それなら浅草あたりまで歩いて行くのはどうかと云うと、それならいいという。
気が変わらないうちにさっさと家を出て、汐入公園を通り隅田川沿いに浅草へ向かった。
歩きながら高速道路を走る車を見ていた小僧が、タンクローリーの数を数えだした。
はじめは気にしていなかったが、よくよく見ると、高速6号線を常磐道・東北道方面へ何台ものタンクローリーが走っていくのが目についた。
べつに隊列を組んで走行しているわけではないが、メーカーもまちまちなタンクローリーは、隅田公園に着くまでにおよそ15、6台も走り過ぎるのが確認できた。
きっと、ガソリンや石油を満載して被災地へ届けてくれるのだろうと、少しだけ安心して見送った。
隅田公園には、もうすでに花を咲かせている桜が何本かあった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3d/38/ebd21beb348c96bf86530993f0328962.jpg)
緋寒桜なのか、彼岸桜というのか、花の知識が乏しいオヤジにはわからないが、カメラや携帯を向ける人々が大勢いて、花と634メートルに達したスカイツリーを交互に写真に収めていた。
ソメイヨシノの蕾もいくらか膨らんでいたし、開花まではそう遠くないだろう。
人の営みや困難に左右されることなく、季節は確実に春へと向かっている。
カモメやハトは何事もなく宙を飛び、人のくれるエサを求めて地に降りる。
震災の予兆を、彼らは感じるのだろうか ?
空は、巨大なエネルギーが噴出される前に変化するのだろうか ?
風はざわめき、不穏な空気を伝えるのだろうか ?
人の予測をはるかに超える自然の中で、何ができるのか ?
わからない。
わからないが、ただひとつ言えるのは、生きている限り立ち止まらないということ。
立ち止まらなければ、道は開けるということ。
ガラにもなくそんなことを考えながら歩いた、14.24㎞、19259歩、脂肪燃焼量30.2gのお散歩だった。