ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

これはなんでしょう・・

2005-10-24 21:01:01 | 昔の道具・暮らし

どうみたってオモチャ・・ハイその通りです。
これは昨年手に入れたもので、昔の「おままごと」のセットです。
おくどさん、つまり「かまど」ですね。
お釜、鍋、一番右はお湯を沸かすためのもので、
かまどの中に隠れている部分はどんと大きいです。
下にはいかにも薪がストックされているように、
薄く輪切りにされた木が貼り付けてあります。
どんな女の子がこれでおままごとをしたのでしょう。
いまやかまどなんてものは、めったに見られるものではなくなりましたが、
それでも、イマドキのこぎれいなおもちゃの「キッチンセット」より
ずっとリアルで手になじむ気がするのは、トシのせい?

母の実家は京都の片田舎で、わらぶき屋根の農家でした。
その薄暗い土間の家も覚えているのですが、それ以上に記憶にあって
なおかつ懐かしいと思うのは、叔母の家です。
叔母の家は瓦屋根でした。玄関を入ると右手に薄暗い階段があって
それを降りると、大きな土間の一部屋、というより空間・・ですね。
左手はいわゆる「納屋」兼「物置」。不要なもの、季節の道具、
それにまじってあめ色をした古い大きな竹かごや、みがきたてた鍬などが
雑然と置かれていました。階段の右手が台所で、真ん中に大きなかまどが
ありました。すでに使われておらず、ほこりをかぶってはおりましたが
とてつもない存在感がありました。ガスはきていたものの、
伯母は豆を炊いたり、煮物をするときは、このかまどの前に置いた
大きな火鉢と七輪を使っており、鍋のフタをあけるといかにも「コトコト」と
音を立てているような・・。匂いまで思い出します。
薪、炭、たどん・・もう耳にしても「それなぁに」と言われてしまいそうな
名前ですが、かつて日々の暮らしにかかせなかったものたち。
かまどがガスレンジにかわり、火鉢が石油ストーブにかわり、
コトコト煮るより「レンジでチーン」、いやいや「煮たもの」を買う時代。
薪を燃やし、火吹き竹で火力をあげ、炭をおこし鍋をのせて・・。
そんな手間とともに、なくしてしまったものについてやっぱり語り伝えたい。
なんのために・・・えっと・・それがあっての「今」だから。

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2 コメント

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こんばんは~ (ヒロをぢ)
2005-10-24 22:50:15
 お招きに・・・預かったわけではないのですが、勝手に押しかけました。マンガ親爺です。なんというか、季節感溢れる優雅なブログですね。内容もいろいろ教わるところもあり、そうそうと納得するところもありで楽しいです。おくどさん(関西ではおくどはんといいます)は私くらいの世代では、もう懐かしいと言える人も少ないのですが、幸か不幸か私は小さい頃父方の祖父の家で見ておりました。画像のようなきれいなものではなく、かなり使い込んだきちゃないかまどが、土間の台所に据えられていたように記憶しています。小学校の頃は、夏休みに遊びに行くと、夕方薪割りをして焚き付けを起こし、石炭で風呂を沸かす手伝いをしたことも覚えています。何処の田舎かって?それが代々木なんです。2階の窓からは新宿新都心の高層ビル群が立ち上がってゆくのを間近に眺めながら過ごしました。その頃はまだ代々木の駅の周辺は静かな住宅地で、多分古い東京の雰囲気をかろうじて残した一角だったのでしょう。

 私は料理が好きで、週のうち3~4日は炊事当番を引き受けるのですが、偶の趣味ではなく、日々の生活としての台所仕事は、後の始末や手入れまでを含みますので、やはり只昔を懐かしんでばかりもおれないというのは男のクセになんとなく分かります。油物で汚れたレンジ周りの掃除を、食事が終わってからやらねばならないと考えると、揚げ物はそうそうできませんし、魚は落ちた油が燃える煙で燻されると旨いということは知っていても、後のことを考えると焼き網ではなくグリルがあってよかったなあとか思ってしまいますよね。おっと、夢いっぱいのブログでいきなり所帯じみたはなしになって申し訳ありません。

 先程夜の散歩から帰ったのですが、今夜はまだ月が出ておらず、星空を眺めながらのウォーキングが楽しめました。そろそろ虫の声もか細くなり、季節はまた一歩次のステップを踏み出したように思えます。お体に気をつけて、また楽しいお話を読ませてください。
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料理人でもあつたのですかぁ (とんぼ)
2005-10-24 23:48:49
ヒロをぢ様

おいでいただいてありがとうございます。

代々木で薪割り、石炭とは驚きです。

そういえば、東京の地名「角筈」なんてぇ

粋な名前もあっという間になくなったって

落語家さんでしたか、言ってました。

すごいスピードで変化していったんですね。



お料理お好きとは!出張お願いします?!

「料理は片づけまでが料理」といいますが、

ほんとにそうなんですよね。

レンジと換気扇の掃除はホントに面倒!

外で七輪置いて煙ボーボー立てながら

サンマ焼いてみたいものです。

七輪は関西では「かんてき」でしたっけ?



またお越し下さい。
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