放送されているのを知らず、深夜の再放送を見たらおもしろかった…ははは。
NHKの「境界調査バラエティ 日本のワケメ」という番組です。
写真はそのHPからの切り抜き、NHKさん、お借りしてまーす。
ふだん気にしていないことなのに、改めて言われると「へぇぇ」と思うようなことです。
今回の再放送では
「シチューをごはんにかけるか、かけないか」
「バスマットを使う前に、足を拭くか、拭かないか」
「おにぎり、おむすび」普段の言い方はどっち?
でした。あなたはどっち?
番組は、ただ人数的な分け目、つまり多い少ないを調べるのではなく、
専門家の意見を聞いたりインタビューしたりなどで、なぜなのかを「検証」するわけです。
例えば…シチュー(クリームシチューです)を、カレーの時のようにお皿に盛ったご飯にかけて食べる…。
結論から言うと、これは「シチュー」の味ととろみの問題、だそうで、「かける派」は、北の方、つまり東北の人が多く、
あちらはどうしても味が濃くなる、またとろみも強い…というわけで、ご飯にかけて食べてもおいしく感じるのだとか。
かけない、というのは西とか関東の人、塩味が薄めでとろみも薄く、さらっとしているわけです。
スープ料理として食べるんですね。
と、こんな具合にいろいろ「分け目」、ほんとは「分かれ目」なんでしょうけれど、それを決める番組です。
そして、私がちょっと気になったのが「おにぎり」か「おむすび」か…。
はて、私はなんて言ってるだろ…おにぎりのほうが多いかな…おむすびは母が使ってたな…、
と、そういう結果です。でもほんとは「おむすび」だと思っています。
これも検証で、まずおむすびもおにぎりもおなじもの、昔話だと「おにぎりころりん」ではなく「おむすびころりん」
でも「にぎり飯」とも言うよね…あららほんとだ…。
で、これはある先生が「世にコンビニというものができ、そこで売り出すときに『おにぎり』として売ったので、
それ以後、コンビニを多く利用する若者中心に「おにぎり」が多く使われるようなったと思われる」…なるほど。
あらら、と思っていて、母のことをまたまた思い出しました。母は私が子供のころは「おむすび」、
晩年は「おにぎり」とも言ってました。たぶん、世の中の波に乗っていたのでしょう。
かつてその母と、おにぎり、おむすびどっちだ…と言う話をしたことがあったのを思い出したわけです。
それは私が幼児のころ、グズってごはんを食べないとき、お寿司より小さいご飯のかたまりに、
海苔の佃煮などをつけて出すと、「おむしゅびー」と言って、喜んで食べたのだ、という話からでした。
その話から母が「おまえは『おむしゅび』て言うてたけど、あれはおにぎり」というので、どう違う…となったのですが、
母は明快に「むすびというのは両手使って、手ぇを結んでごはんをむすぶんや。そやからおむすび。
『にぎり』はなぁ、片手でできるやんか。だからお寿司は『にぎり』て言うやろ。片手でひょいとごはんつまんで
ちょっちょっとにぎってネタのせたはるやんか」でした。
そんなわけで、私は言いやすい「おにぎり」だけど、ほんとはおむすびのほうがいいと思ってる…でした。
実は、番組の中の検証で、100歳のおばぁちゃまにきいたところ「おむすび」で、
「日本人は結ぶというのが好きなのだ。縁結びとか帯結びとか…」とお答えになりました。それなんですよ。
以前、日本の「結び」とか「包み」の文化のお話しを書きました。
日本人にとって「結ぶ」ということは、深い意味を持つものであり、時に神聖なものでもある…ということ。
結ぶということは「物と物」だけでなく「神と人」「人と人」、仏教が入ってきてからは「仏と人」というように、
縁を結ぶことがとても重要なことでした。結婚も、ただ若い男女が夫婦になるだけでなく、
そのことによって、家族もまた昨日までの赤の他人同士が、義理とはいえ「親子、兄弟、親族」として、
結ばれるということで、それはとりもなおさず「子孫繁栄」につながり、家が栄え続けるということでしたから。
仏教では、仏様の救いをいただく「結縁(けちえん)」という言葉があります。
物の結びで言うなら「水引の結び方」「地位や立場によっての、飾り紐などの結び方」「帯や帯締めの結び方」…
いろいろな意味もあれば、礼儀にも通じていたりします。
「おむすぴ」は、両手を結ぶ形で、ごはんをそっと包み、「米粒どうしをくっけて結ぶ」ことによって、
ご飯がほどよい方さにまとまったもの、だと解釈している私です。
さて、皆さまはどちらでしょう。
次回放送は21日火曜日、夜8時15分から、テーマは
「菊の花、食べる?食べない?」「あなたの家のたまご焼き 甘い?甘くない?」
「海と川のワケメ ~奇跡の絶景~」だそうですよ。
いたので私もおにぎりと言っています。
最近おにぎらずという言葉もありますが、そんな
言葉を使う方達はおにぎり派なんでしょうか?
自分の周りでは当たり前のことが少し離れると全く
違っているなんて面白いものですね~
そうなんです。当たり前だと思っていたこと、
なんとなく「あれっ?」とか「へぇ」とか思っていたことも、
さして気にしていなかったのに、
改めて言われると面白いものですね。
「おにぎらず」はやってますね。
これは「おむすばず」とはいえないですもんねぇ。
おむすび…のほうが、なんとなく「母のおむすび」を
思い出すんです。ふわっとしてて厚みのある三角でした。
シチュー、私は、いつも「かけない派」なんですが、
味は結構濃いし、とろみもあるので、
残りごはんにかけたりはするんです。
おいしいですよね。
ほんとに、ところかわれば…で面白いものですね。