脱力系エッセイストとしてわたしがイチオシする宮田珠己だが、
文章の雰囲気通りに、のほほんと生きているだけではなかった。
当時、……いつの時点の当時かは不明だが、珍病に苦しんでいたらしい。
珍病と茶化したが、理由がわからず突然足が痛くなるというのは辛かろうなあ。
実際の痛みに加えて、「なぜ」という答えの出ない問いを
永遠に繰り返さなければならないのは辛い。
この人は旅行を愛しているが、それを仕事にしてしまう辛さもあったらしい。
そのため今回はまったくテーマのない旅、旅行作家になる前の
純粋に旅を楽しめた時代の旅への回帰を目指して旅に出た。
が、結局のところ、それをも原稿にしなきゃいけないんだから、
どんなにお気楽な旅をしようとしてもそれは無理なんだろうなあ。
仕事にしてなくてもそうだよ。若い頃に感じたキラキラした気持ちを
同じように持ち続けられるかっていえばそれは無理。
人間は慣れる動物だから。子どもの頃、世の中にこんなに美味しいものがあるのか!
と感動した食べものに、今も同じように感動出来るかというと無理。
しかもこの人の状況では、旅行の治癒効果に「すがる思いで」期待するだろうから、
そんなに気楽に旅行できないよね。
というわけで、いつもののほほん風味とはけっこう離れた、
こういう言い方をすると営業妨害になるかもしれないが、沈鬱なものを含んだ作品。
一応エッセイではあるけれども、部分的に夢、あるいはシュールな
ショートストーリーもある。
いつもと違う宮田珠己。正直言って宮田に求めるものとは違うけれども、
こういう部分もあるということでご納得いただきたい。
……ご納得とは、誰が誰に向けての発言なのかよくわからないが。
まあわたしは宮田が贔屓なので。
文章の雰囲気通りに、のほほんと生きているだけではなかった。
当時、……いつの時点の当時かは不明だが、珍病に苦しんでいたらしい。
珍病と茶化したが、理由がわからず突然足が痛くなるというのは辛かろうなあ。
実際の痛みに加えて、「なぜ」という答えの出ない問いを
永遠に繰り返さなければならないのは辛い。
この人は旅行を愛しているが、それを仕事にしてしまう辛さもあったらしい。
そのため今回はまったくテーマのない旅、旅行作家になる前の
純粋に旅を楽しめた時代の旅への回帰を目指して旅に出た。
が、結局のところ、それをも原稿にしなきゃいけないんだから、
どんなにお気楽な旅をしようとしてもそれは無理なんだろうなあ。
仕事にしてなくてもそうだよ。若い頃に感じたキラキラした気持ちを
同じように持ち続けられるかっていえばそれは無理。
人間は慣れる動物だから。子どもの頃、世の中にこんなに美味しいものがあるのか!
と感動した食べものに、今も同じように感動出来るかというと無理。
しかもこの人の状況では、旅行の治癒効果に「すがる思いで」期待するだろうから、
そんなに気楽に旅行できないよね。
というわけで、いつもののほほん風味とはけっこう離れた、
こういう言い方をすると営業妨害になるかもしれないが、沈鬱なものを含んだ作品。
一応エッセイではあるけれども、部分的に夢、あるいはシュールな
ショートストーリーもある。
いつもと違う宮田珠己。正直言って宮田に求めるものとは違うけれども、
こういう部分もあるということでご納得いただきたい。
……ご納得とは、誰が誰に向けての発言なのかよくわからないが。
まあわたしは宮田が贔屓なので。
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