ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

分け目…

2018-08-19 23:50:34 | つれづれ

 

放送されているのを知らず、深夜の再放送を見たらおもしろかった…ははは。

NHKの「境界調査バラエティ 日本のワケメ」という番組です。

写真はそのHPからの切り抜き、NHKさん、お借りしてまーす。

 

ふだん気にしていないことなのに、改めて言われると「へぇぇ」と思うようなことです。

今回の再放送では

「シチューをごはんにかけるか、かけないか」

「バスマットを使う前に、足を拭くか、拭かないか」

「おにぎり、おむすび」普段の言い方はどっち?

でした。あなたはどっち?

 

番組は、ただ人数的な分け目、つまり多い少ないを調べるのではなく、

専門家の意見を聞いたりインタビューしたりなどで、なぜなのかを「検証」するわけです。

例えば…シチュー(クリームシチューです)を、カレーの時のようにお皿に盛ったご飯にかけて食べる…。

結論から言うと、これは「シチュー」の味ととろみの問題、だそうで、「かける派」は、北の方、つまり東北の人が多く、

あちらはどうしても味が濃くなる、またとろみも強い…というわけで、ご飯にかけて食べてもおいしく感じるのだとか。

かけない、というのは西とか関東の人、塩味が薄めでとろみも薄く、さらっとしているわけです。

スープ料理として食べるんですね。

 

と、こんな具合にいろいろ「分け目」、ほんとは「分かれ目」なんでしょうけれど、それを決める番組です。

そして、私がちょっと気になったのが「おにぎり」か「おむすび」か…。

はて、私はなんて言ってるだろ…おにぎりのほうが多いかな…おむすびは母が使ってたな…、

と、そういう結果です。でもほんとは「おむすび」だと思っています。

これも検証で、まずおむすびもおにぎりもおなじもの、昔話だと「おにぎりころりん」ではなく「おむすびころりん」

でも「にぎり飯」とも言うよね…あららほんとだ…。

で、これはある先生が「世にコンビニというものができ、そこで売り出すときに『おにぎり』として売ったので、

それ以後、コンビニを多く利用する若者中心に「おにぎり」が多く使われるようなったと思われる」…なるほど。

あらら、と思っていて、母のことをまたまた思い出しました。母は私が子供のころは「おむすび」、

晩年は「おにぎり」とも言ってました。たぶん、世の中の波に乗っていたのでしょう。

かつてその母と、おにぎり、おむすびどっちだ…と言う話をしたことがあったのを思い出したわけです。

それは私が幼児のころ、グズってごはんを食べないとき、お寿司より小さいご飯のかたまりに、

海苔の佃煮などをつけて出すと、「おむしゅびー」と言って、喜んで食べたのだ、という話からでした。

その話から母が「おまえは『おむしゅび』て言うてたけど、あれはおにぎり」というので、どう違う…となったのですが、

母は明快に「むすびというのは両手使って、手ぇを結んでごはんをむすぶんや。そやからおむすび。

『にぎり』はなぁ、片手でできるやんか。だからお寿司は『にぎり』て言うやろ。片手でひょいとごはんつまんで

ちょっちょっとにぎってネタのせたはるやんか」でした。

そんなわけで、私は言いやすい「おにぎり」だけど、ほんとはおむすびのほうがいいと思ってる…でした。

 

実は、番組の中の検証で、100歳のおばぁちゃまにきいたところ「おむすび」で、

「日本人は結ぶというのが好きなのだ。縁結びとか帯結びとか…」とお答えになりました。それなんですよ。

以前、日本の「結び」とか「包み」の文化のお話しを書きました。

日本人にとって「結ぶ」ということは、深い意味を持つものであり、時に神聖なものでもある…ということ。

結ぶということは「物と物」だけでなく「神と人」「人と人」、仏教が入ってきてからは「仏と人」というように、

縁を結ぶことがとても重要なことでした。結婚も、ただ若い男女が夫婦になるだけでなく、

そのことによって、家族もまた昨日までの赤の他人同士が、義理とはいえ「親子、兄弟、親族」として、

結ばれるということで、それはとりもなおさず「子孫繁栄」につながり、家が栄え続けるということでしたから。

仏教では、仏様の救いをいただく「結縁(けちえん)」という言葉があります。

物の結びで言うなら「水引の結び方」「地位や立場によっての、飾り紐などの結び方」「帯や帯締めの結び方」…

いろいろな意味もあれば、礼儀にも通じていたりします。

「おむすぴ」は、両手を結ぶ形で、ごはんをそっと包み、「米粒どうしをくっけて結ぶ」ことによって、

ご飯がほどよい方さにまとまったもの、だと解釈している私です。

さて、皆さまはどちらでしょう。

 

次回放送は21日火曜日、夜8時15分から、テーマは

「菊の花、食べる?食べない?」「あなたの家のたまご焼き 甘い?甘くない?」

「海と川のワケメ ~奇跡の絶景~」だそうですよ。


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4 コメント

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Unknown (陽花)
2018-08-20 17:29:37
深く考えた事はありませんが母がおにぎりと言って
いたので私もおにぎりと言っています。
最近おにぎらずという言葉もありますが、そんな
言葉を使う方達はおにぎり派なんでしょうか?
自分の周りでは当たり前のことが少し離れると全く
違っているなんて面白いものですね~
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こんばんは。 (あけ)
2018-08-20 17:35:05
徳島県出身の、両親も、私も、おにぎりです。おむすび、良いですね。人と人を結ぶなんて…新婚生活の時、シチューを作ると、旦那さんに、シチューは、おかずにならんと、よく言われました。私は、ご飯に、かける派なんですけど。所かわれば、いろんな違い、面白いですね。
返信する
Unknown (とんぼ)
2018-08-21 00:50:58
陽花様

そうなんです。当たり前だと思っていたこと、
なんとなく「あれっ?」とか「へぇ」とか思っていたことも、
さして気にしていなかったのに、
改めて言われると面白いものですね。
「おにぎらず」はやってますね。
これは「おむすばず」とはいえないですもんねぇ。
返信する
Unknown (とんぼ)
2018-08-21 00:54:11
あけ様

おむすび…のほうが、なんとなく「母のおむすび」を
思い出すんです。ふわっとしてて厚みのある三角でした。
シチュー、私は、いつも「かけない派」なんですが、
味は結構濃いし、とろみもあるので、
残りごはんにかけたりはするんです。
おいしいですよね。
ほんとに、ところかわれば…で面白いものですね。
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