プラムフィールズ27番地。

本・映画・美術・仙台89ers・フィギュアスケートについての四方山話。

◇ 吉屋信子「徳川の夫人たち 上下」

2019年01月09日 | ◇読んだ本の感想。
田辺聖子さんが「ゆめはるか吉屋信子」で、この作品のあらすじを相当細かく書いていた。
なので再読しているような気がなきにしもあらず。
面白かったですが。

少女の頃から得度を希望して尼寺暮らしをしていた貴族の娘が、
ようやく比丘尼になって次代の院主に選ばれ、就任挨拶に徳川家光のところに行ったら、
何と一目ぼれをされてしまい、還俗、大奥入りをさせられるという話。
こういう要約をするとフィクションのようだが実話。

慶光院新院主→側室としてお万の方→家光逝去に伴って永光院。
知的で玲瓏玉のごとき人格の美女、として書いてある。
いや、そんな人おらんやろ~~~というレベル。ちょっとの瑕もない。ここまではやりすぎな気が。

まあお万の方は光り輝くアイドルとして書いていいとして、
家光がかなり良く書いてあって意外。
家光ってイメージいいですか?わたしはあんまりだなあ。
でもよく考えてみると、家光が出て来る小説はあんまり読んだことがないかもね。
伊達政宗の小説を読んで、幼少の家光が「仙台の爺」と懐いたとかしか。←このエピソードは好き。

ここに出て来るエピソードはどの程度史料から持ってきてるのかね。
交わした言葉とかはさすがに想像だろうが。
ちょっと和宮と被ると思ったりした。

ものすごく嫌な人も出てこなかったしね。百鬼夜行の大奥を舞台にした話なので、
それはそれはぐちゃぐちゃどろどろな話になるかと思いきや、
ちょっとした敵役の春日局も、他の側室たちとの関係も、そんなに泥沼にはまらずに。
家光の正室、中之丸様との関係は微笑ましいしね。まあ中之丸様が徹頭徹尾引き立て役だけどね。
ちょっとキレイごとだよなあ、と全体的には思うんだけど、
そのくせ家光が死ぬ場面とか、地下鉄でボロボロ泣いてました。ご迷惑な話でした。

「徳川の夫人たち」続編もあるんだよね。主人公代わって別な人だけども。
それもまた読んでみる予定。





















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