穀菜食堂なばな

オーガニックを日常に
昭和の香り漂う路地の奥、尼崎の和風ヴィーガン食堂。

赤毛のアンのレモンサブレ

2014年01月03日 | ┗つくったもの

子供の頃、たぶん12歳ごろに買ってもらった、「赤毛のアンの手作り絵本」
赤毛のアンのいろいろなエピソードにあわせて、カナダ風の家庭料理や手づくり小物のつくり方を紹介した本で、当時の私にとってはどれも手が届かない、憧れのもので溢れていたものです。

このシリーズのレシピは、城戸崎愛さんの監修で、今見てもなかなか本格的なものです。
(私がお菓子作りを始めたのも、ちょうどこの頃ですが、当時はもう少し易しい子ども向けのものを参考にしていました)


この中で紹介されていた、レモンサブレ。
14歳になったアンが、母親代わりのマリラと近所のリンド夫人のためにお茶をお出しするシーンです。
かんしゃく持ちだったアンが、すっかり落ち着いた少女になって、マリラとリンド夫人を感激させます。

真っ白に品よく焼き上げたレモンサブレ。
初めてその名前を知ってから、実に30年の年月を経て(笑)、ようやく実現しました。


バターを使うのは、本当に久しぶりのことです。
室温に戻したバターと砂糖をすり混ぜてふわっとさせる感じとか、生地の温度が上がるとすぐにべたつく感じとか。
懐かしさを楽しんでいると、思わぬ記憶が甦りました。

小学2年の遠足のとき。
担任の岡先生に食べてほしくてロールサンドを作ったのだけど、恥ずかしくて先生のリュックの上に黙って置いたこと。
だけど先生はちゃんと気づいてくれて、おいしいおいしいと食べてくださったこと。
その時の、心からの嬉しさ。
今思い出しても、気持ちが高揚します。
そうだ、私は誰かに喜んでほしくて、料理をするのだ。
すごくシンプルで、とても大切なことを思い出しました。
そこから離れてしまったら、ただの作業になってしまう。。

身体には記憶が保管されていて、気持ちの向くまま体を動かすことで、必要な記憶が再現されるのかも知れませんね。
そんなことを思います。
憧れのレモンサブレは、バターの風味が豊かで歯触り軽やかで、贅沢なお菓子でした。


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