ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

昭和の着物…

2015-01-14 20:01:32 | 着物・古布

 

トップ写真は、今回いただいたものの中の1枚、昭和の香り…しますねぇ。

 

昭和という時代は、63年という長い年月でしたから、25年生まれの私は、

40近くまでずーーっと「昭和」できたわけです。

ある日突然、今日から「平成」と言われて、早26年…

それまで「あれから何年…」と、ちゃちゃっと計算できたのに…えっと昭和と平成を足して…

なので最近はもっぱら「西暦」使用です。私は1950年なので、実は計算しやすいのですー。

 

さて、着物の世界でもほかの話題でも、最近「昭和だねぇ」とか「いかにも昭和っぽい」…

なんて表現がされることがあります。あぁそれだけ遠いんだわ、と実感します。 

同じ昭和でも、初期は戦争のおかげで、着物どころじゃなくなりましたから、

実際に落ち着いて着物と向き合えるようになったのは、昭和も半分を超えてからでしょう。

ただし、それは着物衰退の始まりでもあったわけですが…。

戦後しばらくの着物本には、呉服業界の混乱や試行錯誤が、よく表れています。

やたらモダンを強調するような色柄が出たり、洋服のようにウエスト強調の着方を推奨したり…。

とはいうものの当時子供だった私の記憶にあるのは、モダーンよりはただのおばちゃん着物…。

周りにまだいましたから…。

トップ写真のような着物も見ました。

実は、母がこれとよくにたウールを持っていまして、よく着ていました。

たたんであるのをパッと見たときに、思わず「あ、おかぁちゃんの」なんて思ってしまうくらいソックリ。

 

もう一枚ご紹介、こちらもお召しです。

 

              

 

なんということのない小紋柄で、ちょっと離れると無地っぽくみえるくらいなのですが、

近寄ってみると、こんなに細かい織り柄です。黄色と白が、光の加減で光るように見えたりします。

 

      

 

オシャレだからと言って気取りは感じられない、いわゆる「ちょいちょい着」のタイプで、

こういうのが一枚あると、着物で暮らしている人には便利です。

裏が紅絹なのです。昭和も私が生まれる前ですねぇ。「遠いほうの昭和」!

 

      

 

これはあららだった一枚、箱に手を入れてざっともちあげたとき、玄関のなかだったので薄暗く、

「水玉が飛ばしてあるような…」…と思いました。

 

         

 

ところが部屋の中で開いてみたら…いや、こりゃイカンぞ…

 

       

 

この「柄」のように見えているのはぜーんぶ胴裏の「茶ジミ」…おぉぉぉでした。

 

       

 

表地には全く響いていないので「今のうち」です、早めに解こうと思います。

さて、この「真っ白着物」はなんでしょう。実は一緒に「留袖の解きかけ」が入っていました。

柄部分はキレイなのですが、上半身にヤケもありますし、きっと解いて何かになさるつもりだったのでしょう。

となるとこの真っ白で何も柄のない着物は「本襲の中着」ですね。

 

元々留袖は、白い中着というまんま着物と同じ形の白いものを、留袖と重ねて着たわけです。

これが「本襲」といいますが、この時の下に合わせる白いものを中着というわけです。

今の留袖は「比翼仕立て」で、前裾、衿元、袖など外から見てわかるところだけ二枚重ねているように、

内側から「パーツ」を縫い付けたもの。これは「簡易」にするために考案された縫い方です。

一つには、実際二枚重ねると重いし、厚くなって着づらいし、おなか周りもたつくし…。

慣れないと、しっかりした襲はいまどきの暮らしにはちと合いません。

比翼仕立てにすると、生地もそれだけ少なくてすみますから、経済的でもあるわけで…。

普通は羽二重ですが、これはけっこうしっかりした生地なので、染めれば着物として着られます。

とりあえず、早く解きます。

 

そして着たいけど私にはちとかわいいよぉぉぉ、がこちらのコート。

レース地です。実際はもう少し濃い目でオレンジ味のあるピンク。

 

             

 

細かいレースです。

 

      

 

 

娘さん時代のものでしょうかね。

昔のものは、総じて重さがあります。これも少し厚みがあるので、

いまのものなどを思い浮かべると、ちょっと重たさを感じます。

 

他にも喪服や絽の着物などいただきました。

それぞれに行く先と使い道を考える…この楽しさはねぇ…止まらないんです、始まると。

 

少し暖かくなったら、友人が娘さんの成人式の相談に「娘連れて行くね」…と言ってました。

別の友人のお子さんは今年が七五三…なんかよそ様のお祝い事でも、心が浮き立ちます。

まだこれから一番寒い時期が来るのですけれど、やっぱり「春待つ心」は、

日ごとに増していく気がします。 


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2 コメント

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Unknown (陽花)
2015-01-15 00:19:34
トップの写真の着物いいですね~

この胴裏のシミはすごいですね。
昔の胴裏は全体に黄ばみますが
これはどはげしくて、表にひびいて
無くてよかったですね。
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Unknown (とんぼ)
2015-01-15 18:51:52
陽花様

私も好きなんです、トップの着物。
お召の単衣なのですが、とりあえずこれも解いて
できれば着たいなぁと思っています。

このシミにはほんとにびっくりしました。
気が付いてしまったら、早く解かなきゃと、
気が焦っています。
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