「コミュニティ」！

５冊目は広井良典著コミュニティを問いなおす―つながり・都市・日本社会の未来 (ちくま新書)です。

日本社会で人々は、会社・家族という「共同体」を生活の基盤としてきました。

そうした「関係性」のあり方を可能にした経済成長は終わり、より個人の社会的孤立が際立ち深刻化していく時代を本書は論じています。

「個人」がしっかりと独立・自立し、その中で新たなコミュニティをいかに創造していくかが大きなテーマになっています。

また、「コミュニテ」を都市との関係性や空間軸、時間軸そして福祉政策の視点で論じられています。

格差社会をフロー（所得）とストック（資産）のジニ係数で明らかにして、ストック（資産）の再分配が格差是正につながり、これら全体が「コミュニティ」をめぐる課題と連動することになります。

著者の多様な観点は「コミュニテ」を掘り下げて考えるうえでの示唆となります。