京都府北部、園部にある「らぽーむ自然農園&ダーチャ」にて開催された、矢野智徳さんによる「大地の再生講座」に参加して参りました。
「いま日本全国で起きているのは、大地の呼吸不全です。大地の血管である水脈がコンクリート構造物(砂防ダム、一般ダム、コンクリート護岸、道路、etc.)に塞がれてしまうと、 その中を流れている水と空気がちゃんと循環しなくなり、土壌環境が呼吸不全(空気と水の循環不良)になる。その結果、泥水や洪水やさまざまな問題が起き、生き物たちは体力低下を起こし、木が枯れるなど生態系に多大な異変が起きています。
でも、今ならまだ間に合います。僕が1年間の放浪の旅で教えられたように、瀕死の状態にあっても呼吸をしている限りは、完全に息の根が止まるまでは、なんとかなるんです。シンプルに言えば、水と空気の通り道を回復してやれば大地は再生することができる。特に、通気機能(土の中の空気の動き)を。そして、自然界は「相似形」なので、小さなエリアと大きなエリアの出来事は相対的には同じ。移植ゴテ一つでも、小さなところから治して行けるんです。」(私の森.jpより)
土の中に水の通り道を作れば、空気も一緒に通り、好気性菌類も増えて植物にも人にとっても心地よい環境になる。
自分なりの言葉にすると、とても簡単になってしまうのですが、実現するためにはたくさんの観察と心遣いが必要です。
今日の講座で受け取った矢野さんのお言葉。
「月の引力の影響を受けて、大地はダイナミックに呼吸している。その呼吸によって、土の中に空気と水の流れが生まれ、大地のミネラルを土中に運びこむ」
「この50年ほどで痛めつけられた大地と向き合うには、身体を使って五感を頼りに進むこと。
手を入れて反応を見ながら探っていくこと。この感覚を鍛えることで、自然の中で生きる力を取り戻せる」
「植物が暴れるのは、土中の環境が整わないから。
植物全体の姿は、細部に相似形が現れる。風が撫でるのに倣って、枝先を払う。
野山の行いを手本にすること」
矢野さんのお話の中には、「優しく」「丁寧に」「大切に」といった単語が頻発します。
こちら側から自然の側へ。沿わせていく感覚が大切なのだと感じました。
今日一日の学びは大きすぎて、これからの生活で確認していきたいと思います。
今日は自分にとって大きな意味ある日であり、今後1年を方向付ける日でもあり(実は誕生日なのです)。
一つ一つ、自分の感覚を頼りに、自然と生活と向き合いたいと思います。
炭の野焼きの様子。山からの傾斜を活かして行われます。
ここでも、急がずに丁寧に。繰り返し声かけられながら。
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