災害が起こると被災者に物資を送りたいという気持ちが生じます。川口町あたりを最激震地とした2004年の中越地震では、全国の方々のそのような思いを率直に受け止めて、自分自身が中継者となって物資の配達をした経験があります。
ただ、実際にやってみるとなかなか大変でした。激震地のある市役所にその物資を持って行ったところ断られました。その理由は、今回の地震で見られることと同じです。「物資を受け取っても被災者に持って行くことはできない」ということです。(それで私は、川口町に行って、被災者の方々に直接お渡ししました)
さらに、3年後の中越地震で自分自身が災激震地での被災者になると、こちらから何も言わなくても全国から物資が送られて来たのです。宅急便で送られてくると、受け取らないわけにはいきません。気持ちとしてはありがたかったのですが、かなり困りました。
被災直後の被災地に、物資を送るのであれば、「これが必要だ」という人に、その物資を直接届けるようにした方が良いと思います。今回の地震のように、被災地への道が一本しかなく、緊急車両の邪魔になるとか、宅急便が動いていないことが考えられるとかならば、さらに慎重になった方が良いと思います。
中越沖地震で震度6強の揺れを経験し、怖かったかというと最初のうちは全く逆。気持ちがハイになってどんなことがあっても大丈夫というような万能感に浸っていた。
1週間したくらいの頃だろうか。地震の記憶がよみがえり、その時初めて怖くなった。
みんながみんなそうになるとは思わないけれど、そういうこともあるんだなと思わされた。そんなハイになっているときに助けられたのは、仲間の牧師たちの程よい戒めだった。
牧師として中越沖地震を経験した者として、私の視点でぼちぼちと書いていきたいと思います。
地震後に、奉職していた教会に全国からたくさんの方々が来て下さり、また物資を持って来て下さって嬉しかったのですが、反省点もあります。
それは、地域社会の中で教会だけが良い思いをしているように見られたことです。災害の時は、被災地の人たちみんなが大変なのです。そういう中にあって、例えば、教会のある地域の方々には、自分たちで物資を配ったりすることが大切だと思います。
今はまだ物資を持っていくべきではないと考えていますので、そういう時が来たらということです。
地震後しばらくして、ヨーグルトのお店の方が来て下さったのですが、その方は教会の近所の方々に、たくさんヨーグルトを持ってきて配って下さいました。そこから徐々に良い方向になりました。
また、仮設のトイレができた時には、教会に来ていたボランティアの方々が、使うよりまず朝一番の清掃という思いで取り組んでくださいました。これも良かったです。
確かに、教会を助けることは大切ですが、教会は地域社会の中に置かれているのです。
石川県のHPから拡散します。今はまだ、被災地に個人で物資を送ることは避けた方が良いようです。それは私の新潟県柏崎市在任中の、中越沖地震の経験からも言い得ることです。
令和6年能登半島地震に係る義援物資の受入について | 石川県 (ishikawa.lg.jp)
令和6年(2024年)能登半島地震に係る災害義援物資については、企業・団体からのまとまった規模の義援物資のご提供を下記のとおり受け付けております。ご提供いただける企業・団体におかれましては、まずは、石川県厚生政策課にご連絡ください。ご提供いただける義援物資の内容を確認し、被災地のニーズをふまえ、ご連絡させていただきます。
現地への直接の搬入は、交通渋滞等により救命活動等の妨げとなる場合がありますので、くれぐれもご遠慮ください。搬入先については、県から連絡させていただきますので、その搬入先まで義援物資の搬入をお願いします。
なお、仕分け等の手間を考慮し、個人からの提供は受け付けないことといたしましたので、義援金等についてご検討いただければ幸いです。
記
申出方法
県健康福祉部厚生政策課にて受付しています。
以下の情報を電話・メール・FAX・電子申請からお寄せください。
提供いただける義援物資の種類及び数量
提供者の法人・団体名、担当者名、連絡先
県ホームページでの公表の可否
電 話:076-225-1411
E-Mail:kousei@pref.ishikawa.lg.jp
FAX:076-225-1409
電子申請:【石川県電子申請システム】利用者管理:利用者ログイン (e-tumo.jp)
※電話受付は9時00分~17時00分で受け付けています。メール、FAX、電子申請については24時間受け付けています。
NHKも報じています。
石川県 個人の支援物資「現段階は控えてほしい」受け入れ困難 | NHK | 令和6年能登半島地震
8年前の3月11日、つまり東日本大震災の起こった時のことを書いてみたい。
新潟に在任していて転任間近だった私は、3月12日に水戸市で行われる納豆早食い世界大会にエントリーしていて、前日は同窓生が牧会する水戸中央教会に泊めていただくことになっていた。
地震を体験したのは関越トンネル内であった。関越トンネルは世界一長いトンネルで10キロ以上ある。80キロ制限のため通過に10分はかかる。社内ラジオで大地震の報道があった。しかし、揺れを全く感じなかった。場所的に震度5強程度だったと思えるが。このトンネルの耐震設計はかなりのものなのだと思う。
で、途中は群馬県は信号がほとんどついてなく、相当な地震だと思った。水戸市内に着いたのは夜であったが、信号はついているものの停電していて真っ暗。
これが私の唯一の水戸体験である。私は明るい水戸市を知らない。
水戸中央教会に着いた。
山本牧師夫妻はいらっしゃらない、避難所に行っているのだろう(と思ったが実際にはおられたようだ)。もう納豆選手権どころではない、帰ってこの様子を皆に知らせるべきだ、そう考えて新潟に帰り、関東教区のメーリングリストで写真を流した。
そんな記憶。納豆選手権はどうなったろうとか調べていない。たぶん中止になったのか?出演する機会は、、、無いかな。