Hola!
先日は、すごい雪でしたね。
今日は打って変わり、うららかな春の日でした。
少しぼけっ〜と 過去の衣装写真を見ながら
「カルメンの衣装がとても好みだった」というお客様からのオーダー衣装の構想をしていました。
そんな訳で「衣装屋のカルメン」の続き書きました。
「JURINA・カルメン」はキャスティングが本当にピッタリで
写真で振り返りながら「う〜ん。。納得なっとく!!」と感服してます。
*ミカエラ 脇川 愛
メリメの原作には登場せず、オペラで創造された『ミカエラ(大天使「ミカエル」の女性名)』
ホセの幼なじみでナバラ(スペイン北部の”牛追い祭り”で有名なパンプローナがある州)の純真な田舎娘の設定です。
名前の通り慈悲の心に満ちた優しい娘で、奔放で無慈悲な「カルメン」とは正反対。
この物語の中で唯一の天使。
実際の愛さんも、ご自身の出番以外は、
早着替えを手伝って下さったり、舞台と楽屋を行き来し小道具を用意したりと…
ずっ〜と走り回って、皆を陰で支えるマリア様。
ホントにありがとうございました。
ホセの母からの手紙を届けに来たミカエラ。再会喜びの”グアヒーラ”
ドレスは以前紹介した、ジュリナさんの衣装を使用しました。
ドレスに合わせて「田舎娘風の空色エプロンドレス」をお作りする予定だったのですが、
諸事情により空色エプロンだけになってしまいました(涙)
再演が叶った際には、是非とも創らさせていただきたいな〜。
ホセを連れ戻しに、密輸団のアジト ロンダの山奥までやって来るミカエラ。
”赤ずきん” ならぬ、”空色ずきん” の衣装。
踊ってもフードが落ちない様にする細工、一緒に色々考えてくれてありがとう。
本番はバッチリでしたね。
…それにしても!ナバラからロンダまでの道のりは危険に満ちていたに違いないのに
カルメンとは異なる、すごい愛の力だな〜。
*エスカミーリョ 松田知也
ホセがカルメンを殺してしまう原因となった恋敵エスカミーリョ。
闘牛士の中で最も花形の正闘牛士(Torero matador)
舞台経験豊富で、カルメンの稽古中も他の舞台を掛け持ち多忙を極めていた知也さん。
長身で王子様的キャラの彼にピッタリだと思いました。
彼自前のシャツ・革パン・チャレコに合わせて ロングジャケット”Chaqueta larga” を作りしました。
ピルエットの際に、裾がキレイに舞う様、後ろ身頃にフレアーを入れて仕立てました。
ジャケットをカポーテみたいに捌く振りがあることは知っていたのですが
ライブ配信を見た後、裏地を玉虫色に輝く織柄生地にすればよかったな〜と思いました。
最終幕マタドールの衣装は、紆余曲折の末。
彼が以前からお持ちだった 三揃え衣装に金モチーフを飾り付けました。
実際の闘牛士服はVestido de Luces( 光の衣装)と呼ばれ、階級によって刺繍糸の色に決まりがあるそうです。
お坊さんの袈裟みたいですよね。
ところで!写真には写ってないのですが、
本番の1週間前ぐらいに ”Capote カポーテ”(闘牛士の助手たちが用いるケープ)が必要になった。
と言う事で急遽お作りしたのですが‥スタジオリハーサルを見ていて
「えっ〜。使ってないじゃん!!」と私、「ここで振ってましたよ」と知也さん。
本番も袖で見ていて?????だったのですが、配信を見て「なるほど、キレイだ〜」と思いました。
しかし、こんなにクッキリ綺麗に映るのなら
”Muleta ムレータ”(正闘牛士が用いる杖と赤い布)の方が良かったのでは?と思いました。
また楽しい衣装のお話や衣装補修など、アトリエでお会いできるのを楽しみにしてます。
*ガルシア NOBU
幼い頃のカルメンを金で買って妻にした?密輸団のボス独眼のガルシア
悪党ぶりがハンパないせいか?オペラやバレエの世界ではあまり登場しない人物。
私自身も、このカルメンのお話を頂くまで すっかり飛んでおり映画や原作を見返し
「立ってるだけで圧倒的な存在感があるNOBUさんにピッタリだ」と思いました。
衣装は、眼帯・ブーツカバー・ホースブランケット等
小物関係をお作りさせていただきました。
本番間近、NOBUさんのアイデアで成金風アクセサリーを何点か用意しました。
彼は「ユザワヤとかで素材買って自分で作って足しても良い?」と聞いてきて
私は ユザワヤ にこの手の素材があることを知ってる!と言うだけでもビックリしましたが
創作したアクセサリーのクオリティの高さに、更に驚かされました。
後で知ったのですが、美大出身とのことで納得。
再演があった際は、ジャック・スパロウ張りのロングジレを考案しますね。
凄みある役を好演したNOBUさんですが…この優しげな表情。
とても繊細で早替えの際、アクセサリーを付ける順番にキレイに並べてるところ 職人っぽくって好きでした。
稽古中やゲネの時『のぶさ〜ん!のぶさ〜ん!』って叫ばれてしまう、お茶目な一面も◎
いつも、どこに行っちゃってたのですか?
再会を心待ちしております。
*スニガ Farolito(出水宏輝)
ホセの上司で隊長のスニガ
所謂セクハラ親父が、酔っ払ってカルメンにちょっかいを出しホセに殺されてしまう。
スケベ爺さん= スペイン語だとViejo verde(緑の老人)
緑色はリフレッシュ・リラックス等のイメージなのに、スペインだとなぜ?スケベ?
活力溢れ健康で元気(verdeのイメージ)な老人(viejo)という意味だったそうです。
「ふくろはぎ?太腿?のサイズが左右でだいぶ違うんですよ〜!!」
と明るい笑顔で採寸に望んでくれたファロさん。
その後、本番を含めて3〜4回しかお会い出来なかったのに
なんだか昔からよく知っている友達ような感覚にさせてくれたのは
きっと関西?ラテン?系の陽気なノリのおかげでしょうか。
まさに Verde!人を癒してくれる活力を持ってる方だな〜と感じました。
決闘シーン。迫真の演技でした。
スニガは殺されてしまった後、舞台袖でホセの早替えを甲斐甲斐しく手伝ってくれて
「ともさん!潤くん着替えです」と呼んでくれて助かりました。
Muchas gracias! Zuniga.
制服を気に入って下さりありがとうございました。
潤さんに書いてもらったお髭も、ものすご〜く似合っていて別人かと思いましたwww
先日FBにコメントした通り、関西公演が行われた際にはパンツにも側章金テープを入れて階級アップしますので
どうぞよろしくです。
ではでは、長くなりましたが「カルメン&ホセ」は、また次回最終回で。
三寒四温のこの頃、体調を崩さない様に過ごして下さいね〜。
写真 近藤佳奈
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TOMOMI SATO
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