ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

また大急ぎで~

2007-10-22 22:56:53 | 着物・古布
「菊の花柄」銀糸でやや光があってきれいです。
さてこれは何かと申しますと、お召しの訪問着です。
全体はこんな感じ、


     


ダメージはなさそうなのですが、詳しいチェックはこれからです。
すごくステキなのですが、この手の「お召し」は、ほんっとに「重い」…。
ズッシリ、といった感じです。
以前にもお話しいたしましたが「お召し」は、織りの着物、
つまり、糸を先に染めてそれを織って柄を出す…というもので、
ランクとしては本来「紬」と同じはずなのですが、
糸がちりめんで使う糸を使っていること、元々高貴なヒトがきたことから、
ちょっと違うランクづけで、格の高いものに入ります。
ただし、今はこの手の「お召しの着物」は、ほとんどありません。
あるのは大体「縞柄」とか「無地っぽいもの」で、
ほとんど金糸銀糸などもつかわれていません。
昔のこのタイプの着物は、ほとんどの場合、柄がキラキラと光り、
ずしりと重くて豪華ですが、扱いにくい着物でもあります。
なんたって、布ががんばりすぎちゃって、柔らかさに欠けます。
ちりめんや綸子などの「身に添う」しなやかさがねぇ…。
ただし、現代も全くないわけではなくて訪問着なども作られてはいます。
現代のものはもっと糸が細くてしなやかです、ついでに「お高い」です。

こちらはもう一枚、同じお召しの小紋柄、


     


これがもぉ…まず、色がどう調整しても、ちゃんと出ません。
基本的には「紫系」で、ところどころに見える濃い紫のところ、
実際には、もう少し明るくてハデな紫です。
グレーっぽい菊の部分は銀色、ところどころに見える別の色の菊部分は、
薄茶と赤に近い茶、前身ごろおくみのちょっと黄色っぽいところは「金」です。
お召しですから金だ銀だといっても、地色と重なる見え方なので、
いわばちょっといぶした感じ…なのですが、それにしても「ハデ」…。
こちらは全体に柄が入っているので、なおのこと「布ががんばって」ます。
厚紙を着るとまではいかなくても、妙なハリがあってきづらいです。
それでも、一時期は人気があって、今でも着用可能状態のお召しの着物は
ときどき出てきます。人気がないのは、やはりしなやかな絹のほうが
着易いからでしょうね。

こちらも状態チェックはこれからですが、さてどうしたものか…。
赤いほうは、とてもきれいな色柄ですので、
できれば「着物」として、きられるといいなぁと思っています。
紫のほうは、これだけシャッキリしているなら、いっそ帯のほうが、
とてもアンティークらしくていいかなぁ、とか…。
またまた広げてみたり、身にまとってみたりして、
楽しーく?悩んでいます。
今日は、いつもいく呉服屋さんの大奥さんが何年ぶりかで、
ウチへいらしたり(いつも私がお店にいっているので)
友人に送る「本」の箱詰めをしたりしていたら、
時間がなくなりました。お天気は明日も洗濯OKのようですし、
ちょっと久しぶりに「伸子張り」したいものもあるし、
またいつものように、デブった体でかろうじてホバーリングしながら飛んでます。

書きたいことはいっぱいあるのにー、時間がぁ…じゃなくて、
要するに「休憩」が長くて回数多いのよ、アンタは…しゅみましぇん。
では、本日これにて…、あっお風呂沸かしてないっ!



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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (陽花)
2007-10-22 23:27:49
お召しの訪問着、素敵です~
多少の重さは我慢してぜひぜひお若い方に
着てもらいたいものですね。
返信する
Unknown (麻の葉)
2007-10-23 01:24:46
お召し、ってよく聞きますし、以前のとんぼ様のブログでも詳しく説明して下さっていましたが、どんな生地なのかどうもよく分からないのです。
やはり少ないということで、あまり目にすることができないということなのですね。。。

それにしても、赤い訪問着、とっても素敵です。
返信する
Unknown (とんぼ)
2007-10-23 02:04:24
陽花様
私が着るにはちと「赤い」!
裏はちとひどい(黄変とか)ので、
仕立て直しになりますが、これは着てほしいですね。
こちらのほうが紫よりは、柄の少ない分軽いです。
でも持つとズシリときますけどね。
もうなかなかみられませんから、ぜひ着用で!


麻の葉様
古着屋さんでも、たんすやさんみたいな
比較的新しい古着を扱うところでは、
数でないとおもいます。
昔ながらの「古着屋」さん、ですかね。
お召しの見分け方は、つむぎと同じで、
「柄が織りででていること」です。
ざらっとした手触りで、綸子などに比べて
固さと厚みを感じます。
帯だと「織りの柄の帯」「染めの柄の帯」って
すぐにわかるでしょう?あれと同じですよ。
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Unknown (とんぼ様)
2007-10-23 19:08:10
再び・・・

もしや、クッションカバーのような、かばんの生地の様な、織り柄には金や銀の糸が使われていることが多いような、ああいう(どういう?ダ?)生地のことでしょうか。なんとなく、もしかしたらアレのこと?、、と思い当たる気が。。
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Unknown (麻の葉)
2007-10-23 19:09:05
すみません、↑のコメントは麻の葉です。
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Unknown (とんぼ)
2007-10-23 19:14:21
麻の葉様
今日、もう少しくわしいこと書きました。
説明不足だったんですが、記事のようなお召しは
「縫い取りお召し」といいます。
おっしゃるとおりクッションカバーみたいな、
ゴブラン織りみたいな…なんですが、
お召し、という範疇で言うなら、
「縦糸に強撚糸を使っている先染め織物」です。
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