[2021年2月4日 更新]
たびたび質問を受けるのがこれ。
私の見解は2年ほど前に述べているので、過去記事を読まれたい。
<過去記事:内申点(調査書点) 実技科目が2倍される理由>
◆東京都からの回答は「9教科すべて大切だから」
上記画像は東京都教育庁都立学校教育部高等学校教育課入学選抜係が2014年に発表したもの。
2016年2月の入試から適用されるわけなので、実施の2年弱前に発表している。
実際に配布された「東京都立高等学校に入学を希望する皆さんへ」には以下のように書かれていた。最新版には書かれていない。
Q13学力検査を5教科実施した場合に、実技4教科の評定を2倍して調査書点を算出するのはなぜですか。A13学校では、皆さん一人一人の知・徳・体をバランスよく育むことが求められています。そのためには、中学校の学習活動においても9教科全てが大切です。都立高校の入試では、中学校の9教科それぞれの授業を通して皆さんがどのような力を身に付けてきたのかを評価します。調査書だけでしかみることのできない実技4教科で身に付けた皆さんの力も、学力検査を実施する5教科と同じように評価をするため、実技4教科の評定を2倍にします。なお、学力検査が 3 教科の場合は、残りの6教科の評定を2倍して調査書点を算出することになります。
1. 9教科すべて大切。
2. 中学校の授業を通じてどのような力を身につけてきたかを評価する。
3. 実技4教科の評定を2倍にする。
突っ込みどころが満載である。
「1」は別にいい。
「2」で中学校の授業を通じてつけた力を評価する。と言っている。
中学校の保健体育の授業で、バスケのルールやラインの名前や長さなどを教わるか? テスト範囲が〇ページから△ページ。ここを覚えろ。で終わっていないか?
キミの中学校では、実技も正しいフォームや動き方を教師が指導してくれているかい。
普段は勝手にゲーム(紅白戦など)をやらせてるだけ、成績をつけるタイミングでドリブルシュートのテストや短距離のタイムを計測する。そんな授業じゃないか。
体育、音楽、美術などの授業はあってもいい。体を動かしたり、音楽鑑賞するのはいいと思う。
だけど高校受験に大きな影響を与える必要なんてねえよ。調査書点(内申点)の62%が実技で決まるんだぞ。アホか。
実技4教科は中学校でテストしてもいいけど、成績を都立高校受験に使う必要なし。
総合芸術高校の音楽コースなら音楽の成績だけは評価する。
駒場高校の保健体育科なら、保健体育の成績だけは評価する。
それでいいんじゃないの?
そんなに9教科を評価したいなら、都立入試も9教科にすればいい。
実際、1966年度まではやってたんだから。
<過去記事:都立高校入試の変遷<後編>>
◆2倍の根拠は?
2015年度までも調査書点は実技4教科の方が重要視されていた。
<旧換算内申>
国数英社理5教科 25点満点
実技4教科 26点満点
実技教科評定を1.3倍から2倍に変えることで、5教科と同じように評価すると書いてある。
1000点満点のうち、国語の満点は
調査書23点
テスト140点
計 163点
一方、音楽の満点は
調査書46点
テスト0点
計 46点
どこが同じだ? 本当に実技教科もそれ以外も同じように評価するのなら、調査書点を実技教科は10倍にすればいいだろう。
それでも実技1教科の調査書点は67点/300点満点。国数英社理1教科の「調査書点+テスト」の半分にもならない。
そう、実技教科の評定が2倍である根拠がまったく分からないのだ。
◆とは言え上位校ではオール5必須
そうは言っても、実技教科の成績がいいに越したことはない。
特に進学指導重点校はオール5や、1教科を除きオール5の成績の受験生がごまんといる。
土表の成績はテストだけで決まるわけではない。
先生に気に入られるというのが実は一番大事。この話はまたいずれ。
都立に入る! ツイッター 毎日役立つ情報。ミンナニナイショダヨ
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