ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

ひなまつり終了

2019-03-04 21:03:40 | つれづれ

 

桜餅です。

 

昨日は雨の桃の節句になりました。外も肌寒い感じでしたが、それでも例年よりは、ですね。

今年のお雛様のお菓子は、毎回やたらと残ってしまう「ひなあられ」をやめまして、

「桜餅」と「桜ういろう」にしました。

私は桜餅は「道明寺」のほうがすきです。くっつくので手が汚れるんですけどね。

母もこちらのほうが好きだったと思います。

この粒々感が好き~。

 

         

 

おいしくいただきました。

 

さて、もうお雛様をしまわなければと思ったのですが、天気よくないとのこと。

少しでも湿気のない日にしたいのでのばします。

あっという間に月日がすぎて、来月には新しい元号が発表され、5月1日は天皇即位ですね。

今回もテレビ中継を楽しみにしています。十二単のゲンブツが見られ…、あ、なんと俗っぽい言い方。

えーと「拝見できますから」…です。

ちょうどお雛様をしまうことでもあり、皆様ご自宅のお雛様のお衣装をよくご覧になってください。

 

実は「平安時代の宮中衣装」は、ちゃんと伝わっていないこともたくさんあるのです。

それと言うのも、元々は「貴族政治」であったものがたんだん武家政治に傾き、

結局、政治の表舞台から離れてしまったお公家様方。

戦国時代などは、たいへん経済的逼迫もあったわけです。世の中も騒然とし、お金もない…

そのため、それまで優雅に豪華にあれこれしていたものが省略されたり、なくなってしまったり、

そんなこともあって、過去2回ほど「宮中では何をどうやっていたか」という調査がなされています。

でも、記録も現物もなかなか完全にはそろわず、結局「だったらしい」となったり、

すでになくなってしまった行事や決まりごとがあったり、

あまりにわからないことは「ではこれからはこうしましょう」が決まったり…。

しっかり「遺す」ということは、とても大事なことで、たいへんなことなんですよね。

 

こんなお雛様があります。なんかちょっと違う?肩に何か掛けてます。

 

                  

 

並べてみると違いがわかりやすいですね。上が肩にかけてるほう、下がよく見るタイプ。

      

       

       

         

肩にかかっているのははうしろにつける「裳」を結ぶ帯紐です。

裳は元は「袴」だったものの変形といわれています。

下の写真、背中の白い四角いところが、袴で言うなら「腰板」で、裳の場合は「大腰」、

お人形なのではっきりわかりませんが、大腰の脇から細い帯のような紐が出ています。

これを「小腰」といいます。それを前に回して、たくさん衣装の前をおさえるわけです。

 

         

 

上の「肩からかけている」タイプは、鎌倉時代ころの着方といわれています。

つまり「十二単の着方や着物の重ね方」なども、長い歴史の中でいろいろ変わったり、

省略されたり足されたりしているのですね。ちなみに、肩からかけてつける場合は、

衣装の前を押さえるために、また別の細帯が使われたようです。

 

今見られるのは、ほとんどが肩からはかけないタイプ、ですが、

この作りも、かつては小腰の生地は裳と同じもの…だったものが、時代が下がって、

「唐衣と同じ生地使用」となっているのだそうです。

こちら、平成天皇即位のときの、美智子皇后のご装束。あの「高御座(たかみくら)」に入られたときのもの。

確かに真ん中に結んでさがっている「小腰」は、唐衣と同じ素材ですね。

 

          

 

こちらは「裳」そのものの小腰を結んだもの。唐衣とは違う生地です。

 

         

 

よくみないとわからないのですが、長い「宮中衣装」の歴史の中で、

いろいろ変遷はあったけれど、人形師たちは、時代にとらわれず

いかに美しく高貴なお人形になるかを研究して、それぞれの人形にふさわしい衣装を

つけてきたということなのでしょうね。

さて、あなたのお雛様、どんなお衣装ですか?

来年叉お会いしましょう…と、愛情こめてきっちりしまってあげてください。

あ、母がいつも言ってました。「おひなさんを出すときは『おかわりのうお美しゅうて…』といいながら出し、

しまうときは『おおきにありがとう。来年もよろしゅうに』と言って、しまうんやで」と。

みなさまもご挨拶忘れずに…。


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (古布遊び)
2019-03-08 07:30:24
今年もあっという間ですね。

お雛様を飾ったと思ったらもうしまう時期。私はお雛様は旧暦でするの、と言って今月もかざっています(笑)。
私は東北で育ちましたのでお雛様は旧でした。今はどうなのかな?

しまうときにはなるほどお礼を言わなくてはですね~
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Unknown (とんぼ)
2019-03-08 16:33:14
古布遊び様

ほんとにあっという間です。
片づけが面倒だと、つごうにより今年は旧暦で…なぁんてやってます。
今年は特に暖冬のせいか、よけいに早く感じますね。
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