ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

今夜は・・・

2006-07-07 22:51:23 | 着物・古布

七夕ですね。残念ながら今夜は「お空のデート」はムリなようです。
今日は遅くなってしまったので大急ぎで、お話をひとつだけ・・。

写真は「七夕の飾り」、和紙で折った「着物」です。
少し前までは、毎年笹飾りを作っていまして、
これはいつもはデパートの包装紙なんかでいくつも作ってぶらさげてました。
では七夕について・・・。

七夕は五節句のうちのひとつ「七夕の節句」、今は毎年梅雨の終わりで
雨の心配ばかりする時期ですが、昔は実際にはあと一ヶ月くらいあとでしたから
そのころはデートの確立たかかったわけですね。
日本のお節句と言うのは、中国から入ってきたものが形を変えたり、
伝来のものに日本のしきたりがまじったりして、いろいろ形を変えています。
七夕も、元をただせば、中国の「乞巧奠(きつこうでん)」という
女性の手工芸の腕が上がりますようにという祈願をするお祭り、
それといわゆる「牽牛と織女」の物語、これも元は中国、
そして日本古来の「棚機つ女」の行事。
棚機つ女と言うのは、かつて先祖の霊を迎える、いわば「盆」の行事には
死者のための着物を織り、それを棚に載せて迎える・・という風習があり、
それを織る女性のことです。「つ」は「の」の意味。
またその着物を織るための機を棚機と呼んだとか諸説あります。
これらが融合したもの・・と考えられています。

長い年月を過ごすうちに、いろいろからみあったわけですが、
元々「機織」と言うシゴトで、神社で使われる衣装や幔幕など、
神事に使われるものを織る女性は、当時のエリートキャリアウーマンだったわけで
そういう人にあやかる・・と言う意味で「機織がうまくなりますように」など
短冊に書いてぶらさげたわけですね。江戸に入って寺子屋が普及すると、
「手仕事」だけでなく「字がうまくなりますように」など
学業に関わることもかかれるようになったわけです。
また、そういう生活環境から、町と農村では七夕の行事の内容も
さまざま違ったりしたようです。
一方では、七夕に先祖の霊を向かえる・・というほうの行事は
「盂蘭盆会」に吸収合併じゃありませんが、要するに先祖迎えの行事と
中国伝来の仏教とがまたまじりあって、そういう行事のほうに移行した・・
「織物をささげる」というのが、供物をささげるとか迎え火を焚くとか、
そういうことにかわっていったんでしょうね。

節句の行事は、だいたいどれも、まずは宮中行事から始まり、
年月を経て庶民に伝わり、その間にさまざま形態を変えていったものが多いです。
お中元なども、元はといえば貴族同士の儀礼ですし、七五三なども、
宮中の「髪置の儀」だの「袴儀」だののお祝い事が、庶民につたわったものです。

さて、七夕の飾り、昔は終わると川に流したものですが、
今は流す川がないし、あっても「ゴミ・環境問題」で流せません。
結局、ゴミとして捨てるしかありません。なんかさみしいですね。
今年ももう笹飾りは作りませんでしたが、この着物だけは、
しおりにでも使おうと思います。

本日はショートショートで失礼します。

ひとつお知らせでーす。当ブログにいつも来てくださる「陽花 様」が、
「手ぐみひも」のHPを開店いたしました!!おめでとうございまーす!
ここのブックマークからとべますよー。



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5 コメント

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ありがとう! (陽花)
2006-07-08 00:45:29
とんぼ様



まあ!大きく書いてくださってビックリしました。

とんぼ様の優しいお心づかい、そしていつも気に掛けていただき本当にありがとうございます。身に余るしあわせです。

いいお友達に巡り合えたこと今、つくづく有難く

思っています。

これからもどうぞ宜しくお願いします。

返信する
こちらこそ (とんぼ)
2006-07-08 00:53:34
陽花様

新しい「組紐」という世界を知ることができて、

私のほうこそうれしいです。

実際に取り組むのはまだ先のことになりそうですが、

アタマの中では「組むときはこの色でこんな感じ」と

できあがっちゃってます。(できるのか?)

いつか「お手製」を締めて会いたいでーす!
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おぉ、懐かし~い♪ (ぶり)
2006-07-08 08:11:25
着物の折り紙、何十年ブリでしょう。



陽花様のお店、早速、伺って参りました。

す、て、き♪



とんぼ様のお店も、待ってまーす♪
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季節 (うまこ)
2006-07-08 12:12:01
季節に関係のあるお祭りがすべて新暦にそのまま移行して、季節感が全部1ヶ月遅れになってしまい、残念です。その中でお盆だけが8月15日なのは終戦記念日と(暗黙のうちに)合体したせいでしょうね。最近はまた、ハッピーマンデーのせいで、もとの日付まで無視です。

この国の文化政策はどうなってるんでしょうか。文化無視の愛国精神なんですね。

陽花さんの組紐、本当にステキですね!HP頑張ってください。
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Unknown (とんぼ)
2006-07-08 14:30:22
ぶりねぇ様

よく作っていたんですが、何年ぶりかで作ろうと思ったら、ちっと忘れてました。子供の頃に覚えたのは、忘れないのに・・。

お店、がんばってます。待たせてすんません。



うまこ様

えーと、8月のお盆は戦前からのことですー。実は明治政府が「新暦を使う、よって祝祭日も新暦で行う」としたあと「うちの県はお盆だけは旧暦でする」といった県もあったんです。それでだいたいは関東圏は新暦、関西圏は旧暦・・とそういう風潮だったのですが、都会で「夏休み」と言うのは田舎に合わせてとるものですから、今はだいたい旧暦のお盆が全国的になつているわけです。またうまこ様おっしゃるように「終戦が15日」ということも、20年以降は、旧のほうに傾いた大きな理由だと思います。七夕も平塚は新暦、仙台は旧暦だったですね。一度は見に行きたいものだと思っています。

あのハッピーマンデーというのは、休みの価値が半減する気がしますね。ただもう、今月の第2月曜はやすみだー・・とか、単なる連休になっちゃってますし。
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