1月17日は、阪神大震災の追悼式、テレビでもその様子を放映していました。
はやいものですね。でも、忘れてはいけないことだと思います。
当日書けばいいものを・・何かとズリこける私ですが、お許し下さい。
これは「防災用品」です。「さらしの背負い帯」、つまり「おぶいひも」です。
息子が養護学校6年生の春、いよいよ修学旅行ということで、
説明会がありました。行く先は「ディズニーランド」、お泊りは
なんと「しぇらとん・ほてるっ!」でしたっ!
シェラトン・ホテルは、ご存知のように高層ビルです。
そこで、各自これを作って当日の荷物に必ず入れてください、といわれたのです。
つまり、何かあったらこれでおぶって逃げる・・というわけです。
養護学校にもいろいろありますが、息子の通っていたところは「肢体不自由校」で
当時90名ほどの生徒の中で、自力でなんとか歩ける子供は
数名しかいませんでした。後は全員が車イスです。
ひとつのクラスの人数は少ないのですが、そういう状況ですから引率の先生も、
一人に一人かそれ以上・・になります。とはいうものの、万が一の時、
エレベーターは使えない、抱きかかえて逃げるのも危ない・・、
そこで「おぶいひも」が活躍するというわけです。
障害のある子供は、平均的に実年齢より小さい子が多いのですが、
それでもあかちゃんとは違いますから「ベビー用」は使えません。
そこで、学校が考えたのが「さらしのおぶいひも」だったわけです。
これ、実は大人にも使えます。とてもいいものだと思ったので、
あちこちで話しているんですが・・。
作り方はカンタンです。普通のさらしを一反用意して、これを半分の長さに
折ります。両端と「みみ」の部分をぐし縫い(ミシンでも)で縫いあわせます。
下の写真は両端の部分です。つまり「二枚かさね」の長~いさらしになります。
ウチにあるのは4m50cmです。
次の写真は、その長~いさらしの更に半分のところに縫い付けた「しるし」です。
つまり、このおぶいひもの真ん中はここですよ、というしるし。
何か縫い付けるのでなくとも、マジックで丸印や名前・・でもいいのです。
とにかく「ここが真ん中」とはっきりわかるようなしるしをつけます。
緊急のとき、この「しるし」のところを、相手の背中に当てれば、
必ず左右の紐の長さが同じになります。そのためのしるしなんです。
私は袋に入れるとき、この「しるし」が一番上にでるように折りたたんで
いれています。(一番最初の写真です)
さらしは巾がありますから、背負った時、胸で布をひろげると、
背負うほうもラクです。昔いましたね、赤ちゃんをおぶっている、
大きな胸のおかあさんが、さらしをひろげてバストを包むようにして・・。
いざというときは、そんなことかまっていられないでしょうけれど、
逃げながらでも、外へ出てからでも、さらしを広げることで、
背負われているほうのお尻を包んであげることもできます。
ただの紐でおぶるより、お互いにラク・・ということですね。
この説明を聞いた時、これはいいと思い、それ以来いつも、
枕のすぐ横においてあります。障害者でなくても、たとえば
病気で寝ているとか、足腰が弱いとか、そういう家族のいる場合にも使えます。
それと友人は、子供が小さい時、一人は手をひいて一人はこれ・・と
用意してました。大震災のときなどは、とりあえず外に逃げても
そこからまた「避難所」まで行ったりしなければなりません。
うちも車イスはあっても、それで逃げて道がガレキでうまっていたら
立ち往生ですから。
これを用意するときは、まずその人の身体に長さがたりるか見てください。
中には体の大きいかたもいますから・・。
それと、シミュレーションをすること。ベッドで寝ている人の場合は
ベッドにすわってもらえば背負いやすいのですが、ふとんで寝ている人は、
おぶってから立ち上がるのがきついですから、一度イスにすわらせるとか
日ごろから考えておくといいですね。
というわけで、防災の日でも追悼式でもないハズれの日に、
間の抜けた防災用品の話しでした。
さらしはおぶい紐にもなるという事で常備していたはず。
何にでも応用が利いて重宝だからと、三角巾と共に救急袋に入れていたけれど、
引っ越して来てその救急袋どこにあるのだろう。
”備えよ常に”が 私のモットーだったはずなのに
空の彼方に消えちゃった。
早速 今度の休みにチェックしよう。
思い出させてくれて 有難う!
「備えよ常に」・・そうなんですよね。それがなかなか・・。一応水とか買ってありますが、ハテ「乾パン」の賞味期限は何年だったか・・。あのケータイの充電器というのは必要だわなぁ、やっぱり・・。
実は阪神大震災のとき、京都の親戚と全然連絡がとれなくてヤキモキしていたら、当時まだ少なかったケータイを隣の家で借りて、いとこが連絡してきてくれたんです。やっぱり充電器買っておこうと思います。
晒しでしたら木綿しまるのには都合がいいのですが、しわになってしまえばもどすのが大変、モスを大幅のまま、つまり76CMのまま、端は縫ってあればベターですが、縫ってなくても構いません。しわになりません、モスの白、いらなくなれば何にでも使えます。大幅のままゆったり包み込めます。晒しより負ぶったほうがいたくありません。ゆるんでくることもありません。
昔本モス、大幅一丈5寸が普通でしたが、一丈一尺あれば大人にもいけるはず、
背中にまわして、前で両側を一緒にたばね、片側にひょいと負ぶっていました。
これにママコート、その前には綿をいれた亀の甲というものを着ました。密着して暖かい、危なくない、今でも持ってます。
実はほとんど使わなかったのですが。
防災用ではないけれど、昔のもの、理屈にかなっております。
亀甲・・懐かしいですね。銘仙のねんねこ、オークションで「大きめ半てんです」なんて出てると、ママコートで育った人にはわからないだろうなぁと・・。私の子供の頃は、まだまださらしやモスで子供を背負っている人がたくさんいました。どれをとっても、用がなくなったら「リサイクル」できるものばかりです。考えて暮らしてましたよね。
これは防災用ですので、安いさらしで十分だと思います。虫食いもありませんしね。