つまり相手にしてみれば確実に、人でなし・・・・・・だから彼女が。そう思った後、クモはけれどもあの色白な裸体ばかりが思いうかんだ、彼女の心を白紙にするままだった。
「最初っから予感があったわ」
と彼女はいった。予感といった声高な響きがいい心持ちでさえあって、クモの目には窓辺のバラに、うきうきとアトガマの女を思ってさえいたものだった。でかけようとしたクモと、幕ひきを迫ろうと捕まえにきた妻がいた。
(つづく)
「最初っから予感があったわ」
と彼女はいった。予感といった声高な響きがいい心持ちでさえあって、クモの目には窓辺のバラに、うきうきとアトガマの女を思ってさえいたものだった。でかけようとしたクモと、幕ひきを迫ろうと捕まえにきた妻がいた。
(つづく)