桜餅です。
昨日は雨の桃の節句になりました。外も肌寒い感じでしたが、それでも例年よりは、ですね。
今年のお雛様のお菓子は、毎回やたらと残ってしまう「ひなあられ」をやめまして、
「桜餅」と「桜ういろう」にしました。
私は桜餅は「道明寺」のほうがすきです。くっつくので手が汚れるんですけどね。
母もこちらのほうが好きだったと思います。
この粒々感が好き~。
おいしくいただきました。
さて、もうお雛様をしまわなければと思ったのですが、天気よくないとのこと。
少しでも湿気のない日にしたいのでのばします。
あっという間に月日がすぎて、来月には新しい元号が発表され、5月1日は天皇即位ですね。
今回もテレビ中継を楽しみにしています。十二単のゲンブツが見られ…、あ、なんと俗っぽい言い方。
えーと「拝見できますから」…です。
ちょうどお雛様をしまうことでもあり、皆様ご自宅のお雛様のお衣装をよくご覧になってください。
実は「平安時代の宮中衣装」は、ちゃんと伝わっていないこともたくさんあるのです。
それと言うのも、元々は「貴族政治」であったものがたんだん武家政治に傾き、
結局、政治の表舞台から離れてしまったお公家様方。
戦国時代などは、たいへん経済的逼迫もあったわけです。世の中も騒然とし、お金もない…
そのため、それまで優雅に豪華にあれこれしていたものが省略されたり、なくなってしまったり、
そんなこともあって、過去2回ほど「宮中では何をどうやっていたか」という調査がなされています。
でも、記録も現物もなかなか完全にはそろわず、結局「だったらしい」となったり、
すでになくなってしまった行事や決まりごとがあったり、
あまりにわからないことは「ではこれからはこうしましょう」が決まったり…。
しっかり「遺す」ということは、とても大事なことで、たいへんなことなんですよね。
こんなお雛様があります。なんかちょっと違う?肩に何か掛けてます。
並べてみると違いがわかりやすいですね。上が肩にかけてるほう、下がよく見るタイプ。
肩にかかっているのははうしろにつける「裳」を結ぶ帯紐です。
裳は元は「袴」だったものの変形といわれています。
下の写真、背中の白い四角いところが、袴で言うなら「腰板」で、裳の場合は「大腰」、
お人形なのではっきりわかりませんが、大腰の脇から細い帯のような紐が出ています。
これを「小腰」といいます。それを前に回して、たくさん衣装の前をおさえるわけです。
上の「肩からかけている」タイプは、鎌倉時代ころの着方といわれています。
つまり「十二単の着方や着物の重ね方」なども、長い歴史の中でいろいろ変わったり、
省略されたり足されたりしているのですね。ちなみに、肩からかけてつける場合は、
衣装の前を押さえるために、また別の細帯が使われたようです。
今見られるのは、ほとんどが肩からはかけないタイプ、ですが、
この作りも、かつては小腰の生地は裳と同じもの…だったものが、時代が下がって、
「唐衣と同じ生地使用」となっているのだそうです。
こちら、平成天皇即位のときの、美智子皇后のご装束。あの「高御座(たかみくら)」に入られたときのもの。
確かに真ん中に結んでさがっている「小腰」は、唐衣と同じ素材ですね。
こちらは「裳」そのものの小腰を結んだもの。唐衣とは違う生地です。
よくみないとわからないのですが、長い「宮中衣装」の歴史の中で、
いろいろ変遷はあったけれど、人形師たちは、時代にとらわれず
いかに美しく高貴なお人形になるかを研究して、それぞれの人形にふさわしい衣装を
つけてきたということなのでしょうね。
さて、あなたのお雛様、どんなお衣装ですか?
来年叉お会いしましょう…と、愛情こめてきっちりしまってあげてください。
あ、母がいつも言ってました。「おひなさんを出すときは『おかわりのうお美しゅうて…』といいながら出し、
しまうときは『おおきにありがとう。来年もよろしゅうに』と言って、しまうんやで」と。
みなさまもご挨拶忘れずに…。
ほんとにあっという間です。
片づけが面倒だと、つごうにより今年は旧暦で…なぁんてやってます。
今年は特に暖冬のせいか、よけいに早く感じますね。
お雛様を飾ったと思ったらもうしまう時期。私はお雛様は旧暦でするの、と言って今月もかざっています(笑)。
私は東北で育ちましたのでお雛様は旧でした。今はどうなのかな?
しまうときにはなるほどお礼を言わなくてはですね~