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"世界最高齢のプロ・ミュージシャン" ビル・タピア翁による、2004年MOOnROOmレコーズからリリースのデビューアルバム。
1908年ハワイ生まれのビル翁はこのとき96歳だった計算になる。まだハワイでカマカ(現存するハワイ最古のウクレレ・メーカー)が創業する以前からウクレレを手に、8歳で既に「星条旗を永遠に」をウクレレでかき鳴らしプロとして生計を立てていたという、ハワイのウクレレ・ミュージシャン第一世代。
1920年代は主にジャズの楽団でギターを弾いていた、という経歴もあってビル翁のウクレレはジャズギターのイディオムに基づく発想力豊かなアドリブ・ラインが特徴。ゆったり目のテンポで緩くスヰングするリズムにのって、ハワイアン(ハパ・ハオレ)やジャズソングをテナー・ウクレレで弾きまくるという痛快なスタイルは誰とも似ていない唯一無二の世界観で癖になる。若輩者には到底真似できそうにない、とぼけたユーモラスな味わいのヴォーカルもトラック1.や8.で聴けるように絶妙の味わいだが、ファースト・アルバムの本作ではインスト中心にスインギーなウクレレを存分に聴かせている。
1. Mack The Knife
2. Stardust
3. Mood Indigo
4. Hawaiian Medley
5. Body & Soul
6. Misty
7. Paradise Isle
8. Hapa Haole Hula Girl
9. Stars and Stripes Forever/Sweethearts on Parade
10. Tropical Swing
プロデュースはMike Spengler。録音は2002年に南カリフォルニアのコスタ・メサにあるThe Distilleryというスタジオで行われ、ハワイのMountain Appleスタジオでミキシング作業が行われた。
ラスト2曲はボーナス・トラックで、9.は1936年にホノルルのメトロノーム・ミュージックストアで「磁気録音機の元祖」といわれるワイヤーレコーダー(鋼線式録音機)で録音された音源で、ギターとベースの伴奏を従え、前述のウクレレをジャカソロ・スタイルでかき鳴らす「星条旗よ永遠に」が聴ける。10.も同じく1936年の録音だがこちらはOkehレーベル(アメリカで黒人アーティストの演奏するブルースを発表した初のレーベル)から同年リリースされた音源。ホノルルのKGMBスタジオ(いまはTV局として現存)でのレコーディングで、ビル翁はギターと編曲を担当。
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