「ちょっときつかばってん、ころんどった」
ころんだ
そりゃ大変、年寄りだから打ち所が悪くて起き上がれないのかと、覗き込んだとたんに笑って起き上がった。
ばあちゃんは笑うと目がなくなる
それはしっかりかあちゃんにも、天然なところと一緒に遺伝している
「ぬっかけん、ビールば飲んでくらっさい」
いやいや、まだ午前9時を過ぎたばかりだし、夕べもたっぷりいただいたからと、ご遠慮申し上げたが、それから延々マシンガントークの天草弁を聞かされ、半分意味不明ながら相づちをうち続けた。
やがてかあちゃんが戻って来て、ため息ひとつして、ころんだ
横になることを「ころぶ」ということを、何年もかかって学習した
親娘でころんでいる姿は牛のようで、のどかな田舎の風景と言わざるを得ない。
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