だからどこそこの心霊スポットとか、怪奇現象がおこる場所とかに行っても、たいして怖いともおもわず、何かが見えるなんてこともない。
たとえばトンネルの壁に死んだ女の顔が見えた、なんてことを聞かされても、それは自分の心の怯懦が作り出した「パレドリア=変像」じゃねぇの、ってな具合にてんでつまんない不感症なのかもしれない。
かといって超常現象やオカルトが嫌いな訳じゃなく、どちらかといえば人一倍好きな方だ。
それに今までにおかしな現象を何度も体験しているし、最近は「スティーブン・キング」を毎日読んでいるし(その話しはまた今度)、山奥の神社とか神聖な場所に立つと心が震えるような何かを感じることは多々ある。
そういうタチだから、なんにもわかっちゃいないのにそれを「霊」だのなんだのとわけ知り顔で断じている輩にはついていけない。
今ある言葉で「それ」を名指しするとどうも嘘っぽく、変な宗教がかって聞こえるので注意が必要なのだが、みんな大好きなんだよねぇ、霊とか血液型占いとか・・・。
ごく最近の変な出来事では、ばあさん(実母)が亡くなってしばらくしてから、みんなが寝静まった深夜に天井から「ミシッ」とか「バン ! 」というラップ現象があったり、ドアがひとりでにしまったり、ダウンライトが明滅したりということがあった。
それを怖いなどとは思わず、ただ、ばあさんはまだこんな世知辛い現世を抜け出せないでいるのかなぁ、なんてぼんやり考えていたものだ。
まあ、ばあさんが亡くなってからも寝かされていたベッドに今じゃこのオヤジが寝ているんだから、「そこは私の御寝所だよ」って主張したのかも知れない。
そして先日の10日、BARで飲んで帰ってきた深夜のこと、歯を磨いて寝ようと電気を消してベッドに横たわったとき、普段はあまりつけない側の天井の蛍光灯がフッと青白く灯ってすぐ消えた。
ありゃゃ、お盆が近いからまたばあさん里帰りか⁉️
翌朝、かあちゃんにそのことを話して、本日の休業日に墓参りに行ってきた。
それほどマメに墓参りをする方ではないけれど、長男の務めとして霊園管理料も払っていることでもあるし、仕入れも兼ねて車を出した。
いざお墓についてみて、我が家の墓名碑を見たら、なんと8月10日はばあちゃん(祖母)の命日であった。
すっかり忘れていた・・・。
ばあちゃんは明治の凜とした女で、今でいやぁキャリアウーマンのはしりで、そりゃまあ男女のことも色々あったらしい。
マルセリーノのように愛らしかったご幼少の頃のオヤジは、首がすわらないうちからばあちゃんにおんぶされてご近所を連れまわされ、そりゃあもう猫っ可愛がりでなんでも買ってもらってわがまま放題。
けれど気性が荒いばあちゃんは怒るとものすごく怖く、金むくの指輪でゲンコツされてコブはできるわ、手にお灸をすえられるわ、そりゃあもう可愛い奴隷状態。
そんなだからばあさん(実母)は自分の息子ではないと諦め、この子が大人になったらどんなにわがままで手のつけられないろくでなしになってしまうだろうかと、ハラハラと気をもむ毎日だったそうな。
だからばあちゃんが亡くなってすぐの小学3年生の時に、千葉の田舎の養護学園にぶち込まれてしまったのだ。
あの時、幼心にももう誰も味方はいない、親から捨てられてしまったのだと、毎晩枕を涙で濡らし、翌朝布団をオネショで濡らしていたのだった。
嗚呼、あれから幾星霜・・・・・。
どちらかといえばばあさん(実母)よりばあちゃん(祖母)のほうが念が強いから、ここ何年もばあちゃんのことを思い出さなかったので、ひょっと主張したかったのかね ?
ごめんなさいと手を合わせ、線香をあげてばあちゃんに想いをはせた。
霊感などほぼないオヤジにも、そういったおかしな現象がときどき察知されるのである。
墓守はつらいよ😅
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