ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

やっと「着物」のお話しです。

2007-06-13 15:13:27 | 着物・古布
夏物、絽の着物です。何しろ柄が大きいです。
夏らしく、大胆に大まか?というわけでもないのでしょうが、
この着物、いいような悪いような…なんですよ。
とりあえずお福ちゃんに着てもらいました。


            


ぱっと見ると「わぁ大きな花柄、華やか!」と思うのですが、
おくみで花が並んじゃってて、それも逆さまです。
実はこの着物、出ている柄のほとんどが逆さまなんです。
写真の袖なんかもそうでしょう?

まともな向きの花柄はこちら二種、
白とピンクの花と黄色の花。



         


こんなステキな柄なのですが、まともな向きになっているところは、
全部下前とか、腰の揚げの辺りとかで、着て帯を締めると、
みえなくなってしまうところばかりなんです。
普通こういう大きな柄と言うのは、出来上がりの柄の出方を考えて裁つし、
そのためにも反物はちょっと長めにできてるものなんですが…。
そういう意味でも、繰り回しなのかなぁと思っています。

とんぼのところは、元々「和モノ細工の材料」として、
古着を集めていましたので夏物は数が少ないのですが、
いつのころからか、こういう柄はイマドキないよね…と思って、
きれいなものを探すようになりました。
着物離れの今、夏物は更に着る人も少なく、
目に付くのはゆかたばかりですが、
絽の着物には、袷の着物とはまた違った色使い、柄置きができるものです。
残念ながら、昨今の絽の着物はどうもおとなしめの柄ばかりで、
色はただ夏向き涼しげ…、おもしろくありませんね。
ちょっと昔風の柄いきで、大胆ステキなの、だれか作ってぇ!買えないけど?!



さて、本日のおまけ…これは、もう7~8年前でしたか、
友人が誕生日にと送ってくれた「アマリリス」です。


         


缶詰のようになっていて、そのまま出して置いとけばいい…みたいな。
たしか、そのときはちゃんと咲いてくれたのですが、
そのあとはもう何をするまもなくほったらかし。
それでも枯れたかと思っても春になると青い葉がでるので、
とりあえず、2~3年後でしたか、鉢に植え替えました。
そしてまたまた「ほったらかし」…。
もうすっかりあきらめていたのですが、なんと、ふとみたらつぼみが…。
びっくりです。しかも、いつも一番はじっこにおいてあったので、
つぼみに気づいたのも数日前、なんとつめたい「あるじ」でしょう。
昨日今日はお日様にあて、風をよけ、お水をたっぷり…。
なんとか咲いてくれるといいのですが。
ところで何色のどんな花だったっけと、くれた友達に聞くわけにも行かず、
ひたすら咲くのを待っています。トモダチガイのないアタシ…。

これをくれた友人は遠くに住んでいて、
普段はあまり連絡もとりません。それでもお互いの子供の誕生日や、
クリスマスなどにはカードや手紙を交換しています。
あとは年賀状と書中見舞い、三年にいっぺんくらいの電話。
そういう間柄なのですが、相性?はとてもよくて、
何年ぶりに会っても何でも話せる大切な友人の一人です。
その友人が、このアマリリスのつぼみに気づく前日、
ひさしぶりにメールをしてきました
「娘が明日お嫁に行きます。花嫁の母でがんばってくるね」
アマリリスは、私のためではなく、最初に自分を選んでくれた
友人のお祝いのために咲いたのかな…なんて思っています。
今度は咲き終わったら、ちゃんと手入れをしましょう。











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8 コメント

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Unknown (陽花)
2007-06-13 20:53:49
柄合わせが綺麗に出来ていたら素敵でしょうに
柄が逆さまで重なっていてもったいないですね。

「アマリリス」けなげですね~。
ちゃんと鉢に植えてもらったからお礼に花を
咲かそうと頑張ったんですね。
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クスクス・・・クス (もも)
2007-06-13 22:11:54
っと笑ってしまいました。失礼!
この鉄線の柄、とんぼさんらしく
ユーモアーがあって、いい感じ!
底抜けに明るさを感じる着物です。

この頃の絽の着物はとても良い柄が多いですね
凄くきれいな色や、きれな柄が多いです。
それに大胆ながらも多い。

アマリリスの不思議!
お友達とアマリリスはつながっていますね
不思議!
咲いたお写真を楽しみにしています。
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Unknown (青め猫)
2007-06-14 02:16:07
鮮やかな夏の絽の着物ですね。
現代物は地味目が多い中、ひときわ目立ちます。
柄が逆さまなのは惜しい!
これは夏帯にリメイクしたら、可愛いかなぁ?
ってか、もうそんな歳ではない私ですが
こんな華やかな古着を見つけちゃうと、何かに変身できないかな~と考えてしまう癖が付いてしまっています。
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Unknown (とんぼ)
2007-06-14 10:50:41
陽花様
ほんともったいないですわ。
イマドキない柄ですしねぇ。

アマリリスは、ほんとびっくりしました。
じーっと時を待っていたみたいで、
ほんと、けなげです。
大事にしなくちゃ。


もも様
ほんと、ちょっとポテッとしてて…あれっ?
このころの柄は、イキイキしてますね。
私も、子供のころ「なでしこ」の絽を
着せてもらった記憶があるんです。
赤や黄色を使っても「涼しげ」って
見せられるんですよね、ほんとは。

アマリリス、富立ちの娘さんの花嫁姿がわりに
楽しませてもらいます。


青め猫様
状態がいいので「帯」にするのは
いいアイデアですね。
そうすれば、ちゃんと柄もまっすぐに使えるし。
着物でハデなのは、作り変えればまた
身につけられる、ステキなことですね。

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う~ん (風の森)
2007-06-14 10:56:43
なぜなんでしょうね、この柄の出方は。
私は洋裁しか知りませんが、洋裁でも 柄が大きいときは「ひと柄~ふた柄分」多目に生地を買って、どの部分にどの柄を配するか、その優先順に型紙を置いていきます。
断ち慣れしてない方の作品?
それとも天真爛漫な楽しさを強調したかったのかしらん・・・。
何か、特別な意味があったのかと想像を巡らせちゃいますね。
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Unknown (とんぼ)
2007-06-14 11:14:12
風の森様
たぶん、ですが、元はちゃんとしていた…、
と思います。これだけの大柄ですから、
余分に丈もあったと思いますし。
それが傷んだところなどとっているうちに
こうしかできなくなったのではないかと…。

昔の柄はこんなふうに、大きなカマ柄が
けっこうあります。それでも訪問着みたいに見えて
実際は小紋と同じですから、
けっこう前とおくみで柄が並んじゃったり、
背中で柄がみごとに逆さまとか、
へんなところに柄が出たりとか…ありますね。
おおらかだったんでしょうねぇ。

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Unknown (ringo)
2007-06-16 00:47:06
呂の着物、いいですね。こんなかわいいの、着てみたいと思いました。
そういえば、最近の夏物の着物は、涼しげでおとなしめのものが多いですね。

銘仙なら、ちょっと派手なのもあるし、
アンティークで手に入れたもので、かなり派手なのも実は、着ています(笑)。
今年も、勇気を出してきることにしましょうか。
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Unknown (とんぼ)
2007-06-16 15:40:47
ringo様
夏は特に着物ばなれで、お店にいっても
浴衣ばっかり…。でも、絽っていいですよね。
みるからに涼しげで…。

昔の意匠は「着物を楽しんでいる」というのが
実によくつたわってきます。
「こうだっていいじゃない」「これだっていいよ」と
決まりごとにとらわれないステキな意匠が多いです。
ハデ、キッチュ、アンニュイ、パワフル、
いいじゃありませんか、どんどん着ましょう!
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