退院

 

いろいろと皆様にご心配いただきましたが、本日無事、父が退院して戻ってまいりました。

お見舞いメール、コメント、ありがとうございました。

 

突然、父から電話があり、明日最終検査をするとのことで連絡があり、それで問題なければあさって退院…。

「えぇーっはやっ！」でした。造影剤を入れての検査の結果、良好ということで退院の許可が下りたわけです。

今日は医師から、私が最初にみせてもらったＣＴの画像も一緒に見ながらの説明を受けました。

頭の中の「クリップ」もちゃんと写っておりまして、今更ながら、たいへんなことだったのだと、

父も呆然として見ておりました。

今までどおりの暮らしに戻っていいですよ、といわれたので、ここぞとばかりに、

「先生、父はたいへん健康的な暮らしをしてはおりますが、性格的にきちっとしすぎていて、

歩くときも人を追い越してチャッチャカ歩きますし、自転車も少々の坂なら立ちこぎして登るんです。

私はそういうことは、やはり心臓や血管に負担をかけると思うのですが」というと、

父が「私は時間を決めて、ここまでにこれ、ツギはこれと、順調にいかないといやなんです」

すると先生は「そりゃぁダメですよ。Ｓさん、ゆったり行きましょう。何かこまごまやることはたいへんいいことですが、

あせったり無理したりはいけません。歩くのもゆっくり、動作もゆっくり、いいですね」。

これは効き目がありましたでぇ。私がいうよりはるかに…。

 

元々２週間も寝たきりでしたから、年齢的にいっても筋力がガタッと落ちて、実際早く歩けません。

それでも麻痺が残りませんでしたから、歩くリハビリも無しです。

とても奇跡的なことなのだから、この後も大事にしていきましょう、といわれて「ハイ…」。

病院の駐車場が満杯で、すぐそばのヨーカドーのパーキングに入れたので、

帰りに中を通ってちょっと買い物。さすがにゆっくりでした。やれやれ。

無事帰還できた記念の一枚です。頭の傷はだいぶ平らになってきていました。

医学ってすごい、人間の体ってすごい…ですね。

 

　　　　　　　　　

 

実家に荷物だけ置いて、一緒にウチに連れて行くつもりでしたが、夕方行く、というので

「じーちゃん、ゆったり歩いて、よそ様の庭を眺めて、こんな花があるんだなぁとか、

犬飼ってるんだーとか、そんな感じで歩くんだよ」と、コンコンと…。

夕食の準備をして、日が落ちて寒くならないうちにおいでと電話すると「じゃ今行く」…。

だいぶたって出てみたら、ゆっくりよたよたと歩いてくる父が見えました。

ふと「年からいったらあれで普通だよなぁ」と思いました。今までが元気に任せて、無理しすぎていたんです。

頭が寒いのと、傷跡隠しに、ずっと前プレゼントしたハンチングをかぶってきました。

車で送るというのに、足がなえてしまったから少しずつ歩く、というので見送りました。

どっと年をとった父の後姿を見て、母がまだ歩いてここへきていたころのことを思い出しました。

後姿って、老いがよくわかって切ないものですね。

ついたら電話…と約束したので「今ついた」と連絡してきましたが、やはり上り坂より下りのほうが、

カクカクと足に来たそうです。今のところは早く歩きたくても歩けない状態ですから、

これで歩くペースがわかるといいと思っています。

 

まだ、ひとつバクダン抱えていますから、それも医師に「爆発してからだと大変ですが、

その前にとめてしまう手術は、今回のように大変ではありませんから、まず体力つけましょう」といわれ、

自分が決して健康体ではないのだと、理解したようです。

それでもなんでも、少ししゃべるのがゆっくりになったくらいで、後遺症は無し。

ほんとによかったです。やはり自分の家で暮らしたい、ちゃんと無理せずゆったりやるから、というので

「寝るときはケータイを枕元に、朝起きたら毎日『生きてるよ』と電話するように」と、約束させました。

 

最初にＩＣＵに面会行ったのは、桜が咲き始めのとき、

出られるのは若葉が出揃ってからかなと思っていましたが、桜吹雪の中を帰ってくることができました。

やっと春…という感じです。皆様、本当にありがとうございました。

 

 写真は一気に咲いたイフェイオンです。これも丈夫ですねぇ。