映画「わが母の記」を観て改めて原作を読んでみた。脚色も原田先生。「幼少時、両親と離れて暮らした事に長い間わだかまりがあったが、母の認知症に向き合った時初めて深い愛を知った」と言う事が縦軸として物語に通っていたのが映画でした。これは先生の脚色で映画にするためにはこうしたインパクトが必要で脚色とはこう言うものと勉強した。原作は認知症の母の数年の出来事をいろいろ書いているが、文学者として気品のある端正な言葉で愛情を持ってつづり、決して笑い事にしていない処に感心した。「父親の死に際に初めて父の求めで手を握り合ったが、次の瞬間自分の手が軽く突き返された感じがした」父の気持ちをあれこれ考えこの事は彼の脳裏から消えなかったと言う父親との確執か情愛か、この心理を描いた処は圧巻です。しかし”わが母の記”には必要ないところ。とにかく映画は上手くまとめられていると思った。数日前、先生が映画「わが母の記」について講義をしたそうですがミスしてしまった。残念!