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お好み夜話-Ver2

和食を見てきた

国立科学博物館で開催されている「和食」展が以前から気になっていた。

 
上野まで出たついでに博物館の前まで行くと誰も並んでおらず、これはいいと久しぶりに手帳のご利益でヘロッと入場した。

ユネスコ無形文化遺産に登録されたことだし、たかがお好み焼屋といえども出汁はとるわけだし、いろいろ食事制限・塩分制限をされている時には出汁にお世話になったことでもあり、和食といえば出汁だし、さてどんな展示で和食の世界を教えてくれるのかと興味深く見た。

20数年飲食店をやってるとはいえ、調理学校できちんと教えられたわけでなく、料理屋さんで厳しく仕込まれたわけでもない、ただのオヤジの横好きにすぎないが、年とともに洋より和になってきてその奥深さに感心することしきりだ。
 
 
和食とは一番馴染みが深いといえる大根に、800種以上の品種があるなんてことは初めて知った。

おろし蕎麦が好きで定期的に辛味大根を買ってしまうのだが、まだまだ知らない地辛味大根があるのを知って、

いつか入手して味わってみたいと思った。
 
大根の品種の多さもさることながらキノコ類の多いこと、うまそうに見えても毒キノコだったり、どこかに「マタンゴ」みたいなものがあったりして🍄
 
で、出汁には欠かせない昆布と鰹節。

こんなに海藻類を食べる民族は日本人だそうな。
 
東京帝大の池田博士が命名した「うま味」は、昆布のグルタミン酸とかつお節のイノシン酸の最強コンビで昔から日本人にはなくてはならないものだったが、最近のヤングは西洋料理、ファストフードに慣れてしまって「うま味」を感じられなかったりするらしい、ざんねん過ぎだよなぁ。
 
そして酒好きなら知ってなきゃ恥ずかしい麹菌、発酵と腐敗の違い。

まだまだわかっていない微生物の世界、知られざるミディクロリアンがあるかもね。
 
 
古代から平安、戦国へ食文化が移り変わってゆき、

徳川家康の饗応のため織田信長が用意した御膳の中に、「鶴」があったことに興味を惹かれた。
 
口にできる物なら何でも食べる中国人でさえ食べなかった、神鳥、縁起の良いとされる「鶴」を江戸時代までは身分の高い人を中心に食べていたという事実。
 
将軍吉宗は鷹狩りで「鶴」を獲っていたようで、宮中にもそれを献上したということをあとで調べて知ったが、「鶴」食ってみたいなぁ。
 
スズメもキジもワニもイルカも喰ったけど、さすがに現代では「鶴」は食えないよなぁ。
 
 
江戸時代には食文化が大きく花開き、今でいうミシュランや食べログみたいな番付が文人墨客の間で流行ったそうな。
金に糸目を付けない「食通」ってヤツはどの時代にもいるもんだが、庶民にはお手軽で旨いファストフードの元祖、屋台の蕎麦屋や天ぷら・寿司屋の登場だ。
こういう屋台などの展示の中に、変な絵を発見(*_*)

タコのコスプレの男⁉️
 
なんだコレ❓
 
江戸時代にもこんな調子コキがいたのか、う〜ん、絵を見る限り楽しそうだしお祭りみたいに大勢人が群れている感じだが、気になる・・・。
 
 
てことで、家に帰ってから調べたら絵を描いたのが「歌川広重」、あの永谷園のお茶漬けのオマケで付いてきた「東海道五拾三次之内」を描いた浮世絵師だとわかった。
 
その「広重」さんの描いた「東都名所 高輪廿六夜待遊興之図」というのが元絵で、(太田記念美術館蔵)

左下にタコのコスプレ男がいる👀

この「高輪廿六夜待」とはなんぞやとさらに調べると、旧暦の7月26日の夜に月の出を拝もうという行事のことを「二十六夜待ち」といい、芝高輪の海岸で茶屋や船の上で宴会を開きながら月の出を待つのだそうな。
 
でタコのコスプレ男は「俄(にわか)」という、素人たちが即興で踊りや芝居をするグループの一人だそうで、なるほど周りにも浮かれて踊っている男女がいる。
 
しかし素人ってことは銭をとってるわけではなさそうで、やっぱり調子コキはいつの時代にもいるんだよね「バーバーくん」。
 
 
まそれはさておき、この絵に寿司屋、天ぷら屋、蕎麦屋などの屋台が描かれていて、江戸の庶民文化を知る上で大事な史料ってことですな。
 
 
 
な〜んてしっかりじっくり「和食」展を見て、夜はナメコおろしに天ぷらさ😁
 
 

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