案内のちらしをペッタン!!
まだまだ広がることを期待はしながら・・・
先生方もいらっしゃってくださいます。懐かしさと、思い出話やこれからのお話で盛り上がりましょう。
で・・・ここで申し訳ないのですが・・・「こ」さんに幹事一同からお願いがあります。
『最後に一同で歌を歌いましょう。選曲と指揮をお願いしたい!』のです。
選曲はお任せしますが、よろしければ、3曲ぐらいをブログにアップしていただき、投票とさせていただきたいのです。いかがでしょうか??いえ、よろしくお願いいたします。もう有無は言わせないのが、幹事会です(^。^)。
皆様のご参加と、少しの情報でもお知らせいただきたいと幹事会は願っています。
今日は大阪も雨だぁ~~~農家には恵みの雨?
あららぁ~~大阪駅から灘駅まで不通に??でもこの記事がアップされる頃までには??
「ゲリラ豪雨」最近はよく耳にしますね。でもご存知ですか??
『「ゲリラ豪雨」との用語の初期の使用例には、1969年8月の読売新聞がある。集中豪雨とほぼ同義の言葉であるが、予測の困難性などの違いから2つの語を使い分ける場合がある。しかし、集中豪雨・ゲリラ豪雨共に気象学的には明確な定義づけはなされていない。気象庁は「局地的大雨」を使用している』
と、ありました。え??気象庁はつかってないんだぁ~~と。気象庁発表を少し気にしてみようかな??と、思うわたしでした。
大事なお約束を・・・・
まだまだ広がることを期待はしながら・・・
先生方もいらっしゃってくださいます。懐かしさと、思い出話やこれからのお話で盛り上がりましょう。
で・・・ここで申し訳ないのですが・・・「こ」さんに幹事一同からお願いがあります。
『最後に一同で歌を歌いましょう。選曲と指揮をお願いしたい!』のです。
選曲はお任せしますが、よろしければ、3曲ぐらいをブログにアップしていただき、投票とさせていただきたいのです。いかがでしょうか??いえ、よろしくお願いいたします。もう有無は言わせないのが、幹事会です(^。^)。
皆様のご参加と、少しの情報でもお知らせいただきたいと幹事会は願っています。
今日は大阪も雨だぁ~~~農家には恵みの雨?
あららぁ~~大阪駅から灘駅まで不通に??でもこの記事がアップされる頃までには??
「ゲリラ豪雨」最近はよく耳にしますね。でもご存知ですか??
『「ゲリラ豪雨」との用語の初期の使用例には、1969年8月の読売新聞がある。集中豪雨とほぼ同義の言葉であるが、予測の困難性などの違いから2つの語を使い分ける場合がある。しかし、集中豪雨・ゲリラ豪雨共に気象学的には明確な定義づけはなされていない。気象庁は「局地的大雨」を使用している』
と、ありました。え??気象庁はつかってないんだぁ~~と。気象庁発表を少し気にしてみようかな??と、思うわたしでした。
大事なお約束を・・・・
もう、60だって?ブログの中では、十分15歳で通るよ。その軽さは、魅力的ですよ。重厚長大は、過去の遺物。
今の時代は、軽薄短小(あれ、誉めようと思ったのにこの字をみると誉めてないみたい)。
体重も軽く、言動も軽く、スマートな「こ」さんでいてください。
いつも、みんなのために、ブログの更新ありがとうございます。(こ)さん、お誕生日おめでとうございます。(こ)さんの誕生日知らないので、わたしさんのコメントにならいました。みんなで、元気に、同窓会を、盛り上げましょう。
10月19日の、青春会訳あっ行けないけれど、来年の
青春会楽しみに、しています。
世話を、して下さる 皆さん有り難う御座います、
ロミオお疲れ様です、また連絡下さい。
各方面からお問い合わせを頂きましたが・・・
”本人の強い希望により、近親者のみにて執り行う事とし、先程終了しました。” とさ・・・・!?
”ここに生前の・・・”ああ~これはまだちょっとはやいようで・・・・
先程 孫たちが帰りました・・・まさか 中学同窓生のブログでこのようなおはなしを・・・・「時代」ですね・・・!?
・・・みなさんありごとうございます!! ・・・
この際・・・「その歳になってもまだそんなことを!?」 という 人生を追求しましょう!? アレ~だれも・・・聴いていない!?
幹事会諸兄・・・・ ご依頼の件 検討します・・・。
当然 ・・・ 期待すれば 裏切られますよ!!
10月19日の案内状は、雨のため遅れているようですが、今週の早いうちには、皆さんのお手元に届くと思います。幹事を含めて80名程度しか、送付できないので、昔を思い出して、知人の方へもご連絡願います。重複しても構わないと思います。
よろしく。
みなさんもよろしく。
パンツ物語 (その1)
二年生になってもツトムとやっさんと同じクラスだった。担任も持ち上がりで木下先生だ。彼女はまだ懲りていないのか、それとも僕らの人間性が好きなのかな。
兎に角、三人が揃うとクラス替えの不安などはない。三人寄れば文殊の知恵。否、かしましい。否、否、アホらしいかな。僕ら流のマイペースで、誰にも指図されない平安な日々が続くというもんだ。すまないねぇー。今度は、どんなヤツがクラスメートだ。楽しみだ。ところがだ、人類の境界線上に位置する凄みのある顔で、殺意の視線を送るヤツがいた。普段なら、俺が何したんや?と、腹を立てるものだ。が、なぜかこの時ばかりは、相手が相手だから、あれこれと考えてしまった。心当たりがない。誰が僕のどこをどのように見ても、この僕はありふれた善良な中学生なんですよ。ひょっとして、無意識の悪意で彼を怒らせてしまったのかな? 考えあぐねると、ただ不安になるばかりだ。取りあえずは当たり障りの無いように、とぼけて相手にしないでおこう。しらんぷり、しらんぷり。
(君子危うきに近寄らず、というではないか。でも……、危うきが近づいて、小突いたり、ぶつかったりしてきたらどうする―)
朝礼が終わって、運動場から一階に下りる大階段で、ソイツは体当たりをして知らん顔で通り過ぎる。上体がつんのめり、バランスを取ろうと足が前に出ると足場はかなり低いところにある。二、三歩勢いよく駆け下がると、さらに躯はつんのめる。慌てて手摺りにしがみつく。「危ないヤツめ」と、視線はゴリラのような広い背中を追った。初め、彼は急いでいたから肩にあたったのだと軽い気持ちで受け流していたのだが、執拗に繰り返されると、どうも僕を狙っているようだと、感じた。仏の顔をも三度まで。凶悪な怒りが込み上げてきた。
その日も肩にぶつかってきたが、ひらりと躯を交わし、追いかけた。追いかけた。振り向きもせず必死で逃げる。今日こそは逃がさないぞ。追いつめた。教室に逃げ込んだところで、ヤツの学生服の肩口に手がかかった。両肩をつかんで机に俯せに押し倒し、顔面をどついてやろうと仰向けにした時だ。
「撲ってもええから、友だちになってくれ。友だちが、あかんかったら、子分でもええ」
観念したというよりも、安堵したという顔つきだ。拍子抜けした。コヤツは、恨みを持っているのではなく、友情を感じていたのだ。彼流の表現だが、なんと幼いことか。
「名前、何言うねん」
「平山薫や。許してくれ。こうでもせな、相手にしてくれへんやろ。頼むから仲間にしてくれ。俺は躯が丈夫やから、asa君が危ないときは盾になる。少々どつかれても大丈夫や」
お願いされた僕は、むさ苦しい男に愛されるという迷惑というよりも不思議な感覚で、怒りもどこかにいってしまった。仕方がないので、友だちにしてやった。「薫」という名前は、いかつい躯と人間離れした顔には、不釣り合いで、ついでならもっとミスマッチで、可愛さ溢れる「薫ちゃん」と呼ぶことにした。年末になるとネーミングが気に入ったのか、やっさんは、美樹克彦の「花はおそかった」を口ずさんでいたな。かおるちゃんおそくなってごめんね、ってね。
薫ちゃんは夕刊の新聞配達をして、親の家計を助けていた。授業が終わるとさっさと家に帰り、仕事の前の腹ごしらえに、「ナダシン」で「力うどん」を食べていた。
「力うどんは美味いから、俺の奢りで食べに行こ」
困っちゃうな、デートに誘われて―。
僕はちゅうちょした。うどんという炭水化物に餅という炭水化物の組み合わせは栄養が偏っているので、食べるなら肉うどんか天ぷらうどんにして欲しかった。それと、アルバイトで稼いだ大切な金を、すぐに胃袋に消えてしまう「力うどん」に使うのではなく、学用品代として使ってもらいたかったのもあって、曖昧な返事をし続けていた。
「俺は、嘘つき、言われるのが嫌いやから、今日、連れて行くで。それに親父の宝の零戦の図面も、見せてやるわ。それなら来るやろ」
薫ちゃんの親父は戦前、エンジニアだったらしい。家に行ってみると、失礼だったが落魄という言葉を思い出した。愛知県には零戦の工場があったと聞くが、零戦は神戸で造られたのだろうか。部品だけでも造ったのだろうか。それとも薫ちゃんの親父は、誰にも言われぬ秘密を抱えて、ここに流れ着いてきたのか。素朴な疑問が湧いてきた。薫ちゃんの顔を見ていても、答えは見いだせなかった。きっちり折りたたまれた図面の折り目は色が変わっていて、大切に保管されているのが見て取れた。零戦の図面は親父の守り神だと思うとなぜか胸が熱くなってきた。大人になるには苦労がつきもで、大切な守り神のひとつやふたつはあるものだな、と感じたが、なんといっても「力うどん」は美味かった。
一年生の時は、試験対策なのだが、カンニングブームもあって、クラスにはその道の趣味人が何人かいた。ワイシャツの袖に手書きのカンニングペーパーを隠したり、下敷きの裏や大きな消しゴムにびっしりと小さい字で書き込んだりと、いろんな手口はあったが、結局、そんな努力をするのなら覚えてしまった方が合理的だとの結論に達した。二年生の今は、流行っていない。僕らにとって成績なんかどうでもよく、怠慢の中にどっぷりと浸かっているほうが楽しいからだ。
タエちゃん先生の英語のテストでのことだ。
「そこの人たちは辞書を見てもよいから、頑張りなさいよ」
タエちゃん先生が突然に指さしていうので、あたりを見渡すと、そこの人とは、チビタと馨ちゃんと僕ではないか。ラッキ。僕はいつになく真剣にテストに取り組んだ。タエちゃんは本を読んでいる格好をしばらくすると、北の廊下側から教室をゆっくりまわっている。僕の机は南の端だ。教室は不気味なほど静まりかえっている。
「まぁー、あなたは、何をしているんですか。辞書を出して」
突然、タエちゃんが言うので、集中していた僕はビックリした。
「真剣に答を書いているんです」
「辞書を引きながら、試験を受けてはいけませんよ」
「え、えー、先生は、そこの人たちは辞書を使ってもええよ、と指さしたので、僕は、辞書を使っていますが、何か問題でもありますか」真面目な顔をして答えた。
「あなたたちと言っても、あなたは、入っていません。」
「えー、僕はだめなんですか? 一緒にしてください。もう少しで書き上げられるのに」
「なんていう人なんでしょう。自分の実力で、できるでしょう」
「もう少しで書き上げられるので待ってください。後で、二人に答えを教えますから」
「あなたって人は、何を考えているのですか……」
タエちゃん先生は、絶句してしまった。生真面目な僕は、タエちゃんの言ったとおりにしただけなのに……。
パンツ物語 (その2)
中学生になって、たちまち意気投合した僕とツトムは、真新しい中学生活も、毎日が平凡な出来事の一つひとつの積み重ねであったに過ぎなかったと気づき、非常に退屈していた。モヤモヤした気持ちを抑えきれずいつも爪先立ちで身構えていたら、その先には、てんやわんやの大騒ぎが待ち受けているとは、露知らず、こんなことが何時、どうして起こるのか、僕らにはさっぱり解らなかった。
ただ、毎日が雨でたまらなく退屈な時や、気になる女の子から何のサインもなくて落ち込んでいる時や、何かをふと忘れてどうしても思い出せないようなジレッタイ気分のような時には、それが、突然にやってくることだけは確かだった。なぜなら、心がそんなふうに身動きのとれない状態になると、僕らの方から、居ても立っても居られなくなり、きっとムズムズして何かをしでかしたくなってしまうからだと思う。それで、わけもなくはしゃいで気を紛らわせた。
そんな僕たちと付き合う担任にとっては、一つ一つが迷惑で関わりたくない特別な出来事だったに違いない。
ある日チビタは、日本人形が持っていたと思われる小さな手鏡を持って来た。そのチビタは授業中に、鏡で先生の後頭部やお尻を照らして一人面白がっていた。チビタにとってスリルのあることだが、傍にいる者にとってはさほど面白いことでもないので、鏡本来の使い方を僕なりに伝授した。僕に対しては素直なヤツなので、さっそく運動靴のつま先に鏡を取り付けた。さー、やるぞ!
鏡を持つと誰のパンツを見ようかなと、男子なら誰でも考えることだ。僕らは物色した。誰でも良い訳ではない。パンツには貧乏物語が潜んでいるのだ。パンドラの箱とはパンツのことなのだ。何が飛び出してくるかも分からない怖いコワイ代物なのだ。
僕たちは小学生時代にはスカートめくりはあまりしなかった。というより、できなかった。大人びてそのように言うのではなく、してはいけないのだ。羊雲の浮かぶ青空の下、すがすがしい気分でスカートめくりをしたかったのだ。遊びだから皆でワイワイ、キャーアキャーアいって遊びたかったのだ。でも出来ない。それは、まくっちゃいけない女の子が、妖精のように結構いたからだ。
父親が娘を可愛がる家庭では、女の子の下着にも可愛いものを選んで、着せたがるものだ。だが、生活に疲れた親の元では、見えないところへのお洒落なんかには気にも留める余裕さえなかった。僕ら男子だって、男の子だからか、自慢じゃないが、ゴムを何度も入れ替えた、パンツをはいていた。はみ金は当たり前で、小さなラッキョさえ包み込めないパンツをはいていた。靴下は継ぎだらけ。でも、男はそれでもなんとかなる。
悲しいかな、下町の女の子にはそれぞれにペーソスがある。女子はスカートの中に貧困が潜んでいる。薄汚れた昨日の服のままで眠って起きてクシャクシャの頭ででてくる。汚れた顔に付いたゴネて愚図ついた昨日の涙のアトが、透明なおしろいを塗ったようで哀れだった。そんな彼女らのパンツを見て、はやし立てたら、確実に次の日から永遠に学校に来ない。いじめを越えた殺人行為だ。だから、下町のこんな僕たちでも、紳士の心は持っていた。持っていたかな? 持っていたに違いない! といっても、僕らは口だけだ。
「クラスの誰のスカートを覗こうか?」と、話し合ったら、話の節々にお父さんが出てくるユミコが一番安全で、お姫様パンツをはいているとみんなで結論づけた。それで、迷わず実行に移した。済まないねぇ、毎度、毎度。
僕は窓際の前から二番目、右隣がジャワ原人の薫ちゃん、その前がチビタ、その列の真ん中から少し後ろに、ユミコがいる。
ちょうどユミコが立ったまま後ろの女子と話をしている。お尻のガードが甘い、いまだ。
抜き足、差し足、忍び足で近づいた。チビタがユミコの脚の間に、気づかれないように身をそり返して、ソロリと足先だけを差し込んだ。絶妙の距離だ。気づかれない。鏡が鈍く光った。男子は浮き足だってのぞき込んだ。暗くて見えにくかったけど、純白のグンゼのパンツらしきものが見えたような気がした。万歳だ。
異様な雰囲気を感じてユミコは振り向いた。瞬間、僕と目があってしまった。
「んー、モオー、あほーぉ」
彼女は、困ったり、すねたり、少し怒ったりするときの口癖がこうだ。決して怒っているわけではないのだ。その唇には、取り残された八重歯が覗いていて可愛かった。それに、舌っ足らずで、カキクケコがキャキィキュキェキョになるのが可愛くて、男心を虜にするのだ。ほんとに困った子猫ちゃんだ。
彼女は本気で怒っていない。これで女子のほとんどは大騒ぎしないし、先生にも告げ口をしないことを、僕らは確信した。だから、女子のスカートの中を覗いてまわった。もちろん、覗いてはいけない子や、趣味でない子には紳士の対応をした。
最後は、担任よりもこわいミチコのパンツを狙ったのだが、僕は見たい気持ちより、他のやつに見せたくないという気持ちが強かった。用心深いミチコのスカートの中は、少年漫画が隠されておりパンツを見つけ出すのには困難が伴った。大人びたパンツらしかったかな、ということでゲームは終わりとした。僕らは足を洗ったのだ。本当か? ヒヒヒだ。飽きが来たというより、女子が行儀よくなり、立ち話をしなくなったのと、立っていても、脚を閉じスカートの裾をギュッと握り締めて、完全防御の姿勢をとるようになったからなのだ。自慢じゃないが、良く言えば、ご両親に替わって同級生の僕らが女子の躾の手助けをしたということだ。でも毎日が詰まらない。あなたなら、どうする。
それで終わらせる僕らではない。ソロリと近づくと、反射的に女子はスカートの前後を押さえながらドタンと席に着く。ほとんどの女子の椅子の座面には、小振りの座布団がある。女の子は腰が冷えてはいけない、とお母さんに言われているのだ。それを見て、ひらめいた。鶏を追い込むように足の鏡で追い立てると、あわててドスンと座布団に座る。途端に至る所で、「ブー」、「ブブブブー」、「ブリブリ、ブー」が聞こえる。「お前、屁こき女やな」、「すました顔してるくせに、おなら女やったんか」と、男たちは喜ぶ。ヒヒヒのヒだ。座布団の下では今はやりのブーブークッションが騒いでいるのだ。でも、ミチコだけは引っかからない。薫ちゃんは業を煮やして、よせばいいのに、本物と見間違えるような「ウンコちゃん」を彼女の椅子に仕掛けた。尻の穴が小さい小心者には幾ら気張ってもひねり出せないような太い立派なとぐろだった。両手でも持ちきれない大きさがあまりにもばかげていた。座ろうと屈んだときピラミッドの先端がミチコの尻に軽くあたった。異様な感触におもわず反り返えったミチコは、下目遣いで薫ちゃんを見るとケイコに抱きつき、「アハハハハ」と高笑いをした。これはもう薫ちゃんの負けで失恋でもある。大枚を払って買った高級品の「ウンコちゃん」を小馬鹿にされた薫ちゃんは、煮えたぎる感情のはけ口を捜していた。お前な-、「ウンコちゃん」より学用品を買うのが、先だろ!
パンツ物語 (その3)
そんなこんなの思春期の恋のかけ引きというか空騒ぎに飽きかけた僕らは、子どもっぽい遊びとおさらばして、大人の女性のパンツを拝見することにした。さて、誰にしよう。
我が担任も一応女性だが、少々トウが立っている。体罰主義の頑固さから、彼女に「ガン子」というあだ名をつけた。もちろん名前があるのだが、漢字に弱い僕らは、読めなかった。専門が現代国語なので、授業中にツトムがちょっかいをかけようとして質問した。
「せんせー、先生の名前は、寿司屋のスやから、すし子ですか、それとも、す子ですか」
「コトブキの子でどう読むのでしょう。そんなに知りたかったら、調べてきなさい。国語の勉強にもなります。先生は楽しみにしているから、次の授業までにね」と、油断した。
「ちぇっ、オバハンの名前を調べてどないするねん。俺らを恋人と勘違いしとるで。自意識過剰や。きしょく悪い年増や」ツトムが嘲笑った。
「そうや、そうや、ゲロが出るわ。ええ年して、俺たちに気があるんと違うか?」やっさんが続いた。
「貰い手もないくせして、よう言うわ」と、僕は、勢いづいた。
にらんでいる。蚊の瞬きほどの時間だが、僕らには我慢できないほどの沈黙が訪れた。
「覚えてらっしゃい!」
容赦ない中学生の言葉に反撃もできず、苦虫を噛み潰した。僕らはシマッタと思ったが後の祭りだった。口は災いの元だ。これが尾を引くことになるとは、思ってもみなかった。もちろん、パンツ事件の主役に選ばれた女性は、我が担任のオールドミスではない。
僕らがパンツを見ようとしたのは、モデル体型で少しお姉さんの数学の先生で、長身でスリムな躰の上に、アンバランスな、お月様のようなポッチャリした顔をのせていた。にこやかに授業を進める頬っぺたには、可愛らしいエクボがあった。
「みなさん、この問題を解きましょう。解らなかったら、聞いてください」
「はい、解りません」僕は間髪を容れずに元気よく手を挙げた。
「あなたは、ふざけちゃだめですよ。できないのなら、恥ですよ」
軽く諭され、計画変更を余儀なくされた。透かさず右横の薫ちゃんに目配せをした。
「おれ、わからへんわ、はらたってきたわ。全然わからへん」
薫ちゃんが、立ち上がって吠えた。慌てた彼女は、教えにきた。優しく座らせると、腰をくの字に曲げて薫ちゃんのノートをのぞき込んだ。腰の下には長い脚が開かれてあった。突き出したお尻のスカートが持ち上がり、僕らを誘った。今がチャンスだ。チビタがスルリとスラリとした両脚に鏡を括りつけた足をつっこんだ。僕が真っ先にのぞき込んだ。
「色付きの、大人のパンツや。みんな、覗きにこい」
声を殺して手旗信号みたいに唇だけで男子に伝えた。みんながソロリと助平ヅラで、のぞき込んだ……。
「先生、男子が先生のパンツを覗いています。気をつけてください」
どこからか、誰か解らないが、抑揚のない乾いた声の女子が、先生に注意した。余計なことをいうヤツだ。慌てて男子は素早く席に着いた。鏡を見ながら、光の調節をチビタに指示していた僕は、丁度上目遣いで彼女の背中をみた時だ。彼女は躰を捻って振り返った。瞬間に、目があってしまった。言葉もなく少し見詰め合った。チビタは逃げ遅れ、足を突っ込んだまま身動きもできず、三人とも時間が止まってしまった。
「あなたって人は、あなたって人は……。もう授業はできません」
彼女の目からは大粒の真珠の涙が溢れてこぼれた。
僕は女性の敵を憎むが、「女の涙ほど世の中で早く乾くものはない」という諺も知っていた。しかし今、女性の敵になってしまった。
先生の心はまだ、純情な乙女だったのだ。彼女は掌で顔を覆って、教卓の教科書も大きな三角定規もそのままに、廊下に消えていった……。
待つまでもなく、担任のオールドミスが靴音高く、勇ましく鬼の形相でやってきた。
「彼女は職員室で泣きじゃくっているわよ。君たちは、どんな悪ふざけをしたの」
僕を睨みつけて言うので、委員長でもクラス代表でもはないのだが、「ただ、ほんのできごころで数学の先生のパンツを見ただけです」とはっきり言ってしまった。
「パンツを見たって、平気な顔をして、よく言えるわね」
「悪いけど、先生のは、見いへんわ。安心してください」
「なんで安心するのよ」
「いつも似合わへん中途半端なミニはいて、ミニより長いズロースを膝のあたりでチラチラ見せて、俺たちを誘っているんですか? 気色悪いわ、ウンザリや。見たくない」
担任は、何てことをいうのこの子はという顔をした。
「そうや、そうや。スカートの中に、蜘蛛の巣が張っていそうで、プーンと臭いそうや」
触発されたのか、遠くのツトムが言わなければいいことをスルリと言ってしまった。
「クサそうで、汚い、ゲロがでそうや」
ツトムの言葉につられて、よせばいいのに遠くからやっさんの声がした。
「私のどこが臭いのよ。自分たちのしたことがいけないことだと分かっているの」
「分かっちゃいるけど、辞められない……」
不思議と口を挟む者もなくクラスは静かで、担任対僕たちの対決の行方を見守っていた。
担任は自分のことに触れられて、もはや、同僚の心配なんかどこにもなく、僕たちとの私闘になった。「新撰組なら、即、切腹やぞ」と、腹の中で笑った。
「あんたたち、職員室前の廊下に正座しなさい。反省するまで座っときなさい。今度こそ許さないから」
職員室に向かって壁を背に、正座した。西側の出口の前に、チビタ、薫ちゃん、ツトム、やっさん、この僕の順番で横並びをした。東の方を見ると、遙か彼方に我が教室が見え、幾つもの黒い影が心配そうに僕らを見ていた。僕たちは神妙を装っていた。
正座していると、一年生が生意気にも、からかいに来た。
「こいつら、また、正座させられとるわ。アホや、あほや」
「しばくんで」
ツトムが睨んで、得意のギャグで脅すと、僕たちは拳を握り立ち上がった。
「わぁー、あほ、あほ、まぬけ」
憎まれ口を叩きながら、蜘蛛の子を散らすように逃げ帰った。すると職員室の引き戸がガラリと開いた。
「反省せずに、なに騒いでいるの? まだ懲りないの―。体罰しかないわね」
昼飯を食ったような満腹感が漂う女史が、出てくるなりいった。一年生にはめられた僕らは、その拳を、恐れた。
彼女は「尊敬する大学時代の恩師の指導が体罰容認論だったので、同じように体罰を行使するのが、私の教育信念だ」と、日頃嘯く。今日もガンジーの無抵抗主義で反抗して、僕たちは戦うのだ。人の心は暴力では変えられないのだ。分からないのか? モォー、いい加減に観念しろ、と思うのだが、声に出すと暴力が酷くなるので言葉を飲み込んだ。
担任は手加減もせず手首のスナップをきかせ、拳を頭頂の大泉門に打ちつける。母親にとって大切な赤ちゃんの急所だぞ。即死するぞ。チビタと薫チャンの脳味噌は金平糖程なので、小振りの木魚のような間の抜けた甲高いよい音がした。ツトムには憎しみを込めてボコッと殴った。拳が頭にめり込み首が少し短くなった。それを見たやっさんは身構えた。すると、両耳を掴んで振り回し、後ろのコンクリートの壁に思い切り後頭部を三回も打ちつけた。やっさんはグタッとした。
「気分が悪い、吐きそうや」と言った。ヤッサンには特に恨みがこもっていた。最後の僕はモットひどい事をされると思ったので、もっと身構えた。すると、耳が千切れるかと思われるほど引っ張り回し、仰け反った僕の頭を壁にぶちつけた。僕は宙に浮いて壁に激突した。―殺意がある。でも、僕たちは泣かなかった。
「昼からの授業があるから、食事をしてきなさい」気が済んだのか、職員室に消えた。
「酷い目にあったな。あんだけ怒るんやからやっぱり、臭かったんやな」
「相当、怒っとうから、えげつのう、臭いんやわ」
ツトムとやっさんの顔を見ていると、お姉さん先生のパンツも見ていないこいつらが、木下先生に、なんで怒られなあかんのかと不思議に思った。人付き合いが好いというか、馬鹿がつくほどお人好しなのか、色々思い巡らすと、無性に可笑しくなって大笑いした。理由が分からない二人もつられて笑った。僕たちの笑い合う唇は元気だったが、痺れていた脚は神経過敏症になってジンジン唸っていた。お互いにその脚をつつきながら「ヒャ」とか「ワァヲ」とか悲鳴を上げて、ヨレヨレの脚で這いずり回ってその場を離れた。やっぱり僕たちは懲りない面々であった。
それから、お姉さん先生は僕の顔を見ると、ぎこちなくなり顔を赤らめるのだった。僕たちは、それを可愛いと思った。でも、お姉さん先生には謝罪してないぞ。どうする!?
相変わらず、あなたの子猫ちゃんの描写は、すばらしい。思わず声を出して笑ってしまいました。
私は、2年4組森先生でした。モリセンは、睨むと凄みがあったからねぇ。ガンコほどの体罰は必要なかったのかな?男子に聞いてみないとわからないねぇ。私は、学校のずる休みはしょっちゅうしていたけど、それについて一度だって怒られたこと無いもので。
これが噂に聞いていたS先生を泣かせた事件ですね。でも、本当にこれだけ?これだけで職員室でおお泣き?う~ん、50年前は、人々はこんなに純情だったのか?