ウェネトさまの館

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大倉集古館の春 新春を寿ぎ、春を待つ(大倉集古館)

2024年02月06日 20時15分56秒 | 展覧会・美術関連

またまた前回のブログの続きでございます。

順番が逆になってしもうたが、この日の午前中は、大倉集古館東京「大倉集古館の春 ~新春を寿ぎ、春を待つ~」を観ましたのじゃ。
https://www.shukokan.org/exhibition/

令和6年の春を祝し、干支や吉祥、花鳥風月をテーマとした絵画を中心に、42件の展示。
構成は以下の通り。気になった作品も書いておきまする。

★1階
【第1章:季寿ぎの造形~扇】
裾広がりの扇は、しだいに栄える事を意味するおめでたい造形なのじゃ。

《長生殿蒔絵手箱》鎌倉時代
重要文化財。鳥や植物の柄の扇が蒔絵で描かれておる。

《扇面流図屏風》宗達派 江戸時代
右から左へ、様々な扇が流れていく6曲1双の屏風。
別々のケースで展示されておるが、並べた状態で観たいのぅ。

《花卉図(清朝名人便面集珍のうち)》顔翔 中国、清時代
金色の地に紅白の花(薔薇と桃?)が綺麗で、展示の扇面4図の中では1番好み。

【第2章:辰年の造形~龍】
今年の干支・辰にちなみ、龍モチーフの中国伝統衣装や絵画。

《紫繻子地雲龍模様刺裂》中国、清~民国時代
用途不明だそうじゃが、帯のように長い赤紫色の布に、口から霊気を発する龍の刺繍。

《男靠(鎧)》中国、清~民国時代
中国京劇の軍装で、ピンクや黄緑や水色といった明るい色の生地。
首の後ろに龍、他にも霊獣やら羽の生えた白虎やら波の上を飛ぶ麒麟やら。
顔だけの不思議ちゃん(龍の子供か?)は、表情も面白くてたいそう可愛い。
戦場でこれ着てたら、敵も味方も戦意喪失するに相違ないw

《蟒袍》中国、清~民国時代
これもたぶん京劇の衣装だとか。蟒袍は官吏の服じゃ。
紫の生地、裾から海水が盛上がり、瑞雲の中を4本爪の龍が飛ぶ刺繍。

《文殊菩薩・雲龍・竹虎図 》江戸時代
ロングヘアの美少年かと思いきや、文殊菩薩じゃった。
左右に龍と虎を従えた3幅対じゃ。

★2階
【第3章:季節の造形~雪・梅・桜の絵画】
新春から春にかけての景物を描いた絵画。

《夜桜》横山大観 昭和4年
当館で何度も観ている作品じゃ。

《文鳥》横山大観 昭和
こちらもお馴染みの桜文鳥。可愛くてお気に入り。

《木菟図》小林古径 昭和4年
こちらも何度も観ているお気に入り作品。
紅梅の枝にとまるモフモフなミミズク、オレンジ色の目はまるっとしているのに鋭い。
背景もうっすら光を放っておるようじゃ。

【第4章:めでたさの造形~工芸品】
めでたさや季節を感じさせる、名工たちの工芸品。

《青磁香炉》中国、南宋~元時代
重要美術品。動物のような3本足が、地につかずに浮き上がっておる。
この形を「千鳥形」と呼ぶゆえ、銘は「千鳥」なんですと。

《和刺繍習作》保坂なみ 明治~昭和
1枚の布に日本刺繍で10種の鳥。どの鳥も生き生きして可愛く、お気に入り。

《四君子象嵌重硯箱》木内半古 昭和 6 年
桑の木の箱に、白玉、厚貝、鼈甲、染角などで、四君子(蘭、竹、菊、梅)の象嵌。

「春を待つ」気持ち満々で、じっくり観てまわったのでございます。
会期は3月24日まで。

★おまけ話
本展を見た日はお天気も良くそれほど寒くもなかったが、昨日はとんでもない雪で、夜には雷も鳴ったのじゃ。
お供のEはレインシューズを持っておらず、革靴で仕事に行き、帰り道たいそう難儀したぞよ。
雨でも雪でもド~ンと来い的なシューズ、買っておかねばのぅ。