ちょっと前のことなのですが、続けて二回も同じ「マチガイ」を見てしまったら、気になって…。
「袖擦り合うも…」というあの言葉です。
「袖擦り合うも、他生の縁」ですが、
「袖振りあうも、多少の縁」が一番多いマチガイ。
まぁ「袖擦り合う」も「袖振り合う」も間違いではないと言われていますが、
私は「着物」というものを着続けてきた日本で生まれたなら、
やはり「擦り合う」がより正しいのではないかと思っています。
つまり洋服で袖が擦り合うとなれば、けっこうな「接近戦」ということになります。
でも、着物だと「袂」がおおきいですから、少し離れていても腕を上げただけで、
袖が振れることはありますよね。
もうひとつ、日本では古来より「袖振りあう」のは「恋情」のあかし。
かの額田王の有名な歌もあります。
「あかねさす 紫野ゆき標野ゆき 野守は見ずや君が袖振る」
このころの袖は、今のような着物の袖ではなく、長いゆったりした筒状の袖ではありましたが、
それを振るということは、恋しい人の魂をこちらへ呼び寄せる…という意味。
だから、袖振りあうのは、多少なりとも縁があるよね…では、なんともおかしいわけで。
他生は「多生」が出しいとも言われますが、仏教用語でいうところの、
前世や後世、これは「生命の輪廻」ということが基本になっているわけです。
たまたまバス停で、並んでバスを待っていたら、体がぶつかるようなことがあって、
袖が擦れ合った…たったそれだけのことだけれど、もしかしたら前世からの縁かもしれない…
なんていうことです。
言葉はどんどん変わっていきます。
気が付けば私も「全然OK」なんてやっています。
変化は仕方ないですが、ちょっと情緒のある言葉は、ちゃんと使いたいなぁと思ったりしています。
今日は久しぶりの雨、ヒリヒリ乾燥から少し救われました。
主人がちょっとドライマウス気味…数日前から気になると言い出しまして。
なにしろ長い間、中国もあったかいほう、そのあとはベトナムで、
ずーっと湿度70%のとこにいたからなぁと。
体が慣れないのですよね。寒さは何とかなると思ったけど乾燥はキツイ、と。
年齢からいっても順応性もおちているでしょうし、しかたありません。
息子がいつもいるここの部屋は、加湿器もかけていますし、
冬場は洗濯物の割と厚手のものや大きなものを、ファンヒーターの前で干すようにして、
加湿を心掛けています。それでも50パーセントに届くのはたいへん。
主人の部屋、あれだけ水槽があってもダメなんですねぇ…オドロキであると同時に、
お肌もさしてカサつかない我が身の「鈍さ」をありがたく?思い、
朝起きたらおとーちゃんがミイラになっていたら困るので、加湿器をもう一台買うことにしました。
水もしたたるなんとやら…は夫婦で程遠いようです。
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