、電話で長話をしました。
なんでもサークル仲間に誘われて「着物の展示会」に行ったとか・・。
聞いたとたんに「あ~」と思いました。「何か買ったの?」と聞くと、
「・・・うん、紬」という返事。「なーんか雰囲気にのまれちゃって、
買わなきゃいけないような気になっちゃって・・・」と言ってました。
そうなんですよね、展示会というのは・・。
私もたまーにですが、お付き合いで行くことがありますが、
ゼーッタイ買いません。たいがいは「買わなくてもいいのよ、みるだけだから」
というのが決まり文句です。会場に入ると、店員さんがやってきて
案内してくれますが、その時点で「私、今日は眼正月に来ました。
何も買う予定はありませんので」と申します。たいがい店員さんは、そのとき
「はいはい、いいんですよ、ご覧になるだけで」とおっしゃいます。
向こうはプロですから「なーに、そのうち買う気にさせるからだいじょーぶ」と
思ってる。それがあちらのお仕事ですから、そんなのは当たり前です。
でも、あちらがプロで買わせようとするなら、こちらも主婦のプロ、
買わないと言ったらゼッタイ買いません。いろいろ出されたら、
そのつどはっきり「あっ私その色嫌い、そういう柄趣味じゃない」と、
きちんといいます。いいものがあったら「いいわね」とも言いますよ。
でも「いいけど買わないから」といい続ける・・。そのうち「ちょっと体に
あてるだけ」・・と言われたら「買う気がないからあてなくてけっこうです」
反物を解こうとしたら「広げないでください、買わないから」、
私これで3時間くらいヘーキです。やな客ですよねぇ。でもこれで通します。
その代わり友人の買い物には付き合いますよ。
ただし冷たいです、あとで「あなたがいいっていったから買った」なんて
いわれたくありませんから、似合うか、といわれればそれに答えるし、
これは品物としてどうだろうと聞かれたら、知ってるかぎりのことは教えます。
でもどうしようかな、といわれたら、あなたのサイフと相談してね、で終わり。
冷たい、といわれたこともありますが、百円二百円の買い物じゃありません。
何か目的があって、こういうものが買いたいから・・というのなら、
いろいろ相談にものりますが、お互い「みるだけね」という約束なら、
そうしないと、展示場から出てきたときに「魔法のとけたシンデレラ」状態に
なってしまうのです。「どうしよう買っちゃった・・・」。
招待してくれたなじみの店員さんに悪い、いろいろサービスしてくれたのに
申し訳ない、そういう気持ちと同時に、隣でどこかの奥様が着物まきつけて
「そうねぇ、こういうのも一枚くらいあってもいいかしら」
なんて言ってるのを聞いたり、高そーなのを「じゃこれとこれいただくわ」、
なんていってるそばで「私帯締めください」とはいいにくかったり。
いろんな理由があると思いますが、安い買い物ではないのです。
何か買うつもりで言ったなら、徹底的に聞いて見て、いい買い物をする、
ただし付属でのものを買わされない、着物買ったら「こちらの帯なんか・・」
と言われます。そういわれたら、帯は持ってますからいりません、と。
買わないつもりなら最後まで買わない、そういうことをはっきりと、
自分自身の肝に銘じていかないと、「展示会マジック」に酔ってしまうのです。
私は展示会が悪いといっているわけじゃありません。
名前も知れないような「サギまがい」の展示会はいけませんが、
きちんと名前の知れたところなら、それはそれなりにきちんとした品物だし、
どういう商売でも「当日の目玉商品」と言うのは必ずあって、
それは確実に「よいものが安く」なっています。
そういうところで、成績や生活のかかったプロの店員さんが、販売するのです。
こちらも「勝負」のつもりでかかりませんとね、失礼でしょう。
要は「目的(小紋を一枚だけ買う、買ってもいいと思うものがあったら買う、
ゼッタイ買わないでみるだけ)をはっきり決めておく」
「お財布の中身をしっかりアタマに入れておく」
「店員さんの言葉や、回りの雰囲気に左右されない」の三つです。
帰ったあとで「とうとう帯締めの一本もかわなかった」と言われようと、
今度からあのお客は誘わないように・・というリストにいれられようと、
そんなことはかまいません。あちらもご商売です。
買って下さるお客様をまた見つけるのがお仕事です。
こういうエラそーなことを言うのは、そうです、トンボもそれで3枚ばかし
後悔した着物があるからです。シンデレラの魔法がとけたら
「なんでこんなのかっちゃったんだろ」・・・
結局一枚はいとこに、半額くらいで買ってもらい、
もう一枚は着物でしたが、一度着ただけで道中着に作り変え、
残りの一枚はいまだタンスで眠っております。あれをなんとかせにゃ・・・
少なくとも10年はたちまっせ・・・。
って、そうです!紫のオコソ頭巾の千兵衛です!(笑)
久しぶりに来ました!
あっ、ハイビスカスのレイを、かけていただきまして、どうも、ありがとう!(笑)
なかなか、来られなくてゴメンね!
とんぼちゃんが、よーくご存じの理由で、来られませんでした!(笑)
あ~、何だか、人んちはいいな!疲れたから、ここで、昼寝でもしていきたいよ。畳って、いいよね?ごろごろしても、夏でも冬でも、それなりのくつろぎがある。
あっ、ゴメン。テーマとは関係ない話になって行きそうだった。私自身は、着物の展示会って行った事ないから、論評できないけど、噂には聞いてます。特に悪い噂です。店員が寄ってたかって、着せて、褒めちぎって、分割払いで買わせちゃうって商法ですよね?
基本的には商売だから、売ろうとする努力は問題ないけれども、悪徳商売と呼ばれるのには、ひとつには高額の商品を、その場で即決で雰囲気で無理矢理に買わせるところに問題があるのだろうな。
同じ無理矢理でも、千円程度だったら笑ってすまされるものも、数十万円になると、やはり十分に考える時間を与えないで契約させるのは、強引なマジック商法と言われても仕方ないよね。
若い女性は、気をつけろと言われても、本人も判っていても買わされちゃうという、断れなくなるマジックを相手は身につけているから始末が悪いんだね?
まず、古着から楽しんで行き、自分で仕立ててみるような気持ちが欲しいよね?なんちゃって、それとなく自己ピーアールしてるけど(笑)そうやって、多くのものを見て自分の目を肥やしてから、初めて良いと言われる着物が、何故良いのかを知るのが順番だと思う。
とんぼちゃん、いつも、応援してくれて、ありがとうね!
いらっしゃ~い(三枝風に)
着物によらず、展示会って「悪徳商法」に利用されやすいんですよね。個人の呉服屋さんや、それほど大きくないところ、或いは地域の呉服屋さんや織物やさんが集まって・・という、本当にいいものと出会える展示会もあるんですけどねぇ。呉服業界の低迷化が生んだ究極の販売方法・・みたいなところもありますが、要は、自分が知識を持っていることが強みであり、中年おばさんの「いらない」といえる決断力が強みなんですけどねぇ。
千兵衛様、お裁縫がんばってくださいね。ヘラ台とかコテとかありますか?もうお持ちかもしれませんが、手芸店(大きいところ)に行くとむ、手芸用(パッチワークなんかに使います)の小さなアイロンを売ってます。手のひらに乗るようなやつ、たとえば袖の丸みとか、縫うそばからささっとこれで「きせ」をかけていくといいんですよ。
先生がいーっぱいついてますから、私は気楽に「リポーター」やらせていただきまーす!がんばってぇ!
私も本当に着始めだったときに、危うく10万円のショールを買わされるところでした。やはり「目的をはっきりさせて」行っていたので、「支払い能力がないから買えない」「自分の一存では決められない」と、必死に断りましたが、その店に対する信頼度がゼロになりました。
初心者には「目的意識をはっきり持ってきっぱり断る」という技は難しいんではないかなー、と思います。ならばどうするか。私なら、決して一人で行かず、断ることのできる人と一緒に行くことをすすめます。そうして初心者も断り方やかわし方を学ぶことができる。どうでしょう?
はじめまして、とんぼです。
そうなんですよね。私みたいに「いらないって言ってんでしょ」くらい、言えちゃうといいんですが、なかなかねぇ。つまり私みたいなのと一緒にいけばいいんですよね!それと、やはり着物についての知識というのを少しは持っていると、店員の思い通りにはすすめさせない、というテクニックも使えます。
呉服業界も大変だとは思いますが、だからといって「なんでもいいから売ればいい」という姿勢のお店は、考え直してほしいものです。
大好きな着物たちに囲まれて、織元さんに京都弁で話しかけられたりするともう、感覚はすっかり麻痺状態・・・。
『買わん』を貫いて、店員の『買わせちゃる』攻撃を避けまくっているうちに、帰る頃にはもうへとへと・・・。
でもまた、招待状が来ると行っちゃうんですよ、目の保養したさに。( ^^;)
いやぁもう、ほんとにとんぼさんと一緒に展示会に行きたくなりました・・・。
ほんとに、押し切られそうになりますよね。
私連れて行くと、途中で「お帰りの出口は
こちらです」って言われるかも・・。
それにしても、着物ってそこにあるだけで
見たくなる・・・フシギなものですね。