あの未曾有の災害に、言葉は今も、みつかりません。まずは「合掌」…。
あの日のことを思い出します。
横浜は地震が珍しい土地ではありませんが、あんな大きな揺れは初めてでした。
電気がとまり、ケータイもつながらず、家の中と玄関をウロウロしているところに、
外出していた父が自転車で駆けつけてきてくれました。
とりあえず無事を確認し、しばらく経って電気が通じ、やがて電話もつながりました。
「食器が30個くらい割れちゃったよ」、「ケガしなかった?」
そんな会話をしていたちょうどそのころ、大きな津波が、北の海岸を襲っていたのです。
報道される現実が、どうしても映画のように見えて、どこか別の世界のことではないのかと思ったり…。
それでもすぐに始まった計画停電、息子と毛布にくるまり、ラジオを聴きながら、カンテラを見つめながら思いました。
「北の人は今頃もっと寒いだろ、もっと暗いだろ、もっと不安だろ。どうかがんばって」と。
あの夜からしばらくは、服を着たまま寝ました。
あっという間に店頭からいろいろなものが消え、父は毎日自転車でスーパーを5軒も6軒もまわって、
息子の牛乳を探して届けてくれました、私はブログを通じてたくさんの方に応援していただき、
北は北海道から、南は九州まで、たくさんの「物資」を送っていただきました。
ありがたくてありがたくて、届く荷物をあけながら、涙がポロポロこぼれました。
あの日から「防災」と言うことが、いつも心のどこかにあります。
いくら備えたって、家がつぶれるほどの災害ならムダにもなるのでしょう。
外で被災したら、どうにもなりません。それでも「どうせわからないんだから」とは、どうしても考えられません。
阪神の時は遠かったのです。テレビで恐ろしい光景を見たのに、今と同じようにやりきれなかったのに…。
一時的に防災の意識は高まっても、いつしか「喉元すぎれば」でした。
幸か不幸か、こちらはあの日以来、以前よりも地震が来ます。
長野が揺れても、山梨が揺れても、伊豆沖が揺れても、福島や茨城が揺れても、ここはそれを感じます。
そのたびに、鎮まりかける「備えの思い」が、はっと眼を覚まします。
あの日からこっち、私に何ができるだろうかと、考えました。
わずかばかりの募金をし、受け付けてくれるところに少しの荷物を送り…。
そして思いました。何もできないのなら、せめておそわったことを忘れずにいよう…。
備えはできることをしよう。もしものときにはどうするか、父とも夫とも「こうするからね」と話をし、
荷物はここだよ、これとこれがそろえてあるからねと伝えました。
息子のそばにはいつも「負ぶいひもの袋」を置き、少しでも揺れれば、私は玄関を開けます。
よそはダレも出てこなくても、道行く人が「なんだ?」という顔をしても、扉があくように。
1年経って「ここまで復興しています」という頼もしい報道もあれば、「お先真っ暗で」という報道もあります。
原発にいたっては、家が壊れてもいないのに、遠く離れたところで暮らさなければならない人たちがいます。
祈ることしかできませんが、どうかこのまま全てがよい方向に向かいますように。
そして、たくさんの犠牲者の魂が、一つ残らずよいところにいかれますように。
私にできることは「学んだことは忘れない」だと思っています。
<追記> 先日みつけた防災グッズです。
我が家にはプラのタンクみたいなものもあります。水入れみたいな袋もあるんですが…
父はたぶん少し片マヒが残ります。
もしものとき、それでも父は「世話になるのはイヤだ」の人でしょうし、我が家のために戦力になりたいと思うでしょう。
だからと言って、もし給水車のお世話になることがあったら、どうやって水を運びましょう。
水って重いんですよね。そんなとき、これを見つけました。肩紐が痛かったらタオルを巻けばいいかなと思っています。
ショルダーにもなるし、普通に手で提げることもできます。
せおう水袋 ライフウォーターバッグ | |
クリエーター情報なし | |
幻冬舎 |
阪神大震災の時、障害者は健常者とは別の、たいへんな思いをしました。
あまり報道はされていませんが、特集も組まれました。障害者と言っても状態は千差万別。
全てのことに介助が必要な人もいれば、父のようにちょっとしんどいヒトもいます。
高齢者も多く、ヒザが悪い腰が痛いというヒトもたくさんいます。
被災者というくくりなら、みんな平等ですが、ハンデのある人には「便利グッズ」も必要です。
1箱に2個入りです。
ほんとに、もう1年。
あの半月あとに父が倒れたりで、ほんとに忙しい1年でしたが、
それでも地震のことは、いつもココロのどこかにありました。
この夏の電力はどうなるのかと、今から思っています。
先日地震直後の長い時間大きく揺れている
画像を見てから、阪神淡路の立っていられない
地震を思い出し、生きた心地がしないほど動揺
してしまいました。
計り知れない自然のエネルギーが襲いかかってきたら何処にいても安心安全ではありませんが
備えあれば心強いですね。