夏に比べて日差しは柔らかく、風はそよそよ…のはずが、今はちと強くなってます。
それもコミで…春ですねぇ。
なので、古い浴衣を解いて、伸子張りとおもったら、まんず解くのに一苦労。
あぁ浴衣ってほんと「くけ」と「まつり」の見本なんですよねぇ。
解いても解いても、まだつながってるしー。ほんとは昨日のオシゴトの予定でしたが、
バタバタしていたので「明日にしよー」と、いつものとおり翌日に回したのがマチガイ…。
この浴衣、嫁入りのときに持たされたものです。地が白いので、夜でも透けそうで、
もっぱらオウチ浴衣で着てたのですが、3年目くらいで箪笥の肥料…。
そのまま今まできましたからねぇ、この際解いて、と思いまして。
ところがですねぇ、いざ張ってみたら「なんでこんなに縮むのん?」。
普通、木綿は縮みますし、そのためたたとえ水を通してあっても、最初は少し長めに仕立てます。
浴衣などはそうでもありませんが…。それにしても、丸洗いとはいえ何度も水を通っています。
何でこんなに、しかも縮むのが丈の方ではなく「幅」がっ…。
木綿や紬は、そんなに伸子を細かく張らなくていいのですが、こうなるとこれはもう「ちりめん並み」。
でもね、たくさん伸子を張ったあと、このながめ、好きなんです。伸子トンネル。
それにしてもこの幅縮み、なんでやね~ん、と思いながらやっていたら、天から母がすーっとおりてきて…ウソです。
でも、母の言ってたことを思い出しました。「これは数のうちの安物やから」。
あのころは、嫁入りには一通りのものは持たせる…というのが、まだ残っていましたし、
母はなにしろ京都のイナカで育ちましたから、箪笥一杯にする…のは当然でした。
ころあい同じで伯母が娘を嫁に出したときの支度も、その目でみていましたからねぇ。
それで浴衣も、白地に紺のものやら、ピンク系の縮みっぽいものやら、いろいろありました。
その中の1枚がコレだったのですが、母が「数合わせ(4枚は縁起が悪いとかのアレ)で入れた」というもの。
琉球柄の絣ですが「染め」です。伸子張りすると、ほんとにさっぱりとします。
浴衣だったとき、薄くて糊をつけても柔らかく、着やすさは一番だったのですが…。
つまり「安いものだから木綿そのものが…」ということです。着物で畳まっているときは気にしませんでしたが、
一枚ずつにしてみれば「なるほど薄い」、普通の安い晒しにだーっと染めました、みたいな?
白地だから透ける…だけでなく、安い木綿で元々薄手だったわけです。
縮むのではなく、横の「目がつんでしまう」のですね。だから幅が縮み、広げれば広がるわけです。
今回は、もう浴衣にはもどさず夏用アッパッパを作ろうかなと思って解いたので、また糊はナシ。
赤いけれど、こんな柄だから、アッパッパでもいけるでしょ、と思っています。
でも透けるということを思い出したので、あらら下は透けたらやだなぁ。そんじゃブラウスとパンツにしますかねぇ。
伸びない素材でアタマからかぶるのは面倒だから…と、現在妄想爆裂中です。
そして今回も…さっさと二枚目をと思ったら、父がきまして…またしてもオシゴトのびのび…。
ま、時間がありますからして、また明日張って、伸子をさしながらデザインを考えましょう。
アッパッパにしたら、解いて洗えませんから、目がつんでしまうことを想定して、
少し大きめに作らないと、ですねぇ。
おまけのお話ですが、以前「昔のヒトは…」というお話で、着物を解くときにでた糸もムダにせず、
それで雑巾を刺す…というお話。
着物を解くとき、まず古いと、糸を残そうとしてもブツブツ切れてしまいます。その場合はあきらめます。
母は、解いて抜いた「絹糸」は、糸巻きに巻いて、半衿付けや、繕いなどに使い、
木綿糸は布巾・雑巾に使った…だったと思います。
元々昔は、絹の着物など着るのは少なかったわけですから、木綿糸が多かったと思います。
木綿糸は古くてもけっこう丈夫ですが、それでも軋みがひどかったり、ブツブツ切れたりしますので、
戦前モノなどの古いものはあきらめます。今回の浴衣は、まだまだ新しい部類ですから、
がんばって長くなるよう解きました。
糸を抜くとき、まずここから抜こうとするところを引き出して、布を左に押して10センチくらいまでゆっくり抜きます。
見えている左は袖の丸みのところです。右側が袖口。
次に縫い目を触っていって引っかかるところ、つまり途中で糸がなくなって、縫いついであるところ、ですね。
そこを探します。もしなければ、最後の縫い止めのところまでつながっていることになります。
あまり長いと、やりにくくなりますから、適当なところで場所を決め糸を切っておきます。
次に抜きはじめのところをから糸を引いてできたギャザーを左へ左へ送ります。
上の場合、最後までつながっていましたので、糸を切らずにそのままギャザーをよせていって、
最後にお尻の止め玉を切って、一気に抜きました。
この「ギャザーをよせる」のは、糸を抜くためではなく、糸を抜きやすくするため。
固定されているところから糸を動かしてやると、糸はするすると動きます。
こうすると長い糸が残せるわけですね。
慣れてくると、けっこう長い糸でも抜けます。この長く抜いた糸で、古タオルを雑巾にしていくわけです。
糸がたくさん取れたので、雑巾縫いあがりました。
雑巾ですからザクザクで、縫いどまりは玉をつくらず一回返し縫するだけ。
糸ギリギリまで使います。1本取りで不安なら、おなじところを二回ずつ縫えば安心です。
浴衣なので、くけやまつりが多くて、糸もたくさん抜けました、ので雑巾1枚出来ました。
まだ糸は残っています。糸巻きに巻いておきましょう。この場合は、古ハガキを折ったもので十分です。
スーパーや100均にいけば、雑巾も売っている時代ですが、手縫いの雑巾を使うと、使いやすさが違います。
私は手が小さいので、頂き物のりーーっぱに厚いタオルが古くなると、半分にカットして二枚作ります。
台布巾にちょうどいいです。
なんでもお金を出せば変える時代、ちまちまとした手仕事は時間の無駄のように思われるのかもしれません。
でも、1本の木綿糸でも、その最初の綿の種を撒いたところから、たくさんのヒトの手になるものだと思うと、
私の手が最後なら、しっかり手間かけてあげなきゃ…と思うのです。
明日はもう一枚の身頃と、残りが張れるといいなぁ…。雑巾用のタオルも出しておかなきゃ…。
生地によって細かく伸子打たなければ波に
なるのでしょうか。
解きながら雑巾を縫われるなんて、さすが
ですね。私は分かっていても実行になかなか
移せません。
数センチ刻みで 糸を切りまくりました
一応 この抜いた糸で雑巾を縫うって話もあったよなぁ・・・
と思いながら
洋裁用生地だと、地直しと汚れ落としを兼ねて水通ししたりしますが、もう洗っておられますので、全体に霧を吹いてビニール袋に入れて数時間おいたらよいと思います。
それにしても、かわいい柄ですね~。
染めだそうですが、拡大した写真でも絣のように見えます。
浴衣とか単衣とか、どこもかしこもくけてありますから解くのは大変そうですね…縫うのも大変ですが。
実家もあのころは、きつい時期でしたから、
一生懸命揃えてくれたのだと思います。
伸子が150本となると、腰痛くなります。
思わぬ「労働」になっちゃいました。
この浴衣の糸は、まだ丈夫だったので、
けっこう抜けましたし使えました。
古いのはきしみますしねぇ。
アドバイス、ありがとうございます。
そうですね、縮ませてからの方がいいですね。
夏に間に合うかどうかが問題ですが…
浴衣や単衣着物は、解くときに深呼吸しないと、
やる気になりませーん。
昔、母に叱られながら、浴衣やじんべい、うそつきなど縫って、
持ってきましたが、あの根気、もうありません。こんなことじゃいかんのですが…。
すみません、書いたのにアップするとき
なんかおかしくなって、コメント消えてしまいました。
順番違ってすみません。
この前の浴衣、解いてますが、糸古くて私も盛大に
細切れしてます。ものによっては仕方ないです。