ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

着物のバッグ

2008-11-02 13:59:41 | 着物・古布
よそ様のブログでおぉこれこれ、ずっと気になっていたんだわ~と、
話題を提供していただいて…(勝手に使ってるとも言う…)。

写真は、お手製のボストン、これで京都へ行っておりましたが、
さすがに角が擦り切れまして、ただいま冬眠中です。
大きさわかりづらいですが、丸くはめ込んだ古布ちりめんが、
直径10センチくらいでしょうか。


着物でバッグを持つとき「迷うのよねぇ」「ないのよねぇ」
ではないかなーとおもいます。
元々着物で暮らしていた昔、バッグや手提げというような
「ものを入れて持つもの」はそんなにありませんでした。
「提げて持つ」ということが発達しなかったのですね。
バッグは、着物1000年の歴史のなかでは、まだまだ新しいアイテム、
というわけです。大いに悩んでみましょう。

何でもそうなんですが、そもそも今の暮らしと単純比較できないわけで、
江戸の昔は「おでかけ」からして、今の私たちのように目的が数ありません。
おまけに着物って収納場所だらけ…帯の間、懐、袂…。
そんな中では、コンパクトに運ぶとか、着物というスタイルで便利な物入れとして
たとえば女性なら「はこせこ」、男性ならタバコ入れ、印籠など、
懐に挟んだり腰にさげたり…そういう形での「ものいれ」文化が育ったわけです。
それに「ふろしき」という世界に誇る「万能バッグ」がありましたから、
一枚あれば、日常の荷物はなんとでもなったわけで…。
浮世絵なんかには、ゆったりめの衿元から大き目の「懐紙」がのぞいてたりする、
う~ん色っぽい、今やったら、きっちりつめた衿元に、
街角でもらったポケットてっいしゅがチラリとのぞき…
よく見ると「ナントカローン」なんてかいてあったりする…あーダメダメッ!
今の時代、着物バッグは必需品です。

さてまた例によって、お話しが遠回りになりましたが、
そんなわけで、着物にバッグは歴史が浅いのです。
だからこそ、着物の新しいアイテムとして、ただいま試行錯誤の真っ最中、
というところでしょうか。それだけ楽しみもあるってことで…。

実は私も着物のバッグには悩まされています。
だいたいバッグを買う場合、貴方は何にポイントを置きますか?
私は機能性第一でして、バッグの横幅とマチの大きさ、内ポケットの位置と数。
横幅が1センチたりないだけで、いつもどおりにものが入りません。
まず「中の構造とサイズ」、それから色だとか外側のデザインだとか素材だとか。
ここから始まるわけですが、ここに「着物で持つ」となると、悩みますね。
更にお仕事で、大きなもの(ノートとかノーパとか)を持つかたは、
結局見せバッグと実用バッグになっちゃいますねぇ。
本当は着物に大型バッグは似合うものではないのですが、
今の時代、そんなことも言ってられません。
まずは、どんなときにどんな使い方のバッグか…そこからですね。

売る側は一応「和装バッグ」とか「兼用」とか、書いてくれますが、
どっちつかずになるものがあります。
着物で持つと洋モノっぽく見え、洋服で持つと和モノっぽく見えてしまう。
どんなのが?といわれても困るのです。あくまでそれぞれの見方ですから。
たとえば言葉で表すなら「洋バッグですが着物で持っても違和感ありません」、
とでも言ったらいいのでしょうか、そういうものがいいわけですが、
これはもう個人の主観もあり、好みもあり「持ってみなきゃわからん」です。
説明すらも、難しいです。感覚的なものですからね。
とりあえず私の手持ちのバッグをご覧いただきましょう。
貴方のお好みではないかもしれませんが、使い勝手のいいものです。
ただし決して「こういうのがいいですよ」ではありません。
こんなの使ってます、貴方の目的にはあうでしょうか、といったところです。
第一「年齢的」にいってお若いかたのお役にはたてませんねぇ。
とりあえずは、大きさとかイメージということで…。
せめてお福ちゃんに持ってもらいましょう。
と言っても、縛りつけ?です。大きさの感じだけですので、
着物の色柄等はご勘弁ください。

まぁ私が着物を着ることは、今は少ないのでだいたいが「旅」のとき、
なもので、面倒でもごっそり入るこちら。
これは「印伝」です。はっきりいって「キヨブタ」価格です。
ラップでくるんで歩こうかと思いつつ使ってます。
ただし、さすがに「鎧兜」に使われた技術ですね、なんたって丈夫です。
色がわかりづらいですが、実物は「こげ茶に黒の唐草柄」です。


 

 
こちらは頂き物、実はこれ、けっこう重宝なんです。
中は皮ですが、外側は化学繊維、雨でも大丈夫。
ちょっと光線の具合で輝くのですが、ビーズやスパンコールのような
輝きではないので、紬程度でも持っています。
収納もたっぷりで、B5サイズならノートが横に入ります。





これを下さった方、いつも着物でおでかけの60代で、使い勝手がよかったけど、
最近は物を多く持たなくなったから、とくださったもの。
私はブランドものというのが関心なくて、使い始めて2年ほど経って、
持ち手の小さなロゴをルーペで見たら「ヒロコ・コシノ」でした。

こちらは布製、よくある和装バッグですね。
この手はちょいとそこまで、のお出かけには便利です。
ただ、柄がありますから、柄on柄の着物には、気をつけないと、
バッグが浮きます。満艦飾にならないように色柄の選択に気をつけて。
それと、毎日持ち歩くという使い方をする方は、布製の場合は、
角やへりに皮で補強があるとか、布は真ん中にはめこんであるだけ、とか、
そういうものにしませんと、真ん中傷んでないのに、角だけ擦り切れます。





こうしてみると、やはりある程度の大きさはないと役に立ちません。
ただ、一番下のバッグは、ちょっとデパートにお買い物程度なら十分足ります。
着物のでちょっとお出かけ、ということの多い方は、
皮であれ布であれ、見かけこのくらいでマチ幅のあるものがいいですね。

母がバッグ好きで、嫁入りに和装バッグをふたつほど持たせてくれましたが、
実は母は「見た目から決めるヒト」でして、少々機能が悪かろうと、
開け閉めがいらだつほど面倒であろうと、色柄形、で決めるのが好き…。
私にとっては「役に立たない」「使い勝手が悪い」でして、
結局一度も使わないまま、今もタンスの中です。
「着物にはこぶりがいい」なんて言っても、やっぱり小さいとねぇです。

それでも旅先でホテルに荷物を置いてでかけるとき、
最低限のものだけポシェットに入れて肩からかけることがあります。
まぁ私の場合は着物といっても「かるさんもんぺ」なので、
全く気になりませんが、着物でポシェットもかわいいと思います。
あっ、私がじゃなくって、ですよ!
着物に普通のショルダーだと、着物が傷むしお勧めではありませんが、
ポシェット程度だと便利です。できるだけ軽いもの、
中もサイフとハンカチ程度にしたほうが…。
とくに羽織を着ているときは、その下に提げると防犯にもなります。
ただし紐は柔らかい素材(私は布製)にしないと、肩のテッペンなど
きゅっきゅっとこすれたりしますから、気をつけてください。

着物が傷むって洋服だってそうじゃない、と思われるかもしれませんが、
「メンテ」のことを考えるわけです。
洋服は、よほどブランドとかオーダーでなければ、
価格的に着物一枚買うより安いです。汚れたら自宅で洗う、クリーニングに出す、
傷んだら買いなおす…、私たちはそれを普通にやっていますが、
着物はそうはいきません。物によっては家で洗えない、クリーニングも、
洋服より高い、そしてなにより「何度も、解いてあらって仕立て直す、が基本」
という着物ですが、今ほとんどのヒトが自分でそれをすることができません。
だから洋服よりメンテに手間もお金もかかるのです。
たとえ古着で安かったといっても、それは古着として買ったからで、
同じものを当たり前の価格で買ったら、スーツ何着分の価格であったりします。
買ったとき安かった、ではなく、元々の価値を考えて、
大事に長く、着ていただきたいと思うのです。
そのために「傷ませないように」と思うわけなんです。

結局なんの参考にもならなかったでしょうか、申し訳ありません。
私は若いころは着物にも「かわったバッグ」をよく持ってました。
何一つ残ってないのが残念なのですが、お金がありませんでしたから、
ナイロンだのポリだのビニールだのもおおいにあり。
どこかに和を感じさせるもの、例えば丸窓のような形に柄が入っていたり、
持ち手が籐や竹だったり、そんなことを心がけていました。
「普段、着物で持って違和感がない」というのは、逆に言えば、
洋風の香りの少ないもの、です。例えば金具など光るものが
たくさん使われているもの、フォルムとしてシャープなものなど。

年をとると「冒険」する範囲が限られてきます。
バッグなどの小物は若いうちにたくさん遊んでください。
大きなビニールの花がついていたり、かわいいチェックだったり。
私はとてもいいと思います。持ってみたかったー!

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8 コメント

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洋物バッグ (りら)
2008-11-02 14:18:55
専門です。
着物周りのものでこちらで買えるものってバッグしかありませんので、どうも勢いついちゃってるような気が・・・
カチッとした昔風(50年代風?)のハンドバッグを着物に持つのが好きです。
大きさの割りに容量無くて、セカンドバッグを持つことになっちゃうんですけど・・・
逆に新しい物はこちらでも和柄の物などが出ているのですが、ハンドルが長過ぎるんです。
頂き物の布製の物は自分で直したりしています。
大抵付き方が斜めになったり、付ける位置がちょっとだけズレたりしちゃうんですけど・・・・ああ、トコトン駄目な女・・・・
返信する
Unknown (とんぼ)
2008-11-02 14:49:40
りら様
いつもステキなバッグをお持ちです。
洋物だとはっきりしていても、
持ってふんいきよければいいと思います。
ただ日本の普通のバッグって、
なかなかないんですよ。
バッグにアンティークがあるのは
そちらですから、もっと入ってくればいいのに
と思うんですけどねぇ。
また日本人は、その感覚で和にあう形が
なかなか作れない…やはり積み重ねたもの、
ですかねぇ。
返信する
バッグ大好き。 (武者子)
2008-11-02 17:18:19
バッグフェチな私ですが、どちらかというとお母さまに近く、見た目重視しちゃいます。
で、結果的に物が入りきらなかったりして、不便だったりするんですが。(汗)

着物バッグはずいぶん増えちゃいましたが、洋装バッグを着物で持つ時もあれば、和装バッグをジーンズに合わせる時もあります。

バッグ、そろそろ整理しないとなぁ、、、。
返信する
Unknown (陽花)
2008-11-02 19:51:46
一番上のボストンは以前京都で見せて頂いた
ものですよね。
素敵なボストンバッグをご自分でお作りになられる事じたいすごいなぁと思っていました。

着物のバッグは、私は使い勝手重視です。
バッグの中にも外にもポケットの沢山付いているのを選んでいます。
その上、和洋どちらも使えるもの、と欲張りなんです。
返信する
Unknown (とんぼ)
2008-11-03 02:49:13
武者子様
私も、かつて「ものはいらないだろーなー」
と思いつつ買ったものがあります。
ほんとに入らなかった…。
年とるにしたがって、益々実用重視です。
着物は別に着物バッグってしなくても、
いいと思うんですよ。
その姿にあっていればいい…ですよね。


陽花様
あのボストンは角がボロリンになりました。

やっぱり使い勝手ですよね。
ポケットはあればあるだけなんぼでも?!
バサマなんて面倒くさい金具でもなんでも
とにかく平気で使うんです。
オシャレのためなら、ですかねぇ。
だから、バサマにもらったバッグは、
たいがいしまいっぱなしなんですよ。
返信する
ありがとうございます! (てまりばな)
2008-11-03 10:36:18
とんぼさん、ありがとうございます。
私の疑問に答えていただいて!(笑)

とんぼさんのバックを拝見しながら
どれも実用的でいいなと思いました。
私は印伝をひとつ母に買ってもらいましたが
小さくて何も入りません(涙)。
しかもとんぼ柄で、赤。
紬以外に合わせにくくて。
ラップ巻きたくなるキヨブタ価格(笑)の印伝バック、すてきです!
何にでも合うし、どこにでも持って行けますね。

私の年代は年齢的な難しさもあるかもしれません。
安っぽいのはNGだけど
あまり和装すぎるとつまらないし、老けて見えてしまう。
でも洋服の時には持たないような
冒険を心がけてみようと思います!
目からウロコでした!!
返信する
3番目の (茶ノ葉)
2008-11-03 12:45:58
柄はぜんぜん違いますが、3番目の形のバッグをいつも愛用しています。
A4の雑誌がギリギリはいる大きさのベージュの合皮製で、お買い物などにとても重宝です。ポイポイ何でもつっこみ過ぎて、丸々として不恰好になってしまうのが難点ですが。
それは自分がアバウト過ぎるせいですね。

お出かけには本や雑誌が必須なので、和装用だと小さすぎるのですよねえ。
お洒落なバッグも欲しいなあと思いつつ、つい実用に走ってしまいます・・・。
返信する
Unknown (とんぼ)
2008-11-04 15:26:04
てまりばな様
いえいえ、たいしたお答えにならなくて…。
小さいバッグは、ほんっとに
「かっこばっかし」…ですねぇ。
結局、ある程度の大きさは、
どうしても必要ですよね。
いろいろ探してみてください。
ちなみにキヨブタ価格のお店です。

http://www.k-komaki.com/inden1.htm



茶の葉様
本サイズが入るというのはありがたいですね。
私もちょっとシャレた小ぶりのものを見ると
あーいいなぁと思うのですが、
ほかに手提げがひとつふたつ…と思うと、
やーめた、になります。
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